菅首相と日本の政治はペラッペラだ!
- 2021.05.29
- 放言

最近、地上波に映るガースーの顔を見ると、本当に腹立たしくなってくる。「仕事優先の実務型内閣」という御旗を掲げて首相になって以来、何を勘違いしているのか、自らが先頭に立って問題解決にあたることを良しとしていて、その姿勢はやはり総理というよりも大臣やら官房長官が似合ってるという感じがする。それは一国のリーダー、ましてやGDP世界第三位の経済大国である日本のリーダーの器ではないと思うし、こういう人物がトップにいると自然に日本社会がフラフラとしてくるものだよね。
ミクロ政策はデフレ・メーカー!?
このところほぼ毎日と言っていいほどに新型コロナ対策に明け暮れているのだろうけど、反面首相就任以来、新型コロナ感染拡大の中で、有力議員とか業界団体からの圧力もあってGOTO何たらをやったり、いろいろ景気対策もやってきたわけだが・・・。
菅総理は経済に関してはほとんど何も分かっていないみたいで、そういう人物が実務の先頭に立ってしまうといい結果など望むべくもない。そもそも、内閣に麻生副総理・財務大臣という煩い人物がいて、「給付金なんか二度とやらない。なんの効果もなく預金されるばかり」というから、やるとするとミクロ的な政策しかない。総理が全く逆らえないんだから、麻生は日本の癌であることは間違いないけれど、閣僚に物が言えない総理には何の価値もないよね。
だから、こうした状況下でのミクロ的な景気対策は、必ず「偏り」を生んでしまうし、恩恵に預かれるのは直接的に関連する業者だけだものね。トラベルは旅行業関連、イートは飲食店ということ。厳密な意味では関連してくる業者も多少の恩恵があるのかもしれないけれど。でも、大半はネットで仲介してる事業が利益を取りまくったわけだよね。
そして、その結果どうなったか?というともちろん感染再拡大によって、一連のGOTOは中止に追い込まれ、その爪痕はしっかりと刻まれてしまったよ。そう、国民はGOTOは単純に安いから・・・、お買い得だから、安く旅行ができるから、というモチベーションで動いただけだから、中止になったら見向きもしない。
というかこれで新型コロナが収束して正常な社会生活に戻っても、GOTOで安く泊まって、安く食べた同じものを正規の価格でもう一度、って思わないよ。だから結果的に、こういう政策はデフレを助長することになる。これだけ一国のトップが、新型コロナ対策に入れ込んだら、マクロ的な視点は全く失われるからね。もっとドッシリと構えて、担当大臣に権限を与えて責任をもってやらせることが大事なのであって、というか自ら選んだ人を信じて任せるという姿勢が総理の総理たる所以なんだろうけどね。
今頃半導体成長戦略!?
記事にある通り、菅首相は「半導体の競争力強化に向けた新たな成長戦略を早急に策定する意向を示した。」とあるけれど、これより先に安倍前首相が音頭をとって自民党内に議連を立ち上げたことを受けてのものであって、自らの政策意識の中にあったものではないことは明白。
どうしてこういう動きになってきたか?ということだけど、菅内閣と経産省は、国内の半導体製造を育成するつもりはさらさらなくて、すべてTSMCに日本国内に開発拠点と工場を作ってくださいとお願いしていた。もちろんその条件は破格の補助金の優遇税制込々だからね。TSMCもあまり気が進まないけれど、日本の半導体材料や製造装置がないと困るので、表明上は快諾したことになってる。
この辺りが日本の政治家と役人の勉強不足のところで、世界トップの半導体製造はTSMCにしかできないって思ってるんだよね。そういう机上の短絡的な思考は彼らの専売特許でもあるしね、それを多額の補助金を付けてわざわざ海外企業を育成するも同然の政策をやるんだから、こういう連中はほぼ売国奴と言ってもいいよ。
でも、投資家ならば分かると思うけれど、世界最先端の半導体、いまでは5ナノ3ナノというレベル、そして次世代の積層半導体なんかは、日本の製造装置、半導体素材がなければできないし、それは裏を返せば日本は投資できる環境があるなら最先端技術で半導体生産が可能になるということだよ。しかもその条件を兼ね備えている国は日本以外にないし、この先も日本しかないということはほぼほぼ明確になっている。
