相手は中国、そんなにまともな国家じゃない!
- 2019.10.15
- トレード雑感
米中合意ってのも、なんだか相当キナ臭い。ライトハイザー通商代表部代表と劉鶴副首相の間で、「口頭による合意に至った」と言うが、文書にもなっていないものが、果たして信用できるのか?と株式市場が考えないことのほうが不思議。
今回の合意によって、本来今日から関税率を引き上げる予定だったものを米国は「延期する」と入っているが「中止」なんて一言も言ってない。が、それどころか、中国なんか
だという・・・。
結局あのGW前の合意がドタキャンされた時と同じだろう?劉鶴副首相は米中交渉における何の権限(裁量権)も持っていないただの時間稼ぎだ。とりあえず米国と交渉してきました、と習近平にお伺いを立てて、交渉内容を報告する。そこで習近平がNOと言えば、またドタキャンになるか、交渉内容が骨抜きにされるか、新たな要求を突き付けるか。
そもそも、来月のAPECでの合意署名を目指すとしているが、仮に僅か1ヶ月でまとめられる文書の内容でしかない。
習近平は、米中交渉とは裏腹に香港・台湾に対する強硬姿勢を打ち出し始めた。「中国のいかなる地域であれ、分裂活動を行えば誰であろうと粉々に打ち砕かれることになる」と香港デモ対を痛烈批判し、徐々に強権発動の動きを見せている。
一方米国議会はトランプ政権に対し、香港の自治が十分に認められているかの検証を義務付ける「香港人権・民主主義法案」を上下両院で可決した。トランプ大統領はまだ署名はしていないが、米国議会は中国の人権問題に言及し始めている現在、中国に対する圧力が弱まる気配はない。
こうした流れの中で、米国株はただただ米中合意を楽観視しているのだから恐れ入る。
さて週初の日本株も、米国ダウの上昇を楽観的に受け止めて、大幅なGUでスタートするわけだ。売り建てた玉は担がれることになるけど、まぁ、今週日米両市場がどれだけ上げるのかじっくりと見させてもらうつもり。
どの道、こういう相場になるということは、それ自体、あまりいい兆候ではないと思うので。
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