CPIをめぐる米国市場の異常な動き

CPIをめぐる米国市場の異常な動き

こんばんは^^

これからの日米株式市場の運命を決める日、というと大袈裟だけれども、今夜の米国11月CPIは、(個人的には)かなりショッキングな数値が出たと感じるね。

22:30 (米) 11月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 0.9% 0.7% 0.8%
22:30 (米) 11月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 6.2% 6.8% 6.8%
22:30 (米) 11月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前月比] 0.6% 0.5% 0.5%
22:30 (米) 11月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比] 4.6% 4.9% 4.9%

これを見たときに、これで株式市場の今後の値動きが決まった!というか、やはり「金融政策の転換点が相場の転換点」という亡き師匠の言葉が身に染みて感じられて、相場はトレンド転換しているのだな、と改めて確信できたというかね。

ところが、米国市場は、AIだか何だか知らないけれど、CPI発表とともに大幅に上昇してカッ飛んで行った・・・。三市場ともに、である。これが、金融ジャブジャブ相場の断末魔の叫びなんじゃないか?と思いながらその様子を見ていたけれどね。

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同時に米国債10年物金利が、ドカン!と急落して0.050Pくらい下がってきて、1.458Pまで下を掘り進んだ、ということは、基本的にはリスクオフを意識した資金移動だな、ということがはっきりとしたんじゃないか?と思ってる。

しかしコンセンサスが6.8%で発表値が6.8%って・・・驚き以外の何物でもないよね。理由は原油価格が11月は大幅に下がっていた中でのそれ、ということ。主要な発電エネである天然ガス価格も相当に下がっていたし、そういう意味ではインフレ抑制がかなり効いていた月の数値なのだ。もっとも資源価格が下がったからすぐに価格に反映されるという事ではないけれど、ガソリン価格とか電力料金などはそれなりに抑えられる。

個人的な予想では行っても6.5%止まり、と思っていたわけで、それが10月の6.2%から一気に0.6%も上昇して6.8%・・・予想通りとはいえ、これはとんでもない数字なんじゃないかと思う。なぜならこのペース、FRBが悠長にテーパリングをやってる場合じゃない水準だからね。もしも、CPI上昇が止まらずに12月の数値が7%超えるようなことにでもなれば、はっきり言って即利上げ!でもおかしくないと思うよ。

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今頃、パウエル議長やFRBの理事の面々、政策決定権を持つ連銀総裁などは、相当に焦ってると思う。いままで、11月から来年6月までゆっくりと金融緩和を縮小しようという悠長さから、来週のFOMCでは(今のところ)2月、あるいは3月で、金融資産購入を終了する、と発表する予定だった。けれども恐らく、それでは来年の中間選挙で民主党は負ける。なぜなら、その後中間選挙まで2度ないし3度の利上げをせざるを得ないわけで、そうなると株式市場は下がり切った最悪の時期に選挙と言うことになるからね。

まぁ、株価はどうあれ中間選挙を戦うためには、何としてもそれまでにインフレを抑え込まなければこの劣勢な状況を跳ね返せないとバイデン大統領や民主党幹部は思ってる。となると早々に利上げを行ってショック療法というのもありかもしれないし、そうでもしない限り価格上昇スパイラルは止められないと思うよ。何せ根底には不動産価格と人件費の高騰というコストプッシュの側面があるからだよね。原料価格だけでなく、労働力不足も大きな要因になってる。

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さて、12月は決算月というのは分るよ。けれども、このCPIが発表されて織り込み済みはないだろ!そういう反応をすること自体、もう株式市場はまともじゃないということだと思う。とくに最近の動きは常軌を逸してると思うし、冷静に考えれば、今夜の上昇はあり得ないだろうしね。こんな値動きをするから、株式市場はますます信用を無くすんじゃないの?日本だけでなく米国でも、市場参加者はいい加減嫌気してると思うしね。

いまジワジワと三市場ともに下落し始めているけどね。もう変な動きをしないで、素直に行かないと。うかうかしていると米国経済はリセッションに突入してしまう。そろそろエネ価格も冬相場に突入するだろうし。昨夜書いたネガティブノイズも効いてくるしね。

調整しなきゃいけない時は調整しないと、暴落に繋がってしまうからね。40年ぶりの物価上昇で株価が上昇してたら話にならんよ!