ドル円に巻き込まれた今夜の日経CFD

ドル円に巻き込まれた今夜の日経CFD

やはり今夜は気になって、先ほど目が覚めてしまったので、日米市場の動向を見始めてしまったけれど、やはり思った通りドル円が急激な動きを開始してしまったね。この動きを甘く見ると痛い目に会うという感じがありありだ。

日本株の矛盾

そもそも日本株が昨年大いに買われた背景というのは、円安トレンド以外にない。単純な話、日本の主力企業は円安にかまけて大した経営努力もしないで増収増益となったことが、そもそもダメなのよ。おまけにあほくさい話だけど、東証が株式市場の再編とともにPBR1倍割れはまかりならぬ、という意味不明のことを言い出してしまって、経営者は手持ちの膨大なキャッシュを自社株買いに振り向けた。もちろん分割したり、増配したりして、株価が上昇するように資金を使うわけ。

そうすると東証は、よくやった、いい子だ、ということになって、優良企業のレッテル貼りをする。でもそもそも増配なんて株価が低いから高利回りになるのでね、株価が上昇すれば意味なんかないんだよね。ずっと握りしめてる投資家ならば恩恵はあるだろうけど、それは大抵の場合個人じゃなくてファンドや機関投資家といった持ち合いしている大口なのよ。

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つまりこの低金利時代にあって、利ザヤを稼ぎやすくする政策なんだよね。結果的に一番の儲け頭は日銀とGPIFということになるけど。そして今度は東証は政策株(持ち合い株)を放出しなさいと言い出した。えっ!?って感じだけど、生損保なんかはいち早くそれに反応して、数年かけて政策株は全処分します、なんて言い出してる。売却すれば数兆円になります、とか言ってMS&ADなんかは人気化してるけど・・・。

結局そういう資金はどうなるかというと日米ソブリン債(国債)に投資されるというのが落ち。日本では米国とは比較にならないほど債券市場がほぼないのでね、個別企業の社債市場を作りたいというのが本音なんだと思うし、それはメガバンクや証券の稼ぎ頭にしたいわけ。というか、なんかやってることが胡散臭くてミエミエなんだよね。

円安になって利益が爆増したから株価も上昇してきた。経営者は無能だから資金を投資しようと考えないわけで、その代わり資本政策で株主還元しようと、株主をちょこちょことくすぐっておけばいいし、そうすると総会で高額報酬を提案しても反対されないし、配当は増えるし・・・。結局保身のために、余剰資金を使うってことなんだ。

でも投資家にとっては、新規投資をして事業変革にチャレンジするからそれが最大の投資メリットであって、本来の姿でもあるわけで、企業が伸びてゆく、競争力が高まる、というのは資金の再投資以外にないんだよ。はっきり言ってトヨタが吹けば飛ぶような企業組織であるNVIDIAと時価総額が同等、とか言われて納得なんか出来るはずがない。

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だから日本株はドル円次第

というわけで、そうした日本企業の化けの皮を剥ぐのに、一番効果的なのが「円高」なのは言うまでもなくて、そもそも期初に発表する経営計画が慎重なのは、自社の経営が為替動向、海外市況に大きく依存しているからで、通期でのドル円レートなんか分かろうはずもないし、外部環境の変化も分からないから、事業計画を主眼に想定していないということなわけ。

なのでドル円が¥160で財務省が介入したという事実は、結構効いていると思うよ。¥160が上限、というある意味メッセージなのだから、今期業績が前期を大きく上回る会社計画をだしてきたところは数えるほどしかない。

今夜、先ほど日経CFDは¥38,288と▲¥549まで大きく突っ込んだ。その時ドル円は¥154.600だった。けれどこれは恐らく前段の下げかもしれないという気がする。結局のところ、米国市場連動相場に回帰する運命であって、頼みの綱の円安が剥落するトレンドになったときは、打つ手がない。

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今日のポイントは?

ポイントは、明日バリューが売られるか否か。特にメガバンクを含む銀行株がどうなるかが見物。それと資源株とか化学株とかも、ちょっと厳しい。半導体関連はNVIDIA、TSMCともに上昇してるんで・・・ディスコ、TOWAの売りポジは無理そう。

電力は一回戦終わりかな、という気がするけど、原油価格が大きく低下したので、こうなってくると、船と飛行機、という気がするけどね。船は本当に強いな。ちなみに何故かADRでは川重が強い。もしかしたら昨日は重工の日だったけど、今日は川重行くかもしれない。ノーポジにしてしまったけどね。最後に蛇足ながら、グロースが買われるとなると、もう一発エムスリーが来るかな、と注目してます。

米国市場は切り返してプラス圏へ。でも、4月JOLT(雇用動態調査)求人件数がいよいよ弱くなってきた。それも結構なサプライズ(予想835.5万人、結果805.9万人)となったことで、これを受けて5月の雇用統計がどうなるか・・・。勝負の分かれ目になるんじゃないかな。