米国長期金利上昇中!円安進行も
- 2021.03.13
- トレード予想
いま現在、米国の金利が上昇を始めている。間もなく米国株式市場が寄り付くわけだが(23:26)、米国債10年物金利は1.611p、そして5年物は0.843p、3年物が0.347pとなっていて、いずれも直近の高値水準にサヤ寄せしている。これがどうやら今夜は、高値をオーバーテイクしてくる可能性がかなり高くなっているね。
たったいま、米国市場が寄り付いたけれど、案の定、NASDAQは▲1.33%、S&P500は▲0.40%くらいで寄り付いた。結構なGDスタートになったわけだ。(ダウはほぼ変わらずで寄り付き。影響が少ないからだろう)
こうした傾向を日本市場のザラ場で感じることができるのは、今はドル円の推移だと思う。ドル円レートは、ある有名な経済評論家に言わせると「最終的には通貨の発行量で収斂する」らしいけれど、どうやら今はそれがあまり通用しなくなってきてるということかもしれない。
要は、今のドル円レートは、日米の景気対策(金融・財政緩和)を天秤にかけてると考えてきたけれど、今回の円安が始まってからは、米国の方が圧倒的に追加経済対策の量が多い。今回も200兆円対策にバイデンが署名したばかりだからね。けれども、ドル円はドル高・円安に動いた。従来ならば円高になってもおかしくないくらいのアンバランスが生じているにも関わらず、である。
FXをやっている個人投資家の方がその辺は詳しいのだろうけど、いまのドル円レートの要因は圧倒的に日米金利差だ。今回の米国金利上昇が始まって、円は¥103台から¥109を突破する位置まで来た。そして、今のドル円を「限界が近い」とか、「行っても¥110まで」とか、いろいろ言ってるアナリストがいるけれど、この先、当分の間、このドル円が株式市場の新たなテーマに浮上してくるのは、決定的だろうね。
先日の日米市場の急落は、「米国長期金利の上げ足の速さ」が原因とされている。「S&P500の利回りは1.5%平均なのだから、それを超えると株売り国債買いにシフトする」とか「投資が先行するハイテクにとってはネガティブ」とか、とってつけたような理由がたくさん出てきたし、「そんなものかぁ」と思ったりもした。
けれども現実に目を向けて「その程度の金利上昇はさほど影響なし」という論調に変わってきて、米国債10年物金利1.6%はすでに株価は織り込んだという事らしい。実際に米国市場では、バイデンの200兆円景気対策効果と金利上昇を天秤にかけた。そして、「インフレにならないのであれば、または多少のインフレならば全く問題なく景気対策に軍配」と決めたみたいだし、現実にその通りになるだろうね。
いま、10年物国債金利は1.616pまで来てる(23:57)。直近の高値は確か1.620pだったような・・・。だから今夜の米国市場は「金利上昇を株式市場がどこまで許容するか」を試す相場になってきてると思うね。恐らくこの先も10年物金利の上昇は、FRBが何らかの手段に出るまでは止まらないだろう。それは過去の上昇局面では例外なく2.000p以上の上昇になるまで止まらないからだ。
それを考えると、今回昨年の大統領選挙後、猛然と日経平均株価がダウのパフォーマンスを超えて上昇し始めた要因も説明できてしまう。つまり、ドル高になって日本株への投資パフォーマンスを維持するには、株高にするしかなかったのだ。もちろん意図的に操作したのではなくて、結果としてそうなっているだけかもしれないけれど、いずれにしても円安・ドル高が、海外勢の日本株資産をヘッジする方向に作用した結果の日経平均上昇だったと言える。
けれども、日本経済はコロナ禍での落ち込みで全く救いようのないレベルにまで落ち込んでいる。もちろん輸出企業にとってはまさに「神風のようなもの」で、業績には大いに追い風となるだろうし、半導体・電子部品、自動車関連、精密機械等々すでに輸出で大半の利益をたたき出す体質の企業は、ウハウハな季節になったと言えるから、株価も上昇して当たり前といえば当たり前の状況だ。
だからこそ、日本の実体経済と株価のギャップが生じるわけだからね。馬鹿なメディアは「株高の生活実感がない」なんて放送を垂れ流す。
今夜、10年物国債が1.620pを踏み越えて上昇したらどうなるだろう?という興味で、米国市場を見続けている。いま(0:17)1.618pまで来てる。そこからストンと上昇してみてくれないかな、と。その時に株式市場はどういう反応をするのかが見たいだけ。1.619p来た!ちなみにドル円は¥109.080まで円安が進んでる。
そこで何を考えながら見ているか、と言えば、来週の日本市場はどうなる?と言う事だよね。日経平均のチャートを見る限り、これはもう¥30,000は時間の問題だ、というくらいの勢いが感じられる。
(さぁ、1.621pまで来た!)
(おお!?1.625pに跳ねたぞ!)
けれども、こうして金利上昇してドル円が円安になってくると、この先も円安が続くと海外投資家が判断したなら、日本株を売るか、何らかの形でヘッジするかのどちらかになるかもしれないと思ってね。
(1.630p来た!)
まぁ、売ることはないかもしれないけれど、オプションや先物でヘッジしてくる可能性はかなり高い。
(1.632pだ!止まらない!)
(1.634p!)
う~ん・・・本当に荒れるのはMSQ後だったのか。
幸い米国市場はNASDAQやS&Pにが影響が出ているものの、ダウは余裕のプラス圏で大きく上昇中。なので、1.630p程度では全く問題なし!と米国市場は見ていることになる。日経平均CFDはこうなっても鬼のように強くて、引け値から▲¥100程度で推移。
なんとなく来週のシナリオがいくつかパターン化できてきた気がするよ。結局日経平均¥30,000は結構大変なんだなという感じ。行くとすればまたファストリしかないんだろう。¥100,000復帰するかな?(苦笑)
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