日米同時スタグフレーション突入決定かな!?

日米同時スタグフレーション突入決定かな!?

経済学部に入学して、経済原論を最初に学んだ時、まず最初の最初でつまずいた記憶がある。それが「人間は合理的に行動し、利益(効用)の最大化を目指す」というきわめて合理的な存在であるという理屈。

最初はね、本当にそうなの?って何か嫌~な感覚になったのを覚えてる。だって自分は、そんなことをあまり考えたことなかったから。学生時代に自分にとって一番有利だと思われるような部活を選んだわけでもないし、勉強だって嫌なものを無理やりしなければダメかな?くらいの感覚。日常そのものが不合理な選択に満ちていたから。

それを大学の経済原論の最初のあたりの講義で「同じ質の物であれば価格の安い方を必ず選択する」と言われて、なんかもう経済って嫌いかもって思ったのを覚えてる。やっぱ文学部がよかったと後悔した位。

そりゃね、人間だから選択する場面になったとき、自分にとって一番効用の大きい選択をするだろうと考えたけど、これだって必ずしもそうではない。多少なりとも価格差があるしパッケージも違うし、色だって違ったりして、自分の好みで選択したらそれが最も高価だったってことも頻繁だしね。

例えばレストランやラーメン店に行って、食事をするときの選択は、その時に何が食べたくて、セットはちょっと高いし、でも一押しのメニューは食べたいし・・・。そんな選択はどう考えても回数を重ねてもランダムとしか表現できないと思うしね。

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洋服を買う時だって、同じようなデザインを比べる意味はそんなになくて、デザインが違うから選択する行為が自然に生まれるし、時には価格に優先する選択をするし、お金がないから最初から高価なものは選ばないけど、さりとて最も安いものを選択することもない。

結婚だって、合理的な選択なんかあり得ないけど、結婚ってむしろ経済的な影響は物凄く大きいはず・・・。下手をすれば一生の経済を左右する選択となり得るのに、合理的な選択なんかクソ喰らえ!だった。

そして一般均衡理論という意味不明(というか理解できなかった)理論が出てくると完全にアウト。「市場で生じた需給の格差は後に必ず均衡する方向へと向かう」みたなことを言われるとそうなのかな?って思うけど「需要と供給は必ず均衡する」みたいに言われると、嘘コケ!となるし、実際に思い切り引いたしね。

その次は今度は「合理的な選択」をベースに需給を考えるようなグラフが出て来て、数式なんかが登場して完全にアウトとなった次第。結果、経済原論、統計、の単位を落とし、産業連関も落とし、と散々な大学生活を強いられた。つまりは飛び切りの劣等学生とあいなったわけだ。

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そんな自分が、いま、紆余曲折を経て株式投資で飯を食うようになった。そのフィールドって自分にとってとんでもないわけだよ。経済というのは自己実現のために通貨というものを媒体にするわけで、それが完全に価値尺度になってきて、仕舞には、通貨を消費の手段として使わずにため込むようになった。経済の基礎と言われる分野をほとんど理解していない上に、金融論を理解しろと言っても無理な相談で、それでも株式投資という魑魅魍魎のジャングルで、カネを賭けて日々の糧を得るなんて、正気の沙汰じゃない。

このブログにも知ったようなことを偉そうに書いてるけれど(そのつもりはないのだけれど)、株式市場の本質はファンダメンタルズにもテクニカルにもないと思っていて、むしろ集団真理を学んだ方がはるかに有益だと思ったので、実際には漠然としたことを書くことが大部分なんだけど。

現に週末の株式市場の暴落なんか、集団真理以外に説明のしようがないと思うけどね。結局ヤバイ状況かも、と投資家の多くが懸念を持っていて、それを実行する人が増えたから株価は下がった。

トランプ大統領が実際に自動車とその関連分野に25%の関税をかけるとなって、その影響はどうやって求めるのか?というと漠然とマクロ経済に関する理論式とかを駆使して考えるのだろうけど、数字が導き出せたところで、現実にそうなるとは限らないし、まず100%外れるだろうし。

それと感覚的に相当な影響が出ると思う事と一体何が違うのか?ってことだよ。

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日銀が経済の正常化のために金利を上げると言ってるけど、そもそも経済の正常化ってのは、まさかマクロ経済学の理論を多少修正しただけの、理屈から得られるものなの?って思ってしまうし、当然そんなことは正しいはずがないとも思ってる。

状況はかなり異なるけれど、日本と米国は今、同じようなジレンマを抱えてる。日本は景気が悪いのに利上げをしようとしてるし、米国は株価を下げて金利を無理やり下げようとしてる。なんじゃそれっ!?どちらも経済にとってはマイナスな行為じゃないのかい?強引に無理筋をやろうってかい?

日本はコストプッシュインフレなのに利上げしてコストを高くしちゃうのかい?米国は関税をかけて株式を暴落させて無理矢理金利を下げてしまおうってかい?

これ、もしかしたら、どちらもスタグフレーションに陥るんじゃないの?と感覚的に思ってしまう自分がいます。結構確信の持てる感覚です。それって需給が均衡しない世界だし、人間は合理的な生き物ではない世界だし。

経済学なんか糞喰らえって感じですから。