暴落!大荒れの週末!日本株の潮目が変わった!?
- 2021.03.20
- トレード雑感
先ほど米国市場が寄り付いたけれど、蓋を開けたら(大暴落で)真っ黒に焦げていたというまるでジョークのような展開にいささか驚かされている。まずは順を追って説明すると、
●米国債10年物金利が1.673pからジワジワと上昇をはじめ、寄りつきでは1.730pを突破
●日経平均CFDが日銀を馬鹿にするように大引けからさらに▲¥400へ
●それとともに$40ほど上昇していたダウCFDは寄り付き直前に急落しマイナス圏へ
●寄りつきではダウがマイナス、S&Pはイーブン、そしてNASDAQはプラスで始まり上値追いへ
●開始15分で日経平均CFDは▲¥1,000を突破(金曜分も含める)、ダウは▲$300突破、S&P500もマイナス圏(ダウの半分程度)、NASDAQもマイナス圏へ
●開始20分、10年物金利は1.740pを突破
ときて、思い切り下値で膠着状況へ突入中!(22時51分)所謂大荒れの展開というやつだ。コモディティは原油が$60割れ、僅かに金とコーン、大豆が僅かに上昇するもほぼ下落状態で、SOXはイーブンを中心に上下動。しかし、図ったような10年物金利の急上昇は(いまのところ)止まるような感じではない。
節分天井彼岸底?
日経平均CDFは¥29,116とかいう下値を見て、¥30,000の値固めどころの騒ぎではなくて¥29,000維持ができるのか?というとんでもない状況。僅か2日間で¥1,400の急降下で、すなわち暴落というしかないだろう。
今日のザラ場では、何とファストリが▲¥5,910(▲6.09%)というとんでもない下落に見舞われたが、そのことを話題にするアナリストは見当たらず。もっぱら日銀の政策点検を解説しているというノー天気っぷり。
改めて日経平均を日足を見てみれば、さほど弱いチャートには見えず、MACD、RSI、ストキャスには暴落示唆はないし、パラボリックは陽転のまま。強いて上げれば1月28日のコマで出来高が急増し翌日に大陰線を作ったのと同じパターンなのかもしれないが、ザラ場ではそんなこと分かろうはずがない。
しかし、こうした展開はこの1年、コロナ禍から相場が回復して今に至るプロセスで、ほとんど見たことがなかった。特に夏頃からの上昇相場と11月の大統領選挙でバイデン有利(勝利?)となってからは、日本株の強さは経験のないものだったと言える。
弱い日本株へ!?
毎日のように夜間、相場を見ているけれど、日経平均CFDの下げが大きく先行する場面はこの1年なかったと思う。それが、この2日間、あり得ぬほどに日経平均は転がり落ちた。米国ダウが(今夜を入れて)僅かに▲$350(23時30分現在)であるにも関わらず、日経平均の落差は▲¥1,000にも及んだ。
これは新型コロナ以前の、日本市場が弱かった時の動きに戻ったかのようだ。いや、日銀が政策点検と称して「日経平均ETFの買いオペはやらない」「暴落時TOPIX・ETFを買う」と表明したことが大きく影響していると思う。そもそも昨日(木曜)日経新聞が日銀の政策点検の内容を記事にしてから、今日は9983ファーストリテイリングが▲¥5,910(▲6.09%)の暴落を演じ、単独で日経平均を¥212押し下げたわけだが、もはや遠慮なく日経平均が叩けると外資が考えたのは明白だろう。
この先、米国の長期金利がさらに上昇すれば、ドル建て日経平均が(円安で)維持できず大きな損失が出る可能性もあるわけで、あの1989年12月27日に記録したバブル時の$274.46とほぼ同水準に位置する日経平均売りにGOが掛かったと言ってもいいかもしれない。
しかも信じられないことに「節分天井彼岸底」は、また今年もドンピシャ当てはまる展開になった感じがする。
今夜の米国市場はいつもと違うぞ!
今夜の米国市場はいままで、米国債10年物金利の上昇を好意的に見ていた金融株が軒並み下げを牽引している。そして指数でいえば、金利上昇に強いはずのダウが下落を牽引している状況で、懸念されたNASDAQはプラス圏に浮上しているのだ。
理由はインフレ懸念が台頭すれば、金融機関に著しく悪影響が出かねないという見方に変わったのかもしれない。米国金融機関は結局米国債保有特例が延長されるとの観測から、米国債を保有したままであると思われる。なので、国債はもちろんだが他の保有債券の劣化が懸念されているのかもしれない。
反面、金利上昇の悪影響を受けるとされたハイテクは、現実にはほとんど影響しないということが意識され始めている節もある。要するに今夜の米国市場は、長期金利上昇による三市場の値動きが対象になり、ダウとNASDAQが入れ替わったように見える。
(ザラ場が始まったばかりなので、この先はどうなるか分からないが・・・0時5分現在)
日本株の潮目が変わった?
勝負が下駄を履くまでわからない・・・いつも荒れ場になると肝に銘じてる言葉だ。相場は予想通りには行かないし、一寸先はどうなるのか誰にもわからない。だから最後の最後まで結果は断じることなどできるはずがない、という意味に理解している。
つい今週の水曜まで、日本株は調整終了後堅調に上昇トレンドに回帰すると誰もが信じていただろう。だが、すべては日経新聞のあの記事で相場の様相がガラリと変わってしまった。いつものことだが、中銀の基本政策に関して民間の情報社が予想するのは自由だと思う。しかし、日経新聞のそれは、マーケットに対するフェアな態度とは到底言い難い。
恐らく日銀の中に情報をリークする人物の存在があるのだろう。政策決定会合は2日間、しかも今回はリモートで行われた可能性もある。したがって初日の会合の最中にリーク記事が書けるというのは、どう考えてもアンフェアとしか言いようがない。
日経と日銀は、市場参加者に対する公平な情報開示ということを全く重視していない。というか軽んじていると言ってもいいわけで、全く納得できないことだ。
しかし、そのことは別にしても、記事掲載後の木曜後場の値動きといい、今日(金曜)の値動きといい、海外勢にとっては少なくとも動かなくてはならない状況が明確になったと言える。ヘッジファンドは、日銀のザラ場での介入がなくなれば、売り仕掛けでボラを獲得できるチャンス到来であり、ロングでは今回の日銀の政策変更と米国金利上昇による円安という売るには十分な理由が生まれた。
(もちろん相場のことなので)断言することはできないが、海外勢に加えてこの時期国内勢もまだ売ってくる可能性もある。直近高値を追っている主力銘柄には国内外問わず売り物が湧き出るかもしれない。
高値追いをしているメガバンク株、商社株、船株、自動車株はバリュー株と言われ今年の相場の象徴でもあったわけだが、来週以降は要注意株になるのではないかと思っている。
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