ロシア軍一斉攻撃の準備、キエフの補給路が途絶えたか

ロシア軍一斉攻撃の準備、キエフの補給路が途絶えたか

ウクライナでは26日の朝になり、夜明け前からロシア軍の攻撃が激しさを増している模様。ロシア当局はウクライナの西側を制圧し、キエフのポーランドからの補給を断つことに成功したらしい。このあと、ベラルーシから大量のヘリによる兵員輸送が行われ、キエフ西部から一気に陥落させようという作戦。こうなってくると、ウクライナ軍も地上軍の弾薬が持たず、残念だが陥落は時間の問題となったと思う。

こうなると、懸念されるのが地上戦激化によるおびただしい犠牲者だろう。すでにキエフ西部の戦闘では数百名と言われるウクライナ兵の死者がでた模様。その上徹底的な地上戦、市街戦となるとキエフは都市機能さえも失いかねず、落としどころは全く分からない状況になった。

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ウクライナのゼレンスキー大統領はプーチン大統領に、協議を呼び掛けたがプーチンは非武装(ウクライナ軍の解体)、中立(NATO側に接近する姿勢を撤回)を求めていて、実現するためにはウクライナ政府の転覆以外にあり得ないと考えている。となればまさに今日、明日のキエフ攻防戦でゼレンスキー大統領が殺害される可能性も現実味を帯びてくる。

 

相変わらずバイデン大統領は、この件に関して深入りはしたくないという姿勢。ゼレンスキー大統領と電話会談をしたとされるが、言葉だけ協力的な姿勢を示したものの、ようやくプーチン大統領とラブロフ外相の米国資産を凍結するという意味のない制裁を追加しただけというお粗末さ。この老人は、第二次大戦後初めてロシアによる国境を変える主権侵害をクリミアで行い、なおかつ今度は国家そのものを力で転覆し、屈服させようという暴挙の意味をまるで理解していない(ように見える)。

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地球上の紛争は今なお数多発生しているけれど、アフリカでも中東でもアフガンでさえ、軍事によって他国を侵略した例は存在しない。プーチンの立場も理解できる部分はあるし、NATOも調子に乗って勢力を東に広げ過ぎたという部分も否定できない。けれども事実として、目の前で国家侵略が行われていることを、世界は深く考えないといけないと思う。

もちろん国連はクソの役にも立たない。小規模紛争の解決手段として国連軍の平和維持活動が唯一の役割になっているのかもしれないが、5大常任理事国の影響外の紛争に限定される。

トランプ前大統領は、NATOの役割について常に疑問を呈し続け、離脱まで示唆していた経緯がある。NATOの仮想する敵はワルシャワ条約機構であるけれどソ連の崩壊とともに今は存在しないし、多くの旧東側国をNATOに吸収し拡大を続けた。今となってはロシア以外に想定する敵国はない。そのことにトランプは何の意味があるのか?と疑問を呈してたわけだ。トランプの立場はロシアと敵対すべきでない落ちうものだったが、民主党はこれをすべて無にしてしまった。民主党はことあるごとにロシアを敵国とすることで、米国外交を行おうとする悪癖が(キューバ危機以来)伝統になっている。

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もしかしたら今日、非常に嫌な時間が来るのかもしれない。そうなってもサンデーダウは動かなかったとしたなら、ウォール街は本当に腐ってるな、と感じるだろう。もちろんSWIFTからの除外は欧州のスペインやイタリアが反対しているし、ドイツもかなり腰が引けている。もちろん米国は株式市場の暴落が嫌でまるまるチキン状態だが・・・キエフ陥落、ゼレンスキー殺害、となれば、世界世論に押されるだろうから、SWIFT除外同意は十分にあり得る到達点だと思う。

そうなると、この2日間の爆上げになった株式市場も一転して暴落の可能性が高いと思う。世界で1位、2位を争うエネルギー資源の供給国であるロシア経済なだけに、暴落の強烈なトリガーになってもおかしくはない。その点英国だけは、シティは準備完了なのだろうか?