海外勢の買いと需給だけで十分:日本株を読め!【10.7~10.11】
- 2019.10.05
- トレード予想
10月4日(金)日経平均引値¥21,410(前週予想¥21,200)日経平均CFD ¥21,541
現在の日米相場地合
FRB利下げ期待
4日に発表された9月の米国雇用統計は、雇用者数の増加幅が事前のコンセンサスに届かず、賃金の伸びも鈍化したが、失業率は半世紀ぶりの低水準となり、事実上完全雇用に極めて近い水準となった。この状況では雇用者数の大幅な伸びは期待できないだろうから、あながち今回の雇用統計はネガティブとは言えない内容。
こうした状況だが、FRB利下げ期待が高まったとして、株価は大幅上昇となった。
市場のコンセンサスは、年内あと2回の利下げを見込んでいるという。客観的に見て、雇用がさほど鈍化しなかったことを考慮すれば、あと2回の利下げには疑問が残る。ただし製造業の業況悪化は歯止がかからない状況ということで、それが米国経済にどの程度影響するかは未知数。
米中合意期待
相変わらずトランプ大統領は米中交渉の再開を受けて、ポジティブなツイートを連発している。
そうしたことも、株式市場の大幅状況に影響しているのかは、分からないが、15日からは関税引き上げとなり、さらに12月16日以降は全面的な関税を賦課することになるわけで、暫定的、かつ部分的な合意と言えど、それがらが撤回されるようなら、株式市場は好感するだろうが・・・。
しかしその場合でも、中国経済の減速には歯止めがかからないだろうし、米国製造業も同様ではないか?
ウクライナゲート
とにかく最近のトランプ大統領は、2020年の大統領選挙を過剰に意識した言動や行動が多すぎると思う。
そして、民主党のバイデン親子に関するネタを意識し過ぎた結果、政権の内部告発によって刺されてしまった。さらにぎくしゃくした政権内部からは、新たな告発も出そうな状況で、政策に全く身が入らなくなっている。
しかし、こうした状況が北朝鮮のミサイル発射をエスカレートさせ、香港民主化デモに対する中国共産党の弾圧を激化させ、イラン問題は放置状態でなお革命防衛隊は着々をイエメン等で作戦行動を取っている。
にもかかわらず、米朝首脳会談に意欲をみせ、ノーベル平和賞を確実にしたいという選挙対策を優先させるとするならば、取り返しのつかない事態を招くだろう。
その意味では、世界中が「軍事行動を選択できない合衆国大統領」と認識しつつあることが、大きなリスクかもしれない。
米国ダウ日足チャート・テクニカル
世界経済や米国経済の悪化懸念で揉み合いから2日間にわたって大きく下げた米国ダウだが、雇用統計を前に下げ止まり、そして雇用統計を受けてFRBの利下げ期待が高まったとして、大幅に戻すという展開は、大きな三角持ち合いの中の値動き、という範疇をまだ超えてはいない。
この持ち合いを上抜けるためには、米中交渉の合意が条件となるだろうが、妥協が見いだせなければ、かなり難解な相場への移行せざるを得ないのではないか?
このところの米国市場は75日線下では必ず、トランプ大統領のポジティブツイートが連発されて、上昇に転じると言うパターンが繰り返されている。
今度もまた、そうした動きに徹するとしても、持ち合いは煮詰まりつつあるから、焦る必要はないと思われる。
日経平均日足チャート・テクニカル
一方の日経平均は海外勢の揉み合いからの買い越しを経ているため、75日線を割らず、チャートが崩れることはなかった。そして、米国市場の大幅上昇を受けて日経平均CFDは¥130の値上がりとなり、週初はGUスタートする公算が大きい。
このまま、何事もなく週末を越せれば、上値を追う展開になると考えざるを得ない。とにかく日本市場の裁定売り残の状況や、個別株での信用取り組みからして、上昇せざるを得ない需給は継続ということ。
個人的には、週末に米国市場が崩れると踏んでいたが、裏目に出た格好となってしまった。
来週の日本市場
米国市場はまたしても、米中交渉の妥結期待を材料に上値を追うという、茶番を演じるのかもしれない。そうした中、日本市場は、経済状況や企業業績に対する懸念だらけの状況にも関わらず、需給相場となる公算が大きいと思う。
個人的には、米国市場が実体経済と乖離した動きをすればするほど、やり辛さを感じざるを得ず、まして消費税増税や中国、韓国の状況を嫌でも考慮しなければならない日本市場で、需給中心の金融相場的な動きは、なかなか手強い。
既に日本株は、為替にも反応しなくなっている。
10月11日(金)日経平均予想
日経平均株価 ¥22,000 ドル円 ¥108.50
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