米国の社会構造改革と日本の致命的な衰退

米国の社会構造改革と日本の致命的な衰退

正直、米国が羨ましいと思う。勿論米国民の選択なんだろうけど、トランプが大統領に返り咲いて、今度は一度目の轍は踏まず、と言わんばかりに米国の腐敗した構造を改革しようとしている。グローバル化とリベラル化のなれの果てがまずはUSAIDにあるから、これを解散に追い込むという選択をする。年間7兆円余りの予算の半分が何に使われているか分からないという状況を腐敗と言わずして何というのだろうか!

連邦政府の改革もすでに始まっていて、とにかく遊んでいる職員の数が半端ないという指摘。組織をスリム化するという事ではなくてそれ以前に仕事をせずに遊んでいる職員はファイアーだ、というのは当然のこと。

そして最終的には命がけの司法省改革。すでに着手していると言われるけれどCIAの職員全員の希望退職を募るとか、次の段階では大幅なスリム化を図るだろう。そしてFBIも歪んだ体制を一掃する努力が始まっている。

株式投資をしていると、経済のことばかり目に付くし、経済政策をもってトランプ政権を評価しようとするけれど、とにかくトランプ大統領は、米国のカネに物を言わせたメディアの言論統制や政治活動にまで切り込み、薬物やスパイ活動での莫大な脱税、そして欧州でも方向転換せざるを得なくなった不法移民による犯罪等々。何もかもが自由と人権の名目に隠れてエスカレートし、腐敗する社会を再建する必要があるという、まさに大改革を実行している。

Advertisement

そして連邦政府のみならず州政府の腐敗までを正そうとしているのだ。治安維持予算やインフラ整備予算を削り、マイノリティ優遇政策やLGBTQ教育に振り替えている民主党系の州。しかし、曖昧な予算使途は中抜きをされて政治運動に使われていたりもする。日本の政治資金不記載問題とは比較にならないほどに、カネと選挙、政治が癒着している現実を正さない限り、米国の再生はない。

なぜトランプ大統領は関税をかけるのか?自国の産業を守るための保護主義政策と一般的には言われているけれど、一番の理由は自由貿易の結果、財政赤字が膨らみ続けると結論付けているからだ。米国は食料もエネルギーも時給自足できる状態であるにもかかわらず、再生可能エネルギー政策を促進すれば、エネルギー投資のために米国の富は流出せざるを得ない。今の米国はグローバル化によってほぼあらゆる産業で輸入がないと成り立ちえない状況なのだから、財政赤字は減ることは考えられない。

米国経済が成長すれば比例的に財政赤字が増大するという構造に転換してしまっている。しかも驚異的な速度で財政赤字が増え続けていて、いま、この速度を落とさなければ近い将来ドルの信頼は失われると思っていて、そうなると世界におけるドル基軸通貨体制が揺らぐと分かっているからだ。

Advertisement

米国の経済成長が3%ならばそれを実現するために連邦債務は5%増えてしまうという悪循環を断ち切りたいという意味がある。それを関税によって国家予算を補い、減税によって経済の活性化を図れば、海外への富の流出を抑制できるとともに、国内経済の活性化のために使うことで、正常な経済成長を図るということなのだ。

もちろん、こうした政策が上手くゆくか否かは現時点では未知数だが、少なくともこれがトランプ大統領が打ち出した明確な国家目標であるという事は極めて重要だと思う。

比較するのもおこがましいけれど日本は・・・、正直政権も官僚も、金融当局も、何もかもが絶望的だ。少数派に転落した自民党がらくらく予算を通すという現実が目の前にある。そこには何の改革も織り込まれておらず、ほぼほぼ財務省の原案である。選挙に負けた自民党がいまなお与党として予算を通すという茶番劇。これにはトランプ大統領も呆れるだろう。

Advertisement

また野党は日本を真に改革しようという意識の政治家は皆無。党の提案した個別に政策に執着し、党利党略が実現すれば賛成するという姿勢。

自民党にも野党にもこうした現実を快しとせず、少なくとも官僚支配構造を根本から改革しようとする政策は微塵もない。それが無ければ減税など実現しようもないと思うのだが・・・。

未だに橋下徹の呪縛から逃れられない維新、党首が増税主義の立憲、減税以外なのもない国民民主、山本の毒舌が頼りの極左れいわ、お遊びの日本保守、滅びゆく公明、共産。財務省が政党化した自民。全く救いようのない構図だろう。

遂に強いリーダーシップを発揮できる政治家は、日本からは生まれずに終わってしまうのかもしれない。このままでは日本の致命的な衰退は避けられそうにない。