備蓄米の放出で米価はどれほど下がるのか?

備蓄米の放出で米価はどれほど下がるのか?

農水省の大臣に小泉進次郎がなって政府備蓄米を30万トン放出するという事。随意契約で売り出し価格は¥892/5kgとして、一般小売価格を¥2,160/5kgと明記するという・・・。そりゃ本当にその価格で流通から出てくれば、みんな買うだろう。3年落ち米、4年落ち米を放出するわけで、とりあえず安いコメをみんなが欲しがってるわけで、売れると思う。

けど既存の流通米は\4,000台、¥5,000台であって、その米の価格が低下するとしても、それほど下がるとも思えないし、余裕のある人は買うんじゃないかな。

実際に店頭に出てこないと何とも言えないけれど、これで米価が全体として下がる傾向は極めて限定的のような気がする。本当に下げるなら、供給を思い切り過多にして、その状態を維持する必要があるけれど、そもそも政府備蓄米は100万としかなくて、これをすでに15万トン放出してるので、今回と合わせて45万トンが放出される計算。

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となると政府備蓄米は55万トンしかなくなってしまう・・・。これは大問題で、現在の日本の米消費量は約67万トンだから、何と備蓄が1ヵ月分もなくなってしまうことになる。政府備蓄米は最重要国家機密の一つで、保管場所さえ明かされていない重要物資。それが1ヵ月分もないということになると、国家戦略上大問題なんじゃないかな。

そもそも、現在のような需給のタイトな生産力しか持たない米農業のなかで、備蓄が2か月分なかったというのも大問題。需給が崩れると簡単に価格に跳ね返る。今回の米不足の要因の一つは多分生産量がタイトになってきてる上に、JAの価格吊り上げ戦略があったとしか思えない。何で1.8兆円以上の大穴を農林中金があけてしまったわけで、これを何とかしないと、というのが昨年秋頃からあったことは事実。

どうも、今回の米価の急騰はその辺が最大の原因なんじゃないか?って思ってるけど。

そもそも、JAの立ち位置はこれはもう完全に独占禁止法違反と言ってもおかしくない立ち位置。先の15万トンの放出でも95%がJAが落札してる。にもかかわらず米価が上昇してるって言うのは、余りにおかし過ぎる。となると、今回の米価急騰は意図的な側面が結構あるなと睨んでる。

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農林中金の発表では今期は黒字になるという事らしいけど、この環境で黒字化ってのも怪しいしね。黒字化には黒字化の理由があるんだろう・・・。

というわけで、一過性の価格低下は見られると思うけれど、米農家にしてみると、¥1,000足らずの買い上げ価格が¥4,000、¥5,000で売られてるわけで、そりゃ納得できるわけがない。なので、今回の騒動で相当に流通が変わってくるんじゃないかな。そして米価はブランド別にかなりの格差が出来たりする可能性が濃厚。それでも、果たしてどれくらいの米が¥2,160d得売られるのか・・・蓋を空けないと分からないね。

学校給食とかNPOとかには優先的に出してやって欲しいけどね。

でも、これで国民が安くなれば小泉進次郎をまた好きになっちゃったりしてね。そういうのって裏で糸を引いている連中の思う壺。米価とガソリンを少し下げたら、国民はアホなので気が済むだろうという・・・。

悪い奴らの考えそうなことだけどね。でも小泉がさもさも真面目な顔をしながら米価を語って欲しくないけどね。アホはアホのままでいて欲しいって思うんだよね。