弱気になりがちな週:日本株を読め!【8.17~21】
- 2020.08.16
- トレード予想
8月14日(金)日経平均株価 ¥23,289(前週予想なし)日経平均CFD ¥23.156
日米株式市場の地合
現在の米国市場は、いよいよ大統領選挙を意識した展開になってきた。というよりも、共和党の追加新型コロナ対策に関し、民主党は協議にも応じない姿勢で、これで米国では失業保険の積み増し処置(+週600ドル)は、7月末で終了してしまったが、8月になってトランプ大統領の大統領令で+週400ドルの積み増しが復活した。この意味は非常に大きく、7月に伸びが止まりつつあった個人消費を8月以降もなんとか下支えることになるからだ。
一方、民主党バイデン候補は、副大統領候補にアジア系黒人と言われるハリス上院議員を起用し、やんやの喝さいを浴びた。当のハリス氏はバイデン批判を繰り返していたものの、態度を豹変させ、トランプ政権の新型コロナ対策を痛烈に批判し始めた。
これに関しトランプ大統領は「カマラは上院で最もリベラルな人物で、とてもナスティ(性悪)だ。(民主党の指名争いで)寝ぼけたジョー(バイデン氏)に非常に無礼なことを言った。あんな無礼な人物をよく選んだものだ」と早くも攻撃した。
つまり米国市場は早くも、大統領選挙を意識せずにはいられない状況に、来週以降突入すると考えるべきだろう。これに対して日本市場は、新型コロナ第二波が拡大し続ける状況で、安倍政権は緊急事態宣言の発令をじっと耐えている。多分、発令しても意味がないということを(安倍政権は)熟知しているのだが、バカなマスメディアの手前、口に出せない辛さが政権にはある。
なので、米国次第の展開は今後も続くことになるだろう・・・。もちろん、懸念はあるのだが・・・。
米国市場
米国市場のシナリオは、新型コロナ・ワクチンが大統領選挙前にGOとなるか否か、多くの投資家が見守っている状況だ。現時点での予想は早ければ10月前半には、いくつかのワクチンが第三相治験を終了し承認申請が行われる見通しとなっている。そうなると、株価は一気にダウ$30000超えは当然として、$35000に迫る勢いで上昇するかもしれない。
このような状況では(ヘッジファンド、短期筋、投資銀行筋等々)とてもショートポジは建てられず、このまま治験の結果を待つことになる。
なので、米中対立で株価が大きく揺さぶられるとしても、ここぞとばかり売り叩く勇気はまず、ないだろう。多分、ワクチン完成の衝撃は、60%程度の効果が見込まれれば十分で、これだけの世界パンデミックの反動となって株式市場を持ち上げる。
ダウ日足チャート・テクニカル
新型コロナの戻り相場に過熱感がある、とする評論家は多い。しかし、テクニカルで見れば、5日、20日、60日、200日の各移動平均線の上方に株価があり、なおかつ60日線と200日線がGCしたタイミングとあらば、トレンドは上向きとしか見えないのも事実。短期的な調整をしながらも、新型コロナワクチンの実用化まで、このまま上昇を続ける以外に道はないはずだ。
(個人的には)今の株価が最も強い位置にある、と見えるけどねぇ。
日本市場
新型コロナ相場に突入して以降、一部の個別銘柄の値動きは別としても、日経平均は米国市場(ダウ)に完全に追従する動きとなっている。つまり日本株は米国次第ということだ。しかし今回幸運にも、4-6月のGDP落ち込みは、欧州が最大(年率▲40%台)、次に米国(年率▲30%台)で日本は年率▲20%台と大幅と言えど比較的少なくて済んでいる。
しかしここでまたぞろ出てくるのが財務省で、米国がさらなる金融緩和、財政出動に舵を切っているにも関わらず、このまま何もしません、では円高になる一方だ。まして増税論を持ち出す売国奴的官僚も出現しているところを見ると、やはり日本を徹底的にダメな国家にしたいと思われる。
そんな自虐国家になるよりも、しっかりとこの秋に消費税減税を行って米国に付いてゆくことが重要だ。
日経平均日足チャート・テクニカル
米国ダウに先んじて日経平均は、13日、14日の窓空け上放れで短期GC、中期GCが完成し、考えうる最も強い位置にあると見える。週末の日経平均CFDは、円高が多少進んだことを嫌気してか、金曜引け値から▲¥170の下落となった。米国市場は大引けにかけて総じて値戻ししているわけだが、円高で日経平均CFDが買い辛かったのもあるが、SQ通過で弄る意味があまりなく値戻しはなかったとも考えられる。
しかし、特に弱気になる要素も見当たらないことから、引き続け日経平均¥23,000を維持しながら上値を狙うというパターンになるのではないか?
8月21日(金)日経平均株価予想
今の戻り相場は、いかにも実体経済からかけ離れているということで、株価はオーバーシュートの位置にあるという意見が多いし、ファンダメンタルズを考えると、自分もそうした考えを先日まで持っていた。
だが、とにかく今回の新型コロナ対策では、世界中で金融緩和や財政出動をやり過ぎていると思うし、その結果マネーストックの増加は極めて大きいものだ。これほど急激に(全世界の)通貨の流通量を増やした政策が過去にあったのか?というくらいの規模。もちろん第二次大戦でもここまではなかったというレベル。
そのことを考えると、とてもこのままでは済むなどと考えろというほうが無理だろう。現在はそうした変化の入り口にいると思うので、それほど株価は下落しないと思っている。
したがって調整しそうな来週においても、21日(金)の日経平均株価は
8月21日(金)日経平均株価 ¥23,300 ドル円 ¥106.50
を予想する。
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