サムソン電子を凋落させる3要因!韓国経済は衰退確実
- 2019.09.07
- 海外情勢
サムソングループはサムソン電子、サムソン電機、サムソン物産等直接傘下に60数社を擁し、1グループ(財閥)で韓国のGDPの20%以上を占め、さらにサムソン電子の半導体関連だけで15%を占めるという、韓国経済にとってはまさに命綱である。
韓国経済はGDPに占める輸出割合が約40%とドイツ経済同様の極端な輸出依存型経済であり、また財閥依存体質は財閥上位10社の売上はGDPの45%に匹敵する。
サムソンに凋落の危機迫る
結論から言えば、現在サムソンは極端な業績悪化に見舞われていて、ほどなく赤字転落の危機を迎えている。
2018年、中核のサムソン電子は好調な半導体需要を背景に、売上高243兆7700億ウォン、営業利益は58兆8900億ウォンと過去最高を記録した。
しかし、2019年第1四半期は、売上高13.5%減少(前年同月比)、営業利益60%減少(同)となり、続く第2四半期は売上高こそ4%減少(同)とやや持ち直したものの、営業利益は56%減少(同)と第1四半期同様50%以上の減少となって引き続き低迷が続いている。
実はサムソン電子の業績は今後ますます悪化し、グループ全体が凋落する可能性が濃厚なのだ。
サムソン電子を凋落させる3つの要因
1)主力事業の低迷
サムソングループの中心企業であるサムソン電子の事業は、1)半導体 2)ディスプレイ 3)IT&モバイル(パソコン、スマホ等)で構成されているが、その3部門すべての業績が今後悪化する可能性が濃厚なのだ。
半導体(デバイス)部門の危機
2018年までサムソン電子の業績を引き上げてきたのが半導体部門で、売上高は2018年ベースでも世界最大であった。
しかし、2016年辺りから将来半導体需要が低迷するとの判断から次世代の開発競争で後塵を拝する結果となり、メモリ、フラッシュメモリ、CPUのすべての部門で競合企業に激しく追い上げられ、抜き去られつつあるのだ。
通常メモリ
通常メモリは、在庫がだぶつき価格が低迷しているが、しかし米国マイクロンは従来の2倍の容量と大幅な小型化・省電力を実現した高集積型メモリを広島工場で量産を開始している。
それによって、サムソンやハイニクスの従来主力メモリの価格は回復することなくさらに下落することが確実となっている。(米国マイクロンは日本のエルピーダメモリを吸収した)
フラッシュメモリ
また記憶を維持できるフラッシュメモリでは、次世代の多積層メモリを米国マイクロン、東芝メモリが量産を開始したが、サムソン電子はいまだ量産の目途が立っていないとされる。
CPU
さらに2018年に米国インテルの売上高を抜き去ったCPUでは、2019年以降主力とされる7ミクロン回路は現在サムソン電子と台湾TSMCで実用化されているが、すでにTSMCでは量産が開始されている。
サムソン電子は量産が日本の素ッ化水素輸出規制で遅れ、なおかつ5ミクロン、3ミクロンの試作にTSMCが成功していることから、完全に開発競争で負けてしまっている。
パネル・ディスプレイ部門
現在大型液晶パネルは、中国企業の激しい追い上げにあい赤字転落しているとみられる。
サムソンは8.5世代液晶パネルが生産の主力であるのに対して、中国企業は10.5世代の良好な歩留まりのパネルを大増産して、サムソンのシェアを侵食した。
無尽蔵に資金投入可能な中国企業が開発競争(技術盗用)に勝つと、たとえサムソンと言えど量産では全く勝ち目がなくなってしまう。
さらに有機ELパネルの生産は、技術的には日本の出光と日本各社の生産設備を導入することで、比較的容易に中国生産が可能で、現に中国企業の激しい追い上げにあっていて敗北は時間の問題とされている。
IT&モバイル部門
5G時代を迎え、サムソンは中国メーカー以外ではノキア、エリクソンが健闘しているものの、世界市場ではサムソンは僅かに3.5%程度であり国内整備が終了する2019年以降は厳しい戦いを強いらることが確定的となっている。
またスマホは、中国に重点を置いた戦略が完全に裏目にでて、2019年にはファーウェイやシャオミに完全に駆逐されてしまった。
