2025年はトランプ革命の年になる!?その時、マーケットは・・・
- 2024.11.25
- 放言
トランプが大統領選挙で勝利したこと、そして次々に閣僚達や行政の要になるポストのサプライズ人事を行っていることを見て、米国の左派系メディア(ほぼすべてのメディア)は、批判することしか出来ないで、右往左往している様は実に滑稽というか、ある意味痛快そのものだ。
企業でも政府機関でも、どんな組織でも大組織がどうなるのか、トップに立った人が何をしたいのか、を推し量るためには、その人事を見る以外に方法はない。物事はAIで判断されればよい、と言ったくだらなすぎる議論はさておいて、財務や事業内容、予算や投資計画を細々分析して、あれこれ言うのがアナリストだけれど、それはほとんど当てには出来ない。
なので米国がトランプ大統領によってどうなるのか?を推測するためには、今まさに行われている人事を重視すべきなのは言うまでもないと思う。メディアは今回のトランプ政権は、財務長官であったり国務長官人事が重要だという論調で彼是言っていて、イーロンマスクやRFKJは批判の対象にするばかり。
けれども自分は個人投資家なので、米国経済・マーケットという視点で見れば、最も重要なのは財務長官人事、FRB議長人事と言いたいところだけれど、本筋は実はイーロンマスクとRFKJなんだろうと思うんだよね。
その理由は、この二人が持つ莫大な米国予算に関する裁量権にある。米国政府予算の支出は社会保障費22%、健康保険15%、メディケア13%、失業保険10%と実にRFKJの管轄は国家予算の実に60%を占める。そして新設の政府効率化省の長官になるイーロンマスクは議会承認なしに支出されている年間約77兆円の歳出を終わらせるのが目的と言われているけれど、ではこの歳出は何に使われているのか?というと米国の情報機関による工作資金がその多くを占めているわけで、国家情報省、CIA、FBI、そして司法省の徹底的な改革をするぞ、という意味が含まれてるということ。その上規制撤廃や行政部門の縮小、歳出削減という、つまりは米国の全ての政府機関予算に対し口出しする権限を与えているということ。
つまりは、トランプはこの2人に莫大な政府支出に関する権限を与えていることになる。予算そのものを大統領自ら関わってゆくということは現実には不可能で、あり得ないことだから、それこそ信頼できる党利党略に関わっていない、または党内の勢力争いとは無関係の2人を起用するというのは、実はとんでもないサプライズなんだという事をメディアは見ないふりをしてる。
米国の2025年度予算は約1100兆円と言うことを考えると、ほぼほぼこの莫大な政府支出に関する権限を民間人と元民主党員に預けるというとんでもない人事をやってのけたわけで、ここを無視するというのはクレージーとしか言いようがない。
ではこうした政府機関予算を削減する代わりに何をするかと言えば、個人の所得税や法人税を減税して、民間に還流させるというのがトランプの意図している経済政策だと思うけどね。トランプは関税を引き上げて、同時にFRBには強硬に利下げを迫って行くわけで、その結果インフレが再燃するという議論があるけれど、多分それはある程度覚悟しているのかもしれないと思う。なぜなら米国の政府債務をこのまま放置するわけには行かないからだ。なので長期金利は上昇しても短期金利を引き下げて、目先は経済の正常化を目指さないとドルの覇権は守れないと割り切ってるのかもしれない。
そもそも、FRBがインフレ抑制のために金利を引き上げ、QTをすると言事をトランプは、「現実にそぐわない真逆の政策」と言っている。FRBが金融引き締めをしなければならないのは、莫大な政府支出の増加が原因というのがトランプの見立て。政府は金を出しまくり、ドル安になるのをFRBが阻止しているという構造そのものが、誰のための政策なんだ!?とトランプは言いたいのだろう。
挙句に戦争に関与しまくる米国の姿勢は、トランプが最も嫌っている部分であって、そこには米軍以上に国家の情報機関が関わり、軍事産業が莫大な利益を出し、その資金を国務長官が集めるというとんでもない体制を終わりにしないといけない・・・。
そういう政策を米国大統領が志向したとしても、必ず頑強な抵抗勢力が存在するわけで、混乱は必至。マーケットにも大きな異変が起きる確率はかなり高いはず・・・。けれどもトランプ自身がドル高を望んでいないことを考えると、長期金利が跳ね上がり、極端なインフレになるか、というとそれは危険な考えだと思うし、むしろ円安ドル高の局面はそろそろ転換する可能性もあるのではないか?くらいに考えておくべきと思う。
そのために、トランプはいよいよFRBに対する政府関与を強めると思うし、これ以上のドル高を容認するとも思えない。まして移民を1000万人以上国外退去処分にするということは、数字上は雇用の減少を招くわけで、利下げは正当化される。要は賃金上昇と需要とのバランスも問題でしかない。
というわけで、トランプが来年1月20日に大統領に就任し、それ以降米国経済がそうなってゆくか、マーケットがどのように推移するかを予測することは、極めて困難なこと。ただし2025年は大きな変化の年となることだけは、確実に分かっている。トランプが暗殺されない限り、米国は大きく変わるだろうし、その変化に対して日本政府がどう対応してゆくのか?日本企業が有効な手段を講じることができるのか?
そう考えると、日本株の行方は、つまりは日本の政治家や経営者の資質に大きく依存してゆくことになると思う。すでに半導体装置業界や製薬業界は崩れつつあるしね。
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