日米株式市場のリスクオフはこれから!?

日米株式市場のリスクオフはこれから!?

米国市場がリスクオフに傾いているのかを判断する基準の一つは、米国債の金利動向なんだろうと。はやり基準金利とも言える10年物国債金利が株価とともにどう動いているか?で判断するパターンが多くて、株価が軟調なのに金利が低下し始めてると、資金が株から債券に、という言われ方をしてすぐにリスクオフに傾いたと言い始める。

けれども今の時代、今の状況では一概にそういう状況が来る前に、リスク資産はたくさんある。商品市況しかり仮想通貨しかりだ。最も分かりやすいのはゴールドで、英国がドカンと売った後、需給はタイトと言われ続けてるのに横這いのまま。原油も供給過剰感が強くでて$50台に沈んでる。そして言わずと知れたビットコインの下落。高値約$19,000から約$5800の厳しい下落に見舞われていて、他のクリプトも同様になってる。

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こうしたことを見せられると、まずリスクオフの初期には必ず商品やクリプトが売られるんだな、という理解で間違いじゃないと思う。で、リスクオフの状況が変わらないのであれば、その次に売られるのはいよいよ株式と言うことになるんだろう。

けれどもそうした資金の向かう先と言うのは、必ずしも米国債一択ではないような気がするし、昨日少し書いたビッグテックがAI投資のために起債する社債に向かう可能性も大いにある。メタが起債した5.8%の24年債なんて言うのは、黙ってて5.8%の金利を毎年取れるわけで・・・。株よりも安心・安全と考える投資家はわんさかだと思うし。

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それにこの一連のAI投資のためのビッグテックの大量起債なんかは、特に日本株にとっては大きなリスクになり得る可能性があると思う。今米国債10年金利が4.067p、日本国債10年金利が1.772pとなって、いよいよ日米金利差は2.300pを切ってきた。しかも、日本では高市政権の積極財政でまだ上昇しそうだし、米国では12月FOMCで利下げが来るということになると、当然ハイレバを利かせた円キャリー投資は手仕舞いする動きが出やすいしね。その意味では、いよいよ覚悟だけはしておいた方が・・・。

そういうわけで、まだ日米ともに株価は底ではないんじゃないか?AI関連、半導体関連が下げるのは分かるけど、なんというか他の主力だってここまで水準が高くなりすぎてるし。年末株高期待は相変わらず大きいけれど、今年の場合そうなるか否かは、FRBが利下げするかどうかだと思うけど。

利下げしないと、どうしてもドスンと来るだろうなぁ・・・。

なので、日米株式市場のリスクオフは、これからのような気がするし、決して甘くはないと思ってます。