厳しいセンチメント相場:日本株を読め!【8.13~8.16】
- 2019.08.10
- トレード予想
8月9日(金)日経平均引値 ¥20,684(前週予想¥20,400)日経平均CFD ¥20,541
相場地合概況
株式市場の見方として、今週はかなり憤りを感じた週となった。なのでその点を中心に書くことにする。
まず、今週の相場は5日(月曜)・6日(火曜)の大幅続落で始まったわけだが、問題にしたいのは、先週の金曜のアナリストや評論家の無責任なコメント。
日経平均が7月の15日に一旦¥21,800をブレイクしたことが印象にあったのかとも思うけど、とにかく¥21,600-¥21,800のレンジの揉み合いから、大半の関係者は上抜けを前提にコメントしてたと思う。
しかしその時点ではFRBの0.250bp下げはほぼ見えていたし、日韓問題に関しても徐々に韓国が荒ぶり始めてたこともあって、日本株にとっては正直厳しい状況だな、と考えるのが真っ当だろう。
恐らくそう考えない理由は3つ。1つ目は企業決算はそれほど悪くないと予想してたこと。2つ目は円高は0.250bpであれば限定的でむしろ円安方向へ巻き戻すと考えていたこと。そして3つ目は米中交渉が妥結に向かって、年後半は例年通り12月高値に向かう、と決めつけているとこ。
しかし、そのどれもが上か下かで言うなら、確率は1/2で、3条件揃う確率は僅かに1/8しかないわけで・・・だったら、株価の行方を楽観するのはどうか?という気がしたわけだ。
日々いろいろ調べてて、FRBの0.250bp利下げだけは、同じように思ったけど、どう考えてもあとの2つは逆だろう?と思ってた。
いつものことだけど、米国トランプ大統領のツイートが大人しくなってくると評論家は楽観するんだよ。けれどもトランプ大統領のツイッターみてると、よくもまぁ連日ネタがあるな、と言うくらいいろいろ言ってる。要するに多忙なわけで、米国大統領として内政問題も大変だろうからね。常に米中云々なんて言ってられないんだろう。
もうひとつ、言いたいのは、米国経済も含めての話だけど世界経済は、既に昨年天井を打ってる。なので、いまは下落トレンドにあるってこと。けれど米国市場は戻り天井が7月で高値を更新したので、上昇トレンド継続と見えなくもない。
だったら日経平均はどうよ?みたいに考えると全く今回は付いて行ってない。円高になったから当然なのだろうけど、じゃなぜ円高になる?みたいなことだろうと思う。世界経済のリスクが拡大していてドル買い・円買いになってる。じゃ円とドルでは?となると円買い>ドル買いなんだろう。
しかも今後米中対立が激化の様相。ならばFRBは利下げせざるを得なくなる。
今週は確かにリバウンド相場になったけど、この先どんなリスクがあるかによって株の動きは決まるはず・・・。チャートや株式市場だけしか見ていない評論家は、まったく当てにできない相場が今後も続くはずだ。
米国ダウ日足チャート・テクニカル
$1250下げて見せて、早速米国ダウはリバウンドの体勢を見せてる。一旦は急落後にリバウンドするのは当然としても、来週以降、テクニカルで動くと考えるのは少々危険な気がする。
もともと金融相場でセンチメント相場である以上、需給だけでは割り切れない相場展開はいくらでも起こりえる。
米中関係は今以上に改善することは、恐らく当面はないだろうし、9月1日からの関税引き上げは実効に移される。
けれども最も重要なことは中国を為替操作国に指定したこと。
それ自体は何も出来ないわけだが、関連法で実際にはなんでもできるようになった、と考えるべき。なので、中国はこれで完全に蛇に睨まれた蛙なんだよ(テクニカルの話になってないけど 苦笑)。
日経平均日足チャート・テクニカル
一方の日経平均だけど、¥20,200を割れるということは(日経225採用銘柄の)PBR1.0ってことで、ここが下限とする意見が大勢を占めてる。
しかし、企業業績が今以上に悪化するかもしれない、と言う状況に成ってくると話は別。ということは今後の地合いを考える上では、今以上に企業業績はどうなるか?または日中、日韓の関係がどうなってゆくかを見極めて株価は動くと考えるべき。
いま、連日物凄い水準で空売りが推移してる。そして先日は遂に空売り比率50を突破した。もちろん50以上というのは史上最高だ。
と言うことは裏を返すと海外勢の多くは、日本株がこれから上昇して獲るよりも、下げて獲るほうがイージーと考えているってことだろう。
今年に限って言えば年末上昇というシナリオを描くのは時期尚早。もしかしたらそれもダメかもしれない、位に考えておくべき。
来週の日米地合予想
来週は個人投資家はほとんど市場に来ないと思う。来ても小型株以外に弄らない。まぁ、小型株を弄って火傷しちゃうと、これからが厳しく成るだろうから、無理に弄るなら傍観がいいと思う。
そして主力に関しては、トランプツイートに翻弄される相場にならざるを得ない。そのトランプ大統領は「日韓対立に関していいことではない」と発言してる。取り様によっては批判的な発言だけど、日本が韓国の姿勢次第としていることを考えると、この発言は韓国向けだと思って間違いない。
その韓国ではだいぶ保守派が発言するようになってきた。流石にホワイト国除外はまずいという雰囲気が少しずつ出てきたのだろう。しかし、文在寅大統領は折れることはまずないだろう。
となるとやはり8月15日の光復節での文大統領のコメント次第になってくるはずだ。
米中問題もいよいよ時間がなくなりつつあるなかでトランプ大統領は「9月に合意できなくてもいい」と発言して、またもやストンと米国株はさげてしまった。
こうしたセンチメント相場が来週も続くということだろう。
8月16日(金)日経平均予想
来週は商いが細るので、外部要因に反応する相場になるはず。よって
日経平均株価 ¥20,000 ドル円¥105.00
を予想する。
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