米国債10年金利の上昇は新たな株式市場暴落を招く!?

米国債10年金利の上昇は新たな株式市場暴落を招く!?

このままでは、米国債の金利が跳ねちゃってマズイことになるぞ!

これねぇ・・・いろいろ言われてるけれど・・・農林中金のロスカットのせいだとか中国が売り継続とかね。けれど、先ほど米国債10年金利は4.500pまで跳ね上がってるんだよね。もちろんまとまった売り物がでてるから、何だと思うけど、本当のところ今日になってのこの上昇は気に入らないね。

ドル円は昨日のザラ場で¥142.06を付けた後のテクニカルリバウンドの色合いが強く、日米の10年債利回りの金利差で動いてるという事でもないね。今夜¥144超えくらいまでは自然に戻ると思う。

それと些細なニュースでも上昇の理由にしたい米国株式市場は、結構な反発になってるけど、これもなぁ・・・。やはり効いてるのは中国がもう関税戦争はしないというニュースとロシアと米国の協議(米国の特使がプーチンと会談)というニュースとか、とにかく何でもいいので救い上げて買いの理由にしたいのだろう。

というわけで、引け後に大きく下げた日経CFDもプラスに転じてしまい、またポジションをしくじったかも、と嫌~な感じに陥ってるんだけど。

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さて、それでもとにかく米国債10年金利の動きは本当にマズイと思ってて、これって米国のみならず世界の金利に影響を与える基軸通貨の標準金利だからね。それが、こうも大きく動いてしまうということは、世界中の金融が慌ててるということ。

そして何よりもトランプ大統領とかベッセント財務長官が焦ってると思うよ。多分裏ではFRBに対して介入してくれと頼んでると思うよ。当のFRBは最近QTを緩めたばかりで、米国債の償還分の再投資を拡大する政策に出てたから。これってトランプ政策の真っ向からの否定に近いから。

でもパウエル議長はTV番組出演で「米国債の対策はすぐにでも始める必要がある」とは発言してた。FRBの理事達は一様に現在の金利水準を維持するべき、と発言しまくってるしね。トランプがインフレを引き起こすのが悪いと言わんばかり。まぁ、そういう反感を持つだろうけどね。

でもCPIもPPIも低下傾向だったし、カギを握る原油価格も一時$60割れ水準まで来たしね。いまの米国の消費動向からして、そんなに簡単にインフレにはならないという意見も間違ってはいないと思うよ。ただ今のFRB理事達、地方連銀の総裁達は、なんか発言が足元の経済を気にしてるというよりも政治的に偏ってる気がする。もしも冷静に経済を見ているならば、今現時点で相当に悪化していることを汲み取るはずだよ。

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というか、連邦政府の大量国債償還(ロールオーバー)をどう考えているのかさっぱり理解できないね。これに失敗すると・・・、ほぼほぼ基軸通貨としてのドルへの信認がワンランク低下してしまうだろうしね。その結果は国際社会における米国の地位の低下を意味するし。

当然米国債の格付けも下げざるを得なくなる。そうなると長期金利の上昇に歯止めが効かなくなって、あっという間に世界金融はパニックになるよ。

トランプ大統領にとってもう一つショックだったのは一昨日の30年債入札が絶不調だったこと。長期債が買われないということは、国家を信じていないという事になるしね。30年債には期待してたと思うけど案の定の結果になって、苦しいだろう。

さて、トランプ大統領は、やることなすこと上手く行かず、八方塞がりの状況になってる。だからこそ、余計に今後どうやって長期金利を下げようとするのかが大問題なんだよ。かなり弱気になっていて中国に「貿易協定の合意に期待する」などと発言してしまった。その意味は「米国債売りをやめてください」という懇願だよ。

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習近平は今ごろ、「勝った!」と祝杯を上げてるかもね。もう中国は怖いものなしって感じになってしまい、これがトランプ大統領の大失策かもしれないね。

中国を叩くつもりが返って自信を持たせる格好に・・・。やっちまったなぁ・・・。

ということは、いよいよトランプ大統領も手負いの虎のようになっちゃうかも。このままじゃ世界各国でドル切り下げに応じるのは、日本、英国くらいのものかも。EUはかなり微妙で、関税撤廃次第だと。ロシアを何とかすれば、中国孤立化の可能性もあるけれど、中東が諸国がディールで増産を決めたようには行かないだろうしね。

そもそも、トランプ大統領も、ベッセント財務長官も、大統領上級顧問達も、政策で長期金利をコントロールできると判断したことが、甘いんだろうと思う。特に米国債はかなりの比率で海外依存しているわけで、関税を持ち出せば当然米国債を対抗手段に使われるのは、予想出来るだろうにね。

というわけでトランプショック本番は、これから来ると思っていた方が良いと思ってます。株式市場が少しくらい戻しても、付いていける状況えはないと。

いずれにしても来週16日(水)の3月小売売上高で、再びの急落になると思うからね。