新型肺炎の影響を再確認する週:日本株を読め!【2.10~2.14】

新型肺炎の影響を再確認する週:日本株を読め!【2.10~2.14】

2月7日(金)日経平均株価 ¥23,827(前週予想¥22,500)日経平均CFD ¥23,687

日米市場現状

米国ダウは中国当局が約18兆円のオペレーションを行うと発表したことや、民主党の大統領選挙候補者選びが紛糾してトランプ再選濃厚と見られたことから、「コロナウイルスは悪材料出尽くし」「米国に影響は限定的」という判断のもとに、急激に買い戻された格好になった。

コロナウイルスに関しては、「ウイルス分離に成功した」「有効な治療方法が見つかりそう」というニュースも追い風になって大口投資家のネガティブファクターから外された格好になったわけだが・・・。

そもそも米国マーケットは、コロナウイルス騒動に巻き込まれて損失を被ることが許せなかったのだと思う。つまり、今回の問題は明らかに自然発生的なウイルスではなく、中国が(コロナウイルスを)弄りまわし、結果的に流出させたということが明らかでも、それを材料にはしたくなかったという思惑だろう。

だがこの時期、この状況で余りにも短期間で史上最高値を更新するレベルまでの戻りはやり過ぎだ、ということや、新型肺炎の影響が思いのほか拡大していることを改めて懸念した格好で、週末には▲$277反落して引けた。

一方日本市場はかなり病的で、米国ダウの急速な戻りとともに海外勢によって夜間CFDが買われ、ダウ同様の一気上昇となった。しかし、日本経済のファンダメンタルズは米国経済とは真逆で、単純に需給で戻したと考えられる。

日経225主力銘柄は、相次ぐ自社株買いや日銀のETF買いによって浮動株数が著しく低下している状況で、空売りの買い戻しに極めて反応しやすくなっている。その中で、海外勢が買い戻しに走ると連動して株価が戻り易いという状況が生じている。

つまり、日経平均は以前にもまして、米国ダウとの連動性が強くなっていると考えるべきだ。日経平均の¥24,000手前までの戻りに何の根拠も見当たらず、まして日に日に悪化する新型肺炎の感染状況を考慮すれば、「綾戻り」と考えたほうがいいのかもしれない。

株式市場は日米ともに、週末には冷静に新型肺炎のもたらすネガティブな状況を検討するだろうし、実際その予想よりもはるかに甚大な経済的事故が想定でると思う。つまりは中国経済事態の崩壊現象が極めて現実的な想定が可能になってきたということだ。

具体的には半導体や原油価格に予想以上の影響が出るだろうし、ここから半年間は再度底打ちを確認する動きになると思う。しかし、それ以降中国経済は悪化の一途をたどることは必至で、中国当局は100兆円規模のオペレーションに迫られると思うし、そうなれば人民元の信用棄損、インフレ等が発生する。その結果金融市場での事故として現実化すると思う。

現在中国経済は、新型肺炎に対し打つ手がなく感染拡大が自然に止まるのをただ待っているだけなのだ。

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米国ダウ日足チャート・テクニカル

米国ダウの戻りは、新型肺炎の懸念はあるものの、それ以上に2019年決算の評価、製造業の底打ち観測、中国の金融支援等々のポジティブ材料の評価と民主党候補者選びの混乱がもたらした結果だった。また▲$603の下落によって久しぶりに75日線を脅かすレベルまでの調整であったことで、需給が引き締まったという見方もできる。つまり、新型肺炎以外に材料が偶然に重なった結果だったのだろう。

しかし、週末の▲$277は、良好だった雇用統計も反応することなく、再度新型肺炎に対する経済へのネガティブな影響を考え始めた結果だ。すでに2020年入りした米国企業は、新たに今期の業績を織り込んで評価しなければならないわけで、そこに新型肺炎の悪影響が出ないはずもなく、株式市場は一旦の冷静さを取り戻したのではないか。

そうなると6日のトンボが首つり線となってもおかしくはない。

調整の後の米国ダウは必ず急激な戻りを演じてきた。しかしこの年初のタイミングは、ボラティリティの大きな揉み合いとなる可能性が高い。なぜなら、今期予想をするうえで、好材料、悪材料を反映させようとする動きに成るからだ。

