【日本市場】消費税増税延期と衆参同日選挙で令和バブルへ
- 2019.05.02
- 国内情勢
新天皇即位で令和時代がスタートしました。GWと新天皇即位が重なったこの10連休ですが、海外市場(特に米国市場)が安定的な動きとなっていて、それに伴って日経平均CFDも新時代の幕開けにふさわしい値動きとなっています。
さて、連休明けは主要企業の決算が本格化し、株式市場の荒い動きも予想されますが、5月中旬にはそうした不安定な動きも落ち着いてくるものと思われます。そして、徐々にドラマチックなシナリオも浮上しつつありますので、5月中旬以降の日本市場の動向を考えてみます。
消費税増税延期は有り得るか?
現時点での日本市場の最大の関心事は、米中交渉と消費税増税の行方です。
米中交渉はこれまでにある程度市場は織り込んできていると思われますが、消費税増税に関しては、現時点では既定路線となっています。
そのために、年初からの株式市場の戻りは米国市場と比較し非常に緩慢です。
消費税増税は日本経済に決定的なダメージをもたらす
現在日本経済は2019年1-3月期のGDP値如何では2018年度マイナス成長か?という危機的な状況にあります。そして、5月のGDP1次速報値では相当に厳しいものとなり、この状況で消費税増税を既定路線とすることは、まさに自殺行為です。
そもそも、日銀の金融緩和効果がほぼ剥離した状況で、安倍政権下の都合4年間、PB(プライマリー・バランス)を意識した実質的な緊縮財政を行った付けが、現状の景気状況であるわけで、その上消費税増税となるとデフレ転落は決定的となります。
にもかかわらず財務省は増税を既定路線とし、なおかつ毎年着々と国民負担を増やし続けています。その結果、可処分所得は減り続け、アベノミクスを骨抜きにしました。
人口動態で雇用は良好ですが、賃金の上昇は極めて限定的で、遂には外国人労働者を受け入れねばならない状況となってしまいました。
それが日本経済の現状です。
米国の増税延期の圧力
この4月、天皇退位の直前に安倍首相は、欧州歴訪と米国訪問を行いました。特に米国訪問は急きょ日本側の要望で決まったと言われていますが、安倍首相は日米交渉に関する調整よりも、米国側の協力を確認したのでは?と言われています。
4月の始めにウォールストリートジャーナルは社説で日本の消費税増税を否定しました。そしてさらに同紙の人気コラムで、「増税は自分で自分の足を打ち抜くようなものだ」と批判しています。
こうした流れの中で、米国は「経済に水を差すような政策をするべきでない」と日本側に圧力をかけていると思われます。日米交渉で米国が強硬に「農産物に対する関税撤廃」を要求してきたことも、日本に対する圧力の一環と見ることができます。
日米関係に関しては、安倍外交の力がいかんなく発揮されると思います。
トランプ大統領来日とG20大阪
トランプ大統領は新天皇との謁見を目的として5月26日に国賓として来日します。が、この来日は、陛下との謁見以外に主要な目的は発表されておらず、恐らく「日本側に対する強い要望」を携えてのものだと思われます。
2019年1-3月期GDP1次速報値が5月20日発表された直後の来日であり、ここで消費税増税延期の雰囲気が出来あがります。
政府はそのタイミングでのトランプ大統領の来日を意図的に設定したわけですね。
そして6月28日、29日の日程でG20大阪が開催されます。日本は議長国で安倍首相は議長の役回り。
ここでの議題はもっぱら世界経済の行方とブレグジットになるわけですが、その折に日本が消費税増税で緊縮財政を行う、というのは申し開きができません。
つまり、この一連の流れの中で消費税増税延期の大義名分が出来あがるわけですね。「日本が消費税増税を断行した場合、世界経済に対する悪影響がリーマンショック級の危機を引き起こす可能性がある」ということでしょう。
安倍首相は消費税増税延期を三度決断する
安倍首相は消費税増税が、日本経済にとって計り知れないダメージになることは熟知しているはずです。そのことはこれまでにも再三にわたってブレーンである高橋洋一氏や藤井聡氏との会合を持っていることからも容易に想像できます。
ただし、そうした方向性が容易に打ち出せないのは、財務省および自民党内の増税派に対する配慮です。
首相の最終的な目標は憲法改正であり、それまでに党内を荒立てないという戦略でしょう。特に麻生副総理、岸田政調会長は財務省そのもので、非常に神経質に配慮していると思われます。
しかし、外圧(米国の圧力)と経済指標を理由に6月中には消費税増税を延期するでしょう。
【10月22日】即位礼正殿の儀で無様な姿は見せられない
さらにこの10月22日には新天皇の即位礼正殿の儀が、195ヵ国の国家元首を招待し内外に新天皇の即位を宣言する盛大な式典が行われます。
これは世界に前例がないほどの盛大なものとなり、このときに消費税増税で経済が萎んでいるような無様な状況は断じて見せられません。
そのあたりの政治日程を考慮しても、消費税増税は有り得ないと言うのが私の個人的な見方です。
衆参同日選挙になる?
安倍首相の首相在任中の目標は、何としてでも憲法改正の国民投票を行うことです。そのためには、連立与党である公明党が難色を示していることで開催されない憲法審査会を動かす必要があります。
つまり、安倍首相にとっては連立を組む公明党の存在が一番のネックなのですね。その代わりとして日本維新の会が勢力を伸ばせればいいと言うことですし、単独で憲法改正の発議が行える勢力を余裕で維持できればいいという計算をしています。
となると、今回の参議院選挙は、安倍政権の運命を握る選挙になると言うことになります。
「消費税増税延期で信を問う」という大義名分
その際に衆参同日選挙を断行できるような、つまりは自民党が圧勝できるような大義名分があれば党内の反論を抑えることができます。それほど政治家にとって選挙が重要な事なのは言うまでもないですね。
仮に5月、または6月に「消費税増税延期」という大義名分を掲げての衆参同日選挙なら、今の経済状況からして相当数の国民の支持を得られることは確実です。
すべては安倍政権のシナリオ
こうした消費税増税から、新天皇即位、米中交渉、日米交渉、GDP速報値、という流れは、恐らく安倍首相とそのブレーンのシナリオであると、私は思わざるを得ません。
この流れで行けば、消費税増税はまずあり得ないことで、新天皇即位、令和という国民感情の高まりのなかで消費税増税延期という材料を使って衆参同日選挙を行えば、大勝して公明党の連立解消が可能になり、改憲発議ができるという、鉄板のシナリオを私は確信しています。
【日本市場】消費税増税延期と衆参同日選挙で令和バブル入り濃厚
ほぼ九分九厘、このシナリオで間違いないと確信していますが、そうなれば株式市場は少なくとも昨年来高値を更新するような上昇劇を演じることになります。
あくまでもこうしたシナリオは可能性という前提になりますが、私個人としては、まず間違いなく日本市場の上昇相場入りは確実と考えます。
5月は17日までの週はもたつくことが予想されますが、そこが買いの勝負処であると思いますね。
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