即位の礼とペンス演説:日本株を読め!【10.21~10.25】

即位の礼とペンス演説:日本株を読め!【10.21~10.25】

10月18日(金)日経平均引値 ¥22,492(前週予想¥21,400)CFD¥22,505

現在の日米相場

18日(金)の日経平均引値はある意味衝撃的だった。米国ダウが中国経済の後退を嫌気しての大幅下落に見舞われた半面、日経平均CFDはプラスを保つ展開で、日米株式市場の連動性を完全に否定した動きになった。

このところ、少なからず下落局面における日経平均のしぶとさが目立っていたが、それでも米国ダウが▲$225安ともなれば、¥100や¥150は下落するような動きだった。さらに、米国ダウの下落に呼応してドル円も¥108.70水準から108.36となっても日経平均CFDは反応しなかった。

米国株の下落要因

トランプ政権による演出されているかのような米中合意は、その内容からしても株価を引き上げるものではないはずだった。中国は米国に対し妥協的な動きをしているとは思えず、11月APECでの習近平とトランプ大統領による合意は、トランプ政権の駆け引きのような気がする。

そうした状況下で、中国経済は下げ止まるどころか、減速の度を増している。そして、ほぼ確実に今回の米国企業の3Q決算では米中貿易戦争の影響が見れるだろう。そうなったときに、今の株価を肯定できるものがあるのか?

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ウクライナゲート

トランプ大統領は、8月中旬の米国当局者によって「ウクライナ・ゼレンスキー大統領に対し、ロシアゲートとバイデン民主党候補親子に関する調査を依頼した」と内部告発された。

トランプ陣営が大統領選挙において、ロシアに働きかけ、ある企業のサーバー経由で民主党ヒラリー陣営を妨害したとされる容疑に関して、その企業のサーバーがウクライナに設置されていたことから、それをゼレンスキーに調査を依頼したというロシアゲートに関する依頼も含まれる。

つまりウクライナゲートとは、米大統領選挙における外国の干渉の是非を問うものに発展しているわけで、米国の政治的には日本で考えられている以上に重大な問題だ。そのことを現時点で株式市場は無視を決め込んでいる。

トランプ大統領弾劾の可能性

トランプ大統領の状況は日本で考えられているような楽観できる状況ではないと思われる。「楽観の根拠」は、弾劾手続きが下院の半数以上、上院の3分の2以上であることから、共和党が上院で過半数を維持している状況ではあり得ない、というもの。

しかし、問題は共和党におけるトランプ大統領の評価である。

それに関しても、分水嶺はやはりジョン・ボルトンを更迭したことにあるのではないか?仮に共和党内のバリバリの保守派がトランプを支持しなければ、3分の2超はあり得ない話ではない。

だからこそ、トランプ大統領は2020年大統領選挙に対し神経質なまでに対応せざるを得ないし、8月以降トランプ大統領が日和っている原因でもある。

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米国ダウは史上最高値を越えられない?

現在の米国ダウの水準は力づくで戻した位置と言える。なので、ここから史上最高値を超えるのは難しいと思うし、たとえ超えたとしてもそこが天井になる可能性はかなり高いはず。

少なくとも株式市場はすでに今回の米中合意を織り込み、個別相場に入っている。あとは状況や懸念に素直に反応する相場になるはずで、同じことは日本株にも言えるはずだ。

水準訂正が終了すれば、現在の日本のネガティブな状況を織り込まざるを得ないのだ。

米国ダウ日足チャート・テクニカル

米国ダウは6月初め下値を切り返し、トランプ大統領の米中交渉の演出で大きく反発し7月に年初来高値を更新したものの、中期的には三角持ち合い入りとなり、現株価は上値のレジストラインへ迫る位置となっている。下値を切り上げている形から、テクニカルでは上値ブレイクの確率が高いのかもしれないが、相場はそこまで煮詰まっていないと考えても間違いではないと思う。

つまり強い相場ではあるものの、持ち合いを上放れできるかどうかは現時点ではかなり微妙な情勢。

来週からは個別業績相場になるわけだが、結局のところ米中合意をどう評価し、ウクライナゲートを織り込み始めるのかにかかっていると思われる。

そして、個人的には時期大統領の本命と考えるペンス副大統領演説が24日に決定したことで、史上最高値更新は難しいと考えているのだが・・・。

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日経平均日足チャート・テクニカル

日経平均は、新天皇の即位礼正殿の儀にともなった「ご祝儀相場」の様相を呈してきたわけだが、即位礼を前にして、いよいよ天井を予感させるチャートとなっている。

「ご祝儀」かどうかは分からないが、令和相場入り後急落した5月のような相場にはできないという、ある意味力が働いたのは確かだろうし、米国ダウが▲$255した金曜の日経平均CFDが逆行高で引けたことからも、頷けるかもしれない。

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しかし、日経平均のこの戻りは明らかに不自然であって、日本を取り巻く状況を考えると、来週は天井打ちが明らかになってもおかしくないし、水・木・金の足はそれを暗示している。

CFDで下げさせなかったのは、月曜に売り抜けするため・・・。

個人的にはそう思わざるを得ない。

10月25日(金)日経平均予想

先週の予想は¥1,000以上外すという無様なものになってしまったが、来週も引き続き下落相場と考えざるを得ない。特に24日に延び延びになっていたペンス副大統領の対中政策演説が鬼門になる可能性はかなり大きい。

しかし現在の株式市場はこれを話題にすらしていない・・・。

が、再び今回の相場の分岐点になる可能性はかなり高いはずであることから

日経平均株価 ¥21,800 ドル円 ¥107.50

を予想する。

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