好業績のアップルも株価が急騰したテスラも、新型肺炎の影響は無視できないし、そもそも好調に推移した金融関連も不透明感が極めて強くなってる。

そうした状況で史上最高値を更新するというのは、市場が正常に動くのであればまずあり得ない。つまり、今後は再度調整局面に入り、前回の急落(▲$603)よりも深い調整になると思われる。

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日経平均日足チャート・テクニカル

日本のアナリスト、評論家は、日本市場の需給に注目し、¥24,000前後を意識した持ち合いから上値ブレイクの可能性を示唆し始めている。しかし、日経平均¥24,000というのは岩盤で、株価的には史上最高値を更新し続けている米国市場と同じ意味を持つ。過去にバブル経済でのPER60という狂乱暴騰があったから高値とはいわないだけで、実質的には史上最高値圏なのだ。

従って、需給がどうあれ、浮動株が減少しているのであれ、基本的に株式市場は経済のファンダメンタルズを見るより仕方ないのだ。その意味からすれば、日本経済は米国とは天と地ほどの差がある。

どうひいき目に考えても、日本の主力輸出企業は、今回の新型肺炎拡大によって10%以上の売り上げ低下を免れないだろう。日本政府、経団連の主導で中国に突っ込み過ぎたことが、完全に仇となっているし、その影響は想像以上に大きいと思われる。

さらには、例年以上に円買い需要が高まることは必至の情勢で、¥110タッチで折り返したドル円は本格的に円高方向に動き始めると思う。

従って、今後25日線、75日線のDCはまず免れないと思っている。

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CME日経225先物チャート

いち早く日経平均先物では、戻り陽線に対して陰線での包み線を形成した。これは天井付近での需給の変わり目と意識されるの十分で、週明けは25日線ブレイク、そして場合によっては75日線辺りまでの下落があり得る。

現在の安倍政権は、中国偏重という経済政策において、また新型肺炎の対策も含めて、大企業寄りの政策を取り過ぎている。つまり、日本の輸出先は一位中国、二位米国、三位韓国であるが、そのうち韓国を切り捨てる政策を昨年繰り返した結果、その穴埋めを中国に、とする経団連を全面的に支持したことが、完全に裏目にでるだろう。

国内政策においてもインバウンド需要の急速な減少で、より消費は悪化する。その上、習近平の国賓での招待や、このままでは東京五輪でさえ、正常な開催は難しくなってきている。

新型肺炎によって中国の共産党支配体制が厳しい状況になると予想されるが、このままでは中国どころか安倍政権が退陣に追い込まれると予想している。仮に今回のコロナウイルスが、中国当局によって人為的に操作されたものであるならば、まさに中国は世界の闇であって、親中政策を推し進める政権が日本に居座ってはならない。

その意味では今年の日本経済は暗雲が垂れこめている。

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2月14日(金)日経平均予想

新型肺炎を楽観し過ぎていると、機会あるごとに書いてきた。TVのワイドショーでもその辺の町医者が「新型コロナ対策は・・・」とやっているが、チャンチャラ可笑しいし、某医科大学の教授などといって全くの知識不足のコメントを披露したり、連日片腹痛いことばかり。

真摯な医学者は安易なコメントなどしないものだ。なぜなら、今回のコロナウイルスに関してはまだ何も分かっていないからだ。致死率についても中国当局が粉飾データしか出さない以上、その毒性さえ分かっていない。

新種のウイルスというのは、DNA(たんぱく質の受容体)構造がわかっただけでは、その性質はわからないのだ。ましてそれが自然変異によるものではなくて人為的に弄られたものであるならば、従来のコロナウイルスと同等の議論など出来るはずがない。

なので、ここは慎重に拡散の状況をできる限りデータを集めて判断しなければならない。

中国当局は結局本当の数字は出さない。そのことが肺炎の蔓延でけでなく、経済に大きな悪影響を与えることは言うまでもない。悲観論ではなく、ウイルスというのはそういうものだということだ。

まぁそれはそれとして、来週末の日経平均とドル円レートは、

日経平均株価 ¥23,000 ドル円 ¥108.30

を予想する。

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