2018年サムソンの中国におけるシェアは20%を超えていたが、現在では僅かに1%未満と完全に崩壊し、中国工場はすべて閉鎖に追い込まれた。
その影響でサムソンのスマホ世界シェアは首位から転落し、完全に衰退している。
2)日本のホワイト国除外
韓国は2017年、安全保障の見地から米国をはじめとする各国で問題視され、日本は2018年末を期限として特にフッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミドに関する輸出調査を再三にわたって依頼したが、韓国側から申し出のあった報告期限である2019年3月をスルーされてしまったことで、日米の情報をもとに6月輸出規制を開始した。
それに対し韓国文在寅政権は、反日で対抗し自国の輸出管理改善を行うことはなく、その結果事前の通告と猶予期間を設定した上で8月28日、韓国をホワイト国から除外しグループB管理国に指定した。
こうした経緯にも関わらず文政権は反日と日本バッシングをなおも継続し、国際社会でのアピールを続けているが、サムソンは日本依存度が非常に高く、危機感に覆われている。
現実にフッ化水素は自国調達すると発表したものの、半導体において7ミクロン、5ミクロン回路ではフッ化水素の品質から極端な歩留まり低下は避けられない。
また一部レジストに関しては輸出申請が許可されたものの、他の品目での影響が極めて深刻で、今後の事業展開に著しい支障が生ずることは避けられない情勢と言われている。
3)トップが有罪判決で収監確実
サムソングループ創始者の三男で、現会長のイ・ゴンヒの健康状態の悪化で後継と指名された現サムソン電子副会長イ・ジェヨンは、再起不能となった会長に代わるサムソングループのトップである。
イ・ジェヨンはグループの効率化と資本関係の整理のために傘下企業の持ち合いや統合を推進してきたが、その過程で韓国前大統領パク・クネに便宜供与を依頼したとされる贈収賄事件で起訴され、一審、二審ともに有罪判決を受けた。
二審の判決では贈賄を34億ウォンと認定され、懲役2年6ヵ月、執行猶予4年の判決を受け、8月29日上告審判決が下されたが、この大法院判決がサムソングループに衝撃をもたらした。
大法院(最高裁)は、イ・ジェヨンの贈賄額を84億ウォンと算定したうえで、二審に差し戻した。韓国では贈収賄認定額が50億ウォンを超過すると5年以上無期懲役の実刑判決となる。
懲役3年以上の判決に施行猶予を付けることは許されないことから、イ・ジェヨン氏の5年以上の実刑が実質的に確定したも同然となった。
サムソングループ成長の原動力は、日本のソフトバンクと同様に機敏なトップダウン型経営にあるとされていて、今後のサムソングループの運営に大きな影を落とす結果となった。
サムソングループは経営危機に直面している
巨大財閥企業と言えど、中核企業での先端技術投資が生命線である事業での投資判断の遅れ、文在寅政権の輸出管理に対する作為的なまでの輸出管理や反日、そしてグループトップに対する理不尽極まる韓国の司法判断によって、経営危機に直面していることは明らかである。
巨大企業と言えど、カリスマトップを失えば簡単に迷走に陥った例は内外にいくらでも存在する。そして文在寅政権がサムソンの韓国経済に対する莫大な影響力を熟知したうえで、自傷行為のような政策や判断を繰り返していることが、まったく理解できない。
サムソングループは、少なくともサムソン電子は現在、経営危機に直面していて、近い将来に確実に凋落してしまうだろう。
韓国経済衰退確実
韓国経済にとってサムソングループの影響力は計り知ることさえできない程強大である。
現在韓国経済そのものは、文在寅政権による経済政策の失敗の影響で、国内経済は極めて悪化し、加えて貿易赤字国に転落する瀬戸際であり、その影響で韓国ウォン安という通貨不安に見舞われている。
そうした状況で、サムソン電子の業績が急激に悪化するとなれば、それはまさに韓国経済の命取りとなり得る。
たった1社で1国のGDPの15%に相当するというのは驚異的なことではあるが、しかしそれ以上に自国経済を追い込む大統領の存在には、想像を絶する恐ろしさがある。
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