高市政策は諸刃の剣!リスクを取り過ぎる!
- 2025.10.30
- 放言
高市内閣スタートで日経平均株価は¥50,000を超えた。多分、この内閣の財政拡大と金融緩和効果で、海外勢の資金が流入した。その場合、海外勢が買う銘柄は半導体・AI関連に決まっていて、同時にこれらのウエイトが極端に高い日経平均(インデックス)絡みを買ってくる。
日経平均がこの高値であるのに、海外投資家は平然と株を買ってくる。なぜ?
もともとあいつらは、日本人から見たら尋常ではないのに、この日本市場の状況を見て、最大限弄りまくってくる。と言うよりも、円安になればとにかく日本国内に投資してる資産価値を守るために株や不動産を買わざるを得なくなる。いやいや買ってるのか、円安を利用してポジティブに買ってるのかは分からないけれど、とにかく円安が進んでるのは確か。
そのバックボーンにあるのが高市政策であることは間違いなく、対米投資80兆円の内、確実に半分以上はドル買いされるという事だし、財政をふかして緩和的な政策を躊躇わないという事でも、日本買いは追い風になってる。
その結果どうなってるか?と言えば、日経平均が¥50,000になって都内の中古マンションの平均価格が1億円を超えてきた、ということが現実に起きている。
個人的にはどうしてもこの政策の方向性に疑問がある。トランプ大統領が来日した。そこで高市は思い切りはしゃいで見せて、日米関係の強化をうたい、防衛費の増額や対米投資に関する確約を要求されてもいないのに、自ら発表をしてる。
それに先立って、ベッセント財務長官は片山財相に対し、特段要求もいていないし、あえて言えば今の円安に関する牽制をした程度だった。それよりも、日米で中国に対抗するために協力しようと、中国に何とかレアアースを出させるように仕向けようという根回しをしたと言ってもいい。それに加えて財務長官として言うことは一つ、つまり米国債購入ノルマだった。
高市首相が本当に経済を理解しているのか否か、不安に感じるのは恐らく明日、日銀が利上げをしないことで明らかになると思うから。今のところの予想では、日銀植田総裁は今回は利上げを待つだろうということ。本来日銀は今の日本経済の状況からして利上げをしないわけには行かないはず・・・。当然利上げすれば株価は下がるだろうけど、少なくともインフレを抑制する効果は絶大だと思うから。
少々の金利上昇では、国民生活はに大きな影響はないし、企業の投資意欲の足枷にはならない。国内景気指数などが多少落ちても、インフレの悪影響を排除することの方が先決なのは言うまでもない。けれども日銀の馬鹿なところは、今のインフレで基調は2%を大きく超えたと判断していないことだ。そんな指標を基に金融政策をやっているから、いつも失敗の連続なのだ。
一体誰が、2.9%ですといって納得してる国民がいるというのか!?
一体誰が1億円も出して中古マンションを買うというのか!?
いまの日本人に喜んで新NISAに投資してる人がどれだけいるというのか!?
みんな気が付けば、円の購買力低下をしみじみと、毎日の生活の中で実感してるんだよ。田中貴金属にゴールドを買い求める人が殺到したというけれど、そんなものは富裕層の暇人だけだよ。そんな余裕資金が余っているような国民が何人いると思ってるんだよ!
現物ゴールドを買って倍になりました。でも雑所得なので手元には半分しか残りません。そんなものを資産として考えるには10年、20年、50年単位で考えないと意味がない。でも、そんなことはいま生きてる人間には出来ないことなんだよ。
そんな事情を高市首相が理解しているとは到底思えない。新技術に投資して、財政を拡大することがいま現状での得策であるとは、素直に実感できない要素があまりにも多すぎる。電力は重要で、防衛力の強化は必要、米国にも投資します、そして大型補正予算を組んで物価高対策のためにばら撒きます。疲弊した病院や介護施設に対する補助も出します。もちろん減税公約は守ります。
この飴ばかりの政策を次々に繰り出したら、日本の財政規模はさらに拡大する一途。バランスシートには資産もあるから大丈夫と言うのは、高橋洋一の主張だけど、大半が売却できない資産なんだよね。それでも増税しないで何とかやりくりは出来るかもしれないけれど、単年度会計を変えないと無理。

はっきり言って高市政策では国民生活は絶対に救われないと思う。増税しなくても物価高になれば同じこと。それよりもインフレになって国民の給与所得が上がらな構図を何とかしないといけないし、外国人の流入を制限しないといけないし、馬鹿な議員が高齢化社会だというのに妙に張り切ってDX化をするのも止めないといけない。高齢者にとって何の意味もないマイナンバーカードなど、手遅れだ。
来日外国人は日本人が現金を使う姿に驚嘆するらしい。電子決算じゃなくて、むしろ現金が使える社会を誇るべきだし、維持するべき。日本は現金社会でいいじゃないの。変わった国でいいじゃないの。
このブログでは都度、日本株はバブルだ、と言い続けてきてる。特に今年になってトランプが就任してからの関税騒動の最中に、株価が上がり続けたという事実が、そして日経平均が¥50,000を超えたという事実をもってして、明らかにバブル相場だと断言できると思う。
でも実際にはこうなる相場の構造自体が怖いと思う。AIでもなんでも投資ー株高ー投資ー株高の連鎖が止まらないわけで、資金回転こそがバブルを引き起こしてる。なので正常な相場であれば、ネガティブなニュースに反応して株価は調整するものなんだけど。
それがそうならないのは、明らかに通貨の価値が急激に低下しているから。米ドルも日本円も同じ。同盟関係強化ならますます同じ。知らず知らずのうちに日本国民はとんでもなく貧乏になってるんだよ。
明日(今日)はトランプと習近平が会談するけれど、何処まで行ってもこの会談の焦点はレアアースしかない。大豆を買いますと中国が行ってもそんなのはいつものこと。レアアース問題が解決しない限り、株価は大暴落するだろうと思う。それが分かってるから、表面上は歩み寄ったように見せかけるけど、中国はレアアースの世界断トツの優位性を絶対に手放すはずがない。
半導体も自動車も、兵器も、スマホも、何もかもがレアアースなしでは成立しないわけで・・・、レアアースが無ければ文明が止まるんだよ。また新規採掘、精製はとんでもない環境被害が伴うわけで、おいそれとはいかないんだよね。こんなワイルドカードを中国が手放すはずがないのよ。
もしも明日(今日)のトランプー習近平会談から株式市場が嫌な雰囲気を嗅ぎ取ったら・・・一気に暴落が来るかもしれないし、ゴールドが暴騰するかもしれない。その時に高市政権はほぼ無防備だ。もちろん下準備があっての会談なので、一見歩み寄ったような演出はなされるだろうけど。でも最悪の場合は高市首相には何もできない。なぜならさらなる財政出動を余儀なくされ、その後日本のインフレは異次元モードに突入してしまうから・・・。
高市首相の政策は、株式投資をしているようなものだ。
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