注目のFOMC!やはりパウエル議長は動かなかった。
- 2025.05.08
- トレード雑感

FOMCの結果は政策金利据え置き。FRBはトランプ大統領の圧力に屈することなく金融政策の独立性を維持した。こうなると3時半からのパウエル議長の会見が非常に重要で、というか今の状況で金融政策を変更しようのない理由と年内3回ないし4回の利下げを予想している市場に対し、どのようなメッセージを送るかが見物だね。
しかしこうなって、初めて市場が抱いている関税協議の合意に対する期待感から実体経済に対する悪影響へとスポットが当たるようになる。ある意味楽観はこれでピリオドを打つことになるんじゃないかな。今の株価上昇がベアマーケットの戻りに過ぎなかったという結果になると思う。
米国経済は1-3月期のGDPがマイナスに落ち込んだ。けれども4ー6月期はプラスに回復する見込み。その意味は輸入が極端に減少するから。けどその代償はズバリ、インフレだからね。今月発表される4月のCPIはまだそれほどの影響は受けていないかもしれないけれど、5月のCPIあたりから影響が出始めるのは必至だ。
会見が始まったけれど、パウエル議長はやはりインフレと失業率が上昇するだろうという前提で話してる。結局どちらがどういう形で来るのか分からないので、今は動けないと言ってます。それはそうで、逆を言えば指標的な裏付けがあれば利下げをするという事かな。関税なんか導入されちゃって、どういう影響になるか分からないと。
日本経済の状況をみても分かる通り、今度は米国もコストプッシュインフレに見舞われることになる。景気はそれほど良くないのに物価だけが慢性的に上昇を続けるという、救いようのない状況に米国も落ち込むだろう。
パウエル議長が「どうなるか読めない」と言ってる通り、株式市場も債券市場も、為替もかなり右往左往の動きになってる。要はFRBもマーケットも今後どうなるかさっぱり予測できないということかな。
まぁでもこれで、トランプ大統領の臨む展開は消えた。連邦政府の財政状況は改善されることはなく、余程の強硬な政策でも繰り出さない限り、1400兆円の満期国債は高金利でのロールオーバーを余儀なくされる。
そもそもトランプとベッセントの戦略は、景気がそれほど悪化しないうちに関税という強烈な刺激を与えて、長期金利を下げ現状よりも低金利でのロールオーバーを成功させるというものだった。長期金利を下げる、ということはつまり米国経済に悲観が蔓延して景気指数が悪化しなければならないわけで、そんな状況は容易に演出できるものではない。
それを進言したベッセントには、マーケットをコントロールできるという驕りがあるよね。ここまで来てまったく意のままに動かないマーケットにトランプ政権はお手上げ状態という状況になってしまった。いくら高い関税を導入しても米国の輸出は増えないぞ。輸入が減ればGDPは回復するけれど、インフレになる。結果、米国経済は堕ちるね。長期的な展望を無視して目前の市場を弄ろうとするところ、やはりベッセントは所詮ヘッジファンドの短期筋ってことだな。
やはりね、FOMCでは株式市場がどうなるか分からなかったね。だってこれを受けて、株式市場は上昇だからね。ちょっとだから株はわからんのよ。まぁ下がるとは思うけどね。下がらなければ嘘だろうと思う。それでもまだ関税協議を材料にするんだろうなぁ・・・。
「トランプ大統領と話しますか?」
「NO」
いいね。
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