利上げしないと株高にはなるけれど国富の流出がとまらない!?
- 2024.03.17
- 放言
いまだに日銀は金融緩和継続で金利も上げられない状況にある、というか放置してるというか・・・。日銀が利上げをしない最大の理由は、新発国債の利払いを増やしたくないという事しか、いくら考えても思いつかないんだよね。他に何かあるかな?
延々とそういう状態が続いているから、日本企業は海外投資ばかりを増やすし、メガバンクや生損保などはますます海外比重を増やすわけで、結果として円安にしか行きようがないという状況が生まれる。だからそれを見越して、海外勢の円売りポジは積み上がる一方なんだよね。
そしてこの円安で莫大な円キャリーが発生しているので、常に旺盛なドル買いが発生し続けることになる。この緩和資金の流出を日銀はちょっと甘く見過ぎてるんじゃないか?ってことだよ。じゃ実際に日銀が金利上昇に舵を切れるか?って言うと、財務省はプライマリーバランスが遠のくというのでいい顔しないし、レパトリや国内運用の増加という円高要因も実際のところ日銀の金融正常化を縛ってる。
雁字搦めで動けない日銀と言うのが、今の正しい姿なんだと思うよ。日米のインフレはもうそんなに変わらないのに、日本はゼロ金利、片や米国は5.5%って通常では考えられないわけで・・・。世界でよくもこんな日銀の金融政策が容認されてるな、って思うもの。各国の事情に応じて、なんて当たり障りのないことを言うけれど、実際は米国にメリットがあるから容認してるだけのこと。あちらにメリットがあるなら日本のデメリットということだから、その負担を強いられてるのは日本国民だってことになる。
今の日本で利上げするとまたデフレに戻るっていう議論があるけれど、本当にそうなのか?ってことでいろいろ調べてみたけれど、まず日本のデフレ要因が金融政策のせいだったか?って考えると必ずしもそうでもない気がするというか、むしろあまり関係ないんじゃないか?って思った。
それよりも社会構造がデフレ的にどんどん傾てしまったと言った方が近い気がする。とにかく労働問題もあるし増税もあるけれど、要は実質所得(可処分所得)が減少し続けたことが大きいというか、もうそれしかない気がする。そういう意味で決定的にダメなのが消費税だった。
経済評論家やアナリストは、労働生産性低下が主要因のようなことを言ってるけど、ドルベース換算ならこれだけ円安になれば当然そうなる。せっかく実質自行為替レートを日銀が発表しているのであれば、せめて国内的には実質実効為替レートで考えればいいのにって思ってしまう。
だから、この為替のアンバランスをいつまでも続けるのは、止めた方がいい。株価も企業業績も円安バブルになってて、それを企業経営者もメディアもアナリストも勘違いしちゃって、日本企業の実力は・・・なんて言い出すし、2030年には日経平均10万だ、20万だといって煽ってばかりいる。そういう意味で、お祭り騒ぎをしてるだけ。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損、損♪って言うけれど、株式投資の世界、踊れば損、損♪ってなることが往々にして多い。
確かに円安=株高と言う図式となっていて、もっと円安になるならばもっと株高になるだろう。日銀には利上げする根性も気概もない。なぜなら財務省が常に増税で引き締めしかしていないから。もしも利上げして景気が悪化したとしたらそれは金融政策のせいではなくて財政政策の責任だと思うけどね。植田総裁は泥はかぶれないだろうね。そこまでの矜持はない。
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