プライベート・クレジット危機とイラン戦争

プライベート・クレジット危機とイラン戦争

何かが崩れてる、そんな感じのする株式市場の動き。というか厳密には米国投資家の動向ということになるんだけど、日本市場が下げてるのもそのせいだと思う。トランプのイラン攻撃自体の是非は別としても、このタイミングで突然戦争に舵を切ったこと。それが一番問題になって何かが起こってる・・・。そう考えるのが自然なんじゃないかな。

このブログではちょっと執拗にプライベート・クレジットが危ないと書いてきたし、特にソニーGに関しては十時社長を本当にコケにしてきた。まぁ、ソニーGは切り離したファンナンスも含めて完全に終わってるような人がトップに立ってるわけで、そんな企業が買われるわけがない。

すでに2月の末あたりから、本格的にプライベート・クレジットに対する懸念が始まってた。そしてブルーアウルの問題が出てきたけれど、そもそもデータセンターに対する巨額投資に関してあれこれ不安を感じていた時期と重なって、「あの巨額資金はどこから捻出するのだろう」ということに関して、評論家達がネットでいい加減なことばかり物知り顔で言ってたけれど、いかに時流のAI企業とはいえ「打出の小づち」を持ってるわけじゃない。

そしてこれだけ巨額ならば必ず世界中のメガバンクや生損保、証券などが絡んでるに決まってる。でもこれも良く書くことだけど、金融って詳細情報のディスクローズはまずしない。三メガでさえ、「うちは直接、間接に手を出してます」なんて絶対に言わないけれど、三メガともに米国子会社などを通じてどっぷりと「有望なAIビジネス」に漬かってるに決まってる。生損保も絶対やらないわけがない。あとは証券を筆頭にそれぞれの金融機関の高利回りな個人向け商品を通じて個人が相当関わってる。

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三メガは目立つのでもう始まってると思うけど、来週あたりからはそれぞれ個別株でクライマックス的な動きになると思う。つまり、プライベートクレジット関連はみな売られるという動きになる。これがならないと逆におかしいというか、海外大口投資ファンドはその辺を敏感に動かないと、やばいから。

で、そもそも、こんな事態が始まっているというのに、十時社長は「プライベート・クレジットに大いに期待してる」みたいなインタビューでコメントするってことは、つまりほとんど金融情勢が分かってない人だということ。ファイナンスの天下り社長なんかも同様で、つまりこの二人は意気投合してソニーを金融会社にしてしまったんだよね。

まぁ、言ってみればそんなドタバタの中で、トランプ大統領は戦争を始めてしまった。そりゃ政治的にはイランを攻撃することはつまりは中国の首根っこを押さえることに直結するわけで、ベネズエラへの進出も阻止された中国は、もうロシア産で補填するしかないけれど、プーチンは多分これ以上人民元は勘弁してくれ、みたいな感じだしね。それに米国がロシア産原油を許可したことで、沖合に原油を満載したタンカーには、買い手が殺到しているということだしね。もちろんドルとかユーロで決済が条件みたいだけど。日本海はタンカー銀座になってるよ。

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で、その原油だけど、ホルムズ海峡に機雷を撒いたというのはどうやらガセっぽい。実際インドのタンカーは2隻も通過してるし・・・。中国船も通過してるらしいしね。それこそホルムズを封鎖して一番困るのはイランなのだから。さらには、こうなって改めて確認できたことは、減産し続けてきたサウジの姿勢だよ。要するにインフレでものの価格は上昇したけれど、原油消費は増えてないってこと。そして現状で言うと、この戦争でますます景気後退が鮮明になると、原油はだぶつく。だから、たぶんホルムズ海峡の封鎖もタンカーへの攻撃も原油の需給を大きく左右できないと思う。

実際にはトランプ大統領や米軍は相当に怒ってると思うし、今週末、来週はそれこそトランプが言うように徹底的にやると思う。バンカーバスターも使う(使った!?)という情報もあるし、原油を投機筋が期待してるような価格にするのは無理芸だと思う。投機筋もそこまで突っ込まないと思うし・・・。

あまり怒らせるとイラン原油を積んだタンカーを米軍に攻撃されるぞ!20隻以上ホルムズの外に退避させたらしいから。で、原油価格を$200にしたる!というイラン当局者の発言は$200で売りたいです!に聞こえるな。

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さてイランは、そもそも宗教指導者に国家の統治がまともにできるはずがなく、ホメイニーハメネイ体制では革命防衛軍という国軍とは別の親衛隊のような軍事組織と戒律という国民統制をやってきたわけで、イスラエルという天敵を作って軍事力を正当化していた。

でもその裏で経済を仕切っているのは、最高指導者なんかじゃなくてしっかりと黒幕的存在が何人かいる。仕切ってるといっても利権を独占して暴利をむさぼってるだけなんだろうけど、そいつらが経済的な裏付けになってる。革命防衛隊なんかは下手すると軍事政権を作りたい、くらいの野心があるだろうし。

だから当然イランの体制変革なんかは一筋縄ではいかないし、濃縮ウランも隠されちゃって・・・。その辺の準備というか調査をモサドに頼った米国は、下手を打った面も大いにある。なにせトランプはCIAの予算も削っちゃったしね。

イラン戦争に関してはこんな感じに見てて、株式市場の問題は、やはり金融懸念だと思うしね。あとは4月の雇用統計で相場が大崩れするかどうか、決まるかな。