こんなにホンダが好きなのに・・・【インテグラ TYPE R DC2型 前編】

こんなにホンダが好きなのに・・・【インテグラ TYPE R DC2型 前編】

NSXを手に入れて彼是と弄り始めて、自分なりにこれ以上はオリジナルの性能が崩れちゃうと思っていた矢先、フィリピン人の女性が運転する車と事故になった。幸い日本人の夫と婚姻していて、中古車販売業を営んでる方の奥さんだったので、トラブルなく事故解決できたけれど、100%はないにしても9:1以上の責任を認定される所謂貰い事故だった。

右前に反対車線側にあった銀行の駐車場から渋滞している車列の間からいきなり出てきたのだけど、こっちも渋滞で徐行状態だったし、車列からいきなりノーズが出て来てNSXの右前にヒット。こういう場合、アルミボディーとアルミサスに対する影響がどれほど出ているのか分からないし、修理は販売店からホンダ送りになった。

約3カ月間の修理を終えて戻ってきたNSXはほぼ完ぺきな修理状態で、ハンドリングも全く異常はなかった。その辺はホンダも入念にテストしてくれたみたいで、感謝してます。流石のフォロー体制だなと大いに関心もした。

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その間、結構なストレスが溜まってしまい、当時発売開始になった初代インテグラ TYPE Rを衝動買いしてしまった。B18C 1800cc DOHC VTEC 200ps。売れ筋は文句なしに2ドアハードトップだったけど、何と4ドアセダンの設定があると。ディーラーでキャンセルが入って2週間で納車できます、との情報も得てしまい、居ても経ってもいられなくなってしまった。

(すでにアップしてある「本当はホンダが大好きなんだ!」と言うタイトルの記事の中で、インテRの後にNSX購入とありますが、詳細な記憶を思い出して書き直しました。従って記事は曖昧な記憶のまま書いたミスです。)

運命の出会い!インテグラ DC2型

FFのスポーツタイプならば当然2ドアクーペを選ぶべき。トラクションで有利だから。でもサイドのスタイルが気に入ったこと、そして家族のことも考えると4ドアセダンも悪くないかなと。でもキャンセルで短納期というのが一番の理由だった気がする。

B18C型(SPEC R)エンジンの至高

B18C型1.8Lエンジンは初代インテグラの物で、これを徹底的にスポーツカー・チューニングを施しSPEC Rとして搭載された。けど、実際のこのエンジン、ストレスレスというか、とにかく一気にレヴリミットの8400rpmまで回り切る。というか回転が上昇するごとに加速的に高回転に突入してゆく様はもう尋常じゃなかった。

しかもその高回転域に達するスムーズさは断トツピカ一!NSXオーナーだった俺の脳天を切り裂くほどの衝撃だった。このSPEC Rに比べたらNSXのV6のなんと重たい事か!

昔4AGの7000rpmまでのスムーズな噴き上がりに感動し、アコード・インスパイアのG25Aの圧倒的なスムーズさに感動し、NSXのCA30Aの出来に感心していたけれど、正直どれもB18C SPEC Rの敵じゃないなと思ったもの。

4AGは名機かもしれないけれど、B18C SPEC Rは名機中の名機だね。

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手作業で仕上げちゃう?

何故これほど凄いエンジンになっちゃったのだろうって思うのも当然で、B18C型エンジンを徹底的にチューニングしてしまったから。それもメーカーチューニングとしてはあり得ないほどの手間暇をかけて手作業で・・・。そんなことはまずあり得ない。

シリンダーヘッドの吸排気ポートをリューターを使って手磨きをするとか、バルブシートとバルブフェースの当たり面を手磨きしながら調整したり、ピストンやクランクシャフトの重量バランスを手で調整して見たり・・・あらゆるエンジン部品に人手が入ってる。そしてシリンダーヘッドはバルブ周りも含め手組する。

これって完全にバイクエンジンのチューニング手法だよ。NAエンジンのチューニングの肝は吸排気の滑るような空気の流れを実現するか、摺動部のフリクションをいかに減らすか、そして回転バランスをいかに完璧にするか・・・。その結果3ps、5psの向上を追求するのがバイクのレースエンジン。

このインテグラのB18C SPEC Rエンジンはそれを徹底的にやっちまったんだよ。けれども極限まで性能を追求するというのではなくて、市販車としての信頼性や耐久性を担保できる水準を維持しながらチューニングしてる。

全く当時のホンダってとんでもない企業だな、と言う気がするよ。

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ロングストロークだから

でもカリカリの扱い辛さがないのは、このB18C型エンジンがある意味ロングストローク型だから。一般にショートストロークは高回転型を作りやすい反面、低回転域でのトルクが細る。レーシングカーなんかだとアイドルでも4000rpmなんて回さないとスタートできないなんてのもあるほど。

ところがこのB18Cは低回転域でも結構粘ってくれるから扱い辛さは全然なかったよ。5MTのセダンタイプだったから結構半クラッチを使ってスムーズに・・・みたいになりがちだけど、クラッチのことを考えるとできるだけ半クラは使いたくなかったし、ストンと繋げることが多かったけど、エンストした覚えないしね。

それに3速2000rpmからの立ち上がりもストレスはあまり感じなかった。シフトノブはチタン、5速のギアレシオがクローズドだったし、それ以上にアクセルとブレーキペタルの配置も良好だったから、ヒールアンドトゥはもう最高に決まる!

何といってもマニュアル使いの女房も普通に運転してたしね(4AGは女房の車だったからね)。

レヴリミットは8400rpm

NSXもだけど、このTYPE Rも8000rpm上までが常用域になってるという化け物っぷりだけど、バイクチューニングを施したB18C型 SPEC Rはもはやモノが違うんだ。これを味わってしまうとNSXのV6のモサモサ感が妙に鼻に付き始めた位。

その上VTECなんていう仕掛けを設けちゃってるので、低ギアでは6000rpm前後でハイカムに切り替わるとそれこそ、怒涛の回転上昇となる。何ともとんでもないエンジンなんだよ。

ディーラーの営業はこのエンジンは当たりでしたね、と言っていたけど、やはり個体差は結構あったみたいだけど。

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生涯最高のエンジン!

いままで、様々な車(25台前後)を乗り継いできたけれど、真に官能的でハートを直撃する、と言う意味で、ベストはこのB18C型SPEC Rだと断言できる。トヨタ7M-GTE、2JZ-GTEや4AG、日産のVG30DETTやRB26DETT、ポルシェM97型、アウディD2型、etc。ちょっと思い出せないけど、ワーゲンのゴルフターボやパサートW8とかもあったけど、全然官能的じゃない。その意味では、G25A、C30A、B18C、F20Cと乗ったホンダエンジンはどいつもこいつも官能的だったと思う。

ホンダと言う会社は、良くも悪くも当時はちょっとイカレタ会社だったからね。でも今は見る影もない全く光らない会社になってしまったのが寂し過ぎる。時代の流れ、と言う人もいるけれど、マーケばかりやり過ぎて、墜落してしまったよ。

で、不思議なんだけど、エンジン技術者たちは何をやってるんだろ。シャシー技術者もパッケージばかりやらされたんじゃ面白くないだろうし。

(後編に続く)