米国の感染状況を意識する週:日本株を読め!【6.22~6.26】
- 2020.06.21
- トレード予想
6月19日(金)日経平均株価 ¥22,478 日経平均CFD ¥22,342
日米相場概況
いかな過剰流動性相場であろうと無条件に上昇を続けるわけではないだろう。世界的に新型コロナの感染拡大が続く中、中国はほぼ収束という段階で経済活動そのものは、以前のレベルを回復しているし、欧州では明らかに頭打ちとなって景気回復に対する期待感は根強い。
しかし、ここにきてブラジルでの感染爆発、そして米国でのニューヨーク以外での感染者の急増が明確になりつつあり、改めて新型コロナ拡大による外出禁止や都市のロックダウン、企業や商店の営業停止懸念が浮上しつつある。
おりしも今の米国は人種差別反対運動に火がついてしまって、各地でデモや集会が行われ、それが感染拡大の温床になっている。18日27,800人、19日31,600人、そして20日32,500人と感染者数は4月のピークレベルにまで達してしまった。そこでトランプ大統領は「感染者が多いのは検査数が多いからだ。頼むから検査数を減らしてくれ」と大統領選集会で発言している。
最近のトランプ大統領は、墓穴を掘る発言が多い。
米国市場
史上最高値を更新したNASDAQは、主力がネット系企業であるためある意味新型コロナを追い風にしたといえる。しかしダウやS&P500では、戻りが急激に重くなり始めているのは明らか。21日の感染者数は休日でもあり減少する可能性があるが、週明けはさらに拡大する可能性が高い。
となると、経済再開を期待した戻り相場も、そろそろ無理があるという雰囲気が出てきているだろうし、感染者数の悪化はセンチメントを急激に悪化させる可能性は十分にあり得ると思う。
トランプ大統領が言うように検査数を減らして実態をごまかすようなことになれば、株式市場はますます疑心暗鬼になるかもしれない。
日本市場
先進国の中で突出して感染者数、感染率、死者数で優良な日本だが、実体経済は悪化の一途をたどっているといえる。
輸出主体とみられている日経平均は、米国ダウとの連動制が薄れ、連日強い動きとなっているものの、米国経済が危うくなれば、中国と並んで同規模の輸出先であるために、どうしても影響を受ける。
日本経済は、4月ボトム、5月復調、というのが世界の流れであるものの、5月の復調はわずかだったこともあり、また内需は全く復活の兆しが見えないこともあって、全体相場の流れにはかなり無理がある。
日本が感染者が少ないのであれば、ここは思い切って内需主体に政策の舵を切るべきだったが、信じられないことに通常国会はとっとと閉会してしまった。
米国ダウ日足チャート・テクニカル
新型コロナのカリフォルニアや南部テキサス、マイアミでの感染拡大によって米国内の1日の感染者数は4月ピークレベルに達したことを嫌気して、週末の米国ダウは寄り天から▲$600近く下落し、なおも時間外でCFDが▲236して25日移動平均線上に達した。
株価の位置は高いものの、このところのダウは戻りきらずにジワジワと値を下げている。しかも問題なのは19日の出来高で、陰線とともに急激に高まった。
ということはやはり、感染第二波への警戒感が台頭し、なおかつ6月中間決算を意識した売り物が出たと理解できる。ここで7月に期待が持てるような状況ならば、チャートを崩すような急落はないかもしれないが、21日以降の感染者数が増えるようであれば、大きく下落することもあり得る。
つまり、経済再開期待の戻り高値は、6月8日$27,580であって、再開期待は十分に織り込んだのではないか?ならば、新たな感染拡大の展開を来週は織り込むと考えるのが順当のような気がする。
日経平均日足チャート・テクニカル
19日の米国ダウがCFDを含めて▲$800の値動きであったものの、日経平均は引け後のCFD高値から▲¥400程度にとどまった。そしてそれは19日現物引け値から僅かに¥137程度の下落だった。
感染者が極めて少ない日本は、極端なセンチメントの悪化でない限り、かなり強い動きを示しているし、マイナスすればすかさず日銀の買いオペが来るということで、売るに売れない状況がある。
なので、海外短期筋は上方向を視野に入れたマーケットメイクをせざるを得ないという状況になっていると思う。こうした株式市場の環境は、日本株の予測が困難であることを意味するし、少なくともテクニカルでは今の日経平均に死角があるとは思えない。
だが・・・。今季予測を発表できた企業は4割ほどで、それらはそれなりの裏付けのある企業なのであって、6割の企業が極めて厳しい業績であることは間違いなく、そうした実態とテクニカルの乖離を修正するプロセスは必ず起こるもの。
まずは月曜に陰線を引いてから、後場どのような動きになるかで決まるような感じがする。
6月26日(金)日経平均予想
全世界的にここまで株価が実体経済と乖離してしまうと、株の高値や過熱感を否定できなくなってくる。そしてそれは原油価格と完全に連動した動きであることは、ほぼ間違いない。
つまり、原油が売れさえしている間は順調に企業活動や社会活動が戻りつつあるという解釈だ。その原油価格は、景気回復よりも減産の影響が大きく、$40の戻りは過熱感があるだろう。
しかるに日本市場も米国同様に6月8日か戻り高値になる可能性を否定できない。なぜなら、この水準では7月、8月の海外勢の買いはあまり期待できないから。となると、実体経済にらみで売られる可能性もあるとみる。したがって、6月26日(金)の日経平均株価を、
日経平均株価 ¥21,500 ドル円¥106.00
と予想する。
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