いま、そして今後も半導体不足が日米経済の成長のネックになるわけで、だからこそバイデン政権は一度は自社生産を諦めかけたインテルに対し、ほぼ政権の命令で今後も最先端半導体を作るよう命じたわけだ。そのために、日米を中心としたサプライチェーンを何とか作って行こうと言ってるわけだが、菅政権はお茶を濁しまくったわけ。なぜならば日本の半導体産業の得意先は米国よりも中国の方が売り上げが多いから。
TSMC、nVIDIA、AMDなど世界の半導体製造をリードする企業はみな、台湾系であって結局は中国系といっても過言ではないわけで、そこにSAMSUNGを加えてプロセッサー生産を牛耳ってるし、そこにマイクロンというガリバーがメモリーを牛耳る。けれども虎の子の東芝メモリーはマイクロンに売り渡すわ、エルピーダは見殺しにするわ、もう経産省と財務省はこと半導体に関しては「売国政策の繰り返し」をやってきた。
でも本来日本こそ、世界中の半導体企業を牛耳って然るべき、川上の存在のはずなのだ。だから今は米国に遠慮することもなく自国生産へと大きく舵を切れるんだよね。そうしておけば将来米中対立が激しくなって、半導体業界になにかあったとしても対処できるわけだからね。
けれどもそうした将来へのグランドデザインは菅首相には到底描けない。だから出たがりの安倍前首相がアシストしてるってことなんだろう。やるなら今すぐに始めないと間に合わない。ところが「成長戦略を早急に策定する」っていう段階。最低でも現状分析を半年くらいやって立案に1年くらいかけるというのが、成長戦略だろう?そこから実行段階まで1年かけて、いよいよ国内工場建設に向かって動き出すってことだから・・・。
仮に上手く行ったとしても5年はかかる。今の民間企業でそれだけの投資をする会社があるのか?ってことも含めて、政府系で5兆円くらい支援する覚悟がないと先端半導体は無理だね。
訳も分からずカーボンニュートラル
菅首相は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、
これは電力由来以外の部分で、現時点での排出量をきっちり1/3にしないと実現できない数値。と言うことはつまり、政府や環境省は自動車の約2/3がEVに置き換わると考えているわけだ(というかそれしか眼中にない)。そして2050年カーボンニュートラルっていうのはもちろん温室効果ガス排出ゼロのこと。というか森林が吸収する分はオーケーらしいけど。
もちろん温室効果ガスとはCO2だけでなくメタン(CH4)や一酸化ニ窒素(N2O)、代替フロンも含まれるわけで、全廃ということはつまり、すべての分野で技術革新と産業構造の転換が必要になる。そしてそれには莫大な費用が掛かるわけだが、半導体政策を見るだけでも、政府が大型投資をしようというつもりはサラサラなく、すべては民間に背負わせようって意味だろうね。
米国のように大型の予算を組むでもなし、新型コロナ対策の給付金をケチりまくってるようでは、実現できるはずがないわけで、もっとも必要なのは政治構造の大転換なんだろうと思うよね。菅総理には失礼かもしれないけれど、ただ闇雲にカーボンニュートラルを宣言してもらっても困るし、いきなり半導体は「政府の成長戦略の重要な一つ」に祭り上げれれてもねぇ・・・。
ペラッペラのイメージ
菅首相は、戦略的とは程遠い思い付きのようなペラッペラのそうした政策を次々に打ち出す姿勢が、国民に受けると勘違いしてるんだろうね。だからニコ動に出演したときに若者の受けをねらってか「ガースーです」と自ら名乗ってしまったんだろうけど。「キャラが立つ」と言いまくった麻生もだけど、そういうパフォーマンスは自分が上と確信してるからできる、国民を見下しているからできることなんだよ。
今の日本国民は、若者はそんなペラッペラさを求めているのではなくて、本当に苦しい毎日の生活を何とかしてくれる政治を求めてるんだよ。もっと言うと、明確な将来の目標を示して、国民に今は苦しいけれど必ず良くなるから一緒に頑張ろう!と言える総理が良いんだよ。
これ見よがしに、「ガースーが2050年にカーボンニュートラルを宣言します」って言われてもピンとこない。何のために?って言えば地球環境を守って異常気象を食い止める、みたいな答えが返ってくるけれど、「バカいうんじゃないよ!そんなことよりも苦しい今の生活を何とかするための環境を作れよ!」って言われますよ。
苦労人って言われるガースーだけど、苦労なんかしたことないくせにってバレてるからね。一体誰が苦労人に祭り上げたんだよ!本当に苦労しているならもっと厚みがあるよ。
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