米国大統領選挙と株式市場の行方

ただ、日本では安倍首相時代が長く、安倍首相はトランプ大統領と仲良くしてもらえたということもあって、トランプ贔屓が多いのは確か。いままで、米国の大統領が仲良くしてくれたことなんてなかったわけだし、嬉しくなっちゃうという部分があるよね。トランプ大統領は日本の（北朝鮮による）拉致被害者に特別親身な対応をしてくれたのは有難かったと思う。けれど、そのトランプ大統領は金正恩とも結構よろしくやっていた。

「なぁ、ジョンウンよ、カネが欲しいならシンゾーからもらえ。拉致を解決したらどえらいカネが手にはいるよ。韓国を見ろ、あんなに豊かになってるじゃないか」

とぶっちゃけ言ってくれたらしいけどね。この外交上の矛盾というか、トランプ大統領は北の核開発をやめさせなければならないはずなのに、新たな資金の獲得情報をアドバイスしちゃってるんだからね。拉致を解決して、日本からの援助を引き出せたら、またそれは核兵器開発につぎ込むのは分ってるわけだからね。

大統領選挙で不正があったのか？

そもそも、今回の大統領選挙でトランプ陣営が主張している不正が実際にあったのか？と言えば、そんなものは米国の伝統に従って？確実にあったと確信を持って言える。選挙というのは英語ではelectionでelectの名詞形。ところが米国の大統領選挙なんて、全然選んでないからね。

その意味は伝統的な白人の多くとか黒人の10％とか、アメリカンドリームを信じてしまう傾向のヒスパニックの30％がトランプ（共和党）の支持層で、その裏返しがバイデン（民主党）の支持層ということで、トランプの得票数は7200万票、バイデンが7600万票と拮抗しているけれど、ほとんど毎回そんな傾向が変わらない。

移民をたくさん受け入れて市民権を与えちゃうと民主党有利になるから、バイデンは無制限に受け入れると言っているけど、トランプ大統領は移民は抑制したかったという、非常にわかりやすい話なんだよね。

で、州というのは国家と同じような権威があるから、連邦でそれを制御するのはなかなか容易なことじゃない。なので、大統領職に強めの権力を持たせてなんとか、統制していなかないと、というのがホワイトハウスの役割で、それが大統領の権威なんだね。

例えば、ソ連の連邦制は崩壊したし、EUもなかなかうまく制御できていないなかで、米国だけ上手く行くと考えるほうがむしろ不自然なのかもしれないと・・・。実際に、この情報化時代になて意見の集約をスムーズに行えるというのは、かなり無理がある。

となってくると、そうした制度的な行き詰まりを打破する手段として、不正が横行してきたというのが米国民主主義の選挙の歴史だった。そして今回も例外なく、接戦州（スイングステート）では、ほとんど不正によって雌雄を決するということになったけど、それはある意味米国の伝統に従ってるということになる。

トランプ大統領に煮え湯を飲まされたセクター

それで、じゃ、大統領選挙というのは何が争点になるのか？と言えば、現役の大統領は、議会承認を必要としない範囲での大統領令と集約された軍の指揮権と外交で、トランプ大統領は少なくとも軍の不満を買う政策が多かった。

戦争をしたくない平和主義者のトランプ大統領にもっとも不満だったのは、軍事産業だろうし、石油業界だろう。石油業界はシェールによって自給率100％になると、価格が硬直化してしまったしね。

景気対策は失業率を減らして株価を引き上げたという事実はあるけれど、そもそも景気対策というのは効果が明確に確認できるのに数年はかかるものだから、オバマ地合いからの流れと言えなくもない。それよりも、あのツイートによて毎回のように右往左往させられて、挙句に中国と貿易戦争で揉めたことによって大いに損失を出してきたウォール街は、かなり頭にきてると思うのよ。なので今回は完全に反トランプに回った。

そして、今回ほぼ全メディアが反トランプに回ったのは、前回の大統領選挙の前後でセクハラスキャンダルばかり報道して、大喧嘩になったことがきっかけで、後は主要メディアと4年間、対立関係にあったためにメディアは情報が何も取れなくなった。肝心なものはホワイトハウスの発表以前にすべてツイートされてしまうからね。

肝心なことはツイッターでやってしまって、それは主要メディアにとってはまさに存亡の危機でもあるからね。ヒタヒタとネットメディアのパワーが増加している中で、新聞、テレビは何もできなくなってしまうという危機感が反トランプを掲げたというのが正しいかもしれないね。

大統領は誰でもいい

そうなると誰が大統領でも大差はないし、むしろ目先の不安を取り除いてくれそうな人に投票するという有権者行動になる。それが今回は是が非でもバイデンという結果になって欲しいトランプ大統領に煮え湯を飲まされたセクターの思惑が演出した大統領選挙ということになるよね。まさに呉越同舟だね。

そのためには、スイングステートで不正をして勝利を確実なものにしなければならないし、当然伝統に従った行動をするだろう。いつもそれが民主党とは限らないにしても、大統領選挙ってのは、日本の選挙とはまったく感覚的に異なったラフなものだから共和党だって大なり小なり不正はやってるはずだよ。

それに大統領選挙は日程が厳格に定められてて、提訴しても審理の時間は限られるから、そもそも不正を証明することさえ困難だよね。2000年のゴアとブッシュのマイアミでの接戦なんか僅か500票差になってしまって、今度は劣勢とされた民主党のゴアが敗北宣言をしなかった。そうしたら3度の再集計の後、連邦最高裁が集計を差し止めてしまって、ゴアが嫌々敗北宣言したということだから、結局白黒は付いていない。

いつまでもやってると、政権移行が出来なくなるからね。

なので、米国の大統領選挙を冷静に見ると、7200万人の支持をうけた現象大統領と7600万人の支持を獲得した元副大統領、というニュアンスはちょっと違うと思うようになった。結局その時々の米国を牛耳っていると考えている勢力の虫の居所で決まるという事みたいだ。

トランプ大統領のように集会で何万人を集めようが、自宅の地下室に籠っていようがあまり関係ない。バイデンを勝たせようと思ったらインチキ支持率を流し続けてしまうメディアとか、バイデンポジションを解かないウォール街とか・・・。今度はやらせていただきますという民主党とかね。もう選挙という茶番をやる以前に決まったという感じかも。

けれど、予想外にトランプ大統領は人気があったので、焦ったというのが本筋だと思うね。

どちらでも株式市場は大荒れ

ヘッジファンドのダリオは、中国投資に滅茶滅茶強気ポジを取ってるし、米国でも結構強気に構えてる。だから多分ダリオは負け組になるだろう。そういえばバフェットもこのところ航空会社をはじめとして外しまくり。日本の商社株を大量に仕込んだと言われてるけど、これもバリュー株の流れを見込んで、のことだろうけど多分不発だと思う。

後は、民主党政権になって財政出動をMMTに従って垂れ流すと見てる投資家が、ドル価値暴落を見込んで、ビットコインをしこたま仕込んでるけど・・・そしてビットコイン1億円説まで飛び出してるけど、まぁ、仮想通過はもっといいのが次々に出てくるだろうから、どこかで暴落するだろう。

結局目先から来年にかけては、ど真ん中の新型コロナワクチン会社とか、その関連が爆発するような気がするよ。このまま感染拡大が続くともう、ワクチン以外に頼るものがないから、世界中が殺到するだろうし。日本だってファイザーに6000万人分とかモデルナに2000万人分とか、1シーズンで終わりじゃんか。