ウクライナの悲劇:止められないロシアの武力侵攻

ウクライナの悲劇:止められないロシアの武力侵攻

今日本は23時40分だけど、ウクライナは現在26日午後4時40分、依然として首都キエフはウクライナ軍が死守していて陥落はしていないし、ゼレンスキー大統領も健在だ。ここまで、ウクライナはロシアとの停戦協議に応じる用意があると打診し、ロシア側も非武装化、政治体制の変更という条件つきでベラルーシの首都ミンスクでなら、と回答。しかし、ロシアと同盟関係にある独裁国家のベラルーシに行けば何をされるか分からない、ということでゼレンスキー大統領はポーランドでの開催を打診したが、ロシアはこれを拒否。改めてウクライナ攻撃を宣言した。

ロシアには最初から非武装、政権交代の条件以外に停戦の意思はさらさら無く、あくまでも武力による侵攻によってウクライナ全土を制圧し、現政権を打破した上、軍はロシアの傘下に入れることを目的とする、いわば従属化を目指している。プーチンはとにかくここまで国家侵略に手を染めたら引き返せないというところまで来てしまっている。

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とにかく目の前で起きている戦争によって、両軍合わせて数千人規模の死者が出ているというリアリティを報道しているメディアがないために、日本人は実感が沸くことなく普通にバラエティ番組を見てバカバカしい笑いの中で過ごしているわけだが・・・、これはどう考えても「明日は我が身」の出来事としか思えない。こんな時に日本は憲法9条があるから大丈夫、と言い出す国内勢力は多数存在し、外交感覚まるでなしの元外務大臣で現首相の岸田は、あろうことかこの間の国会答弁で「非核三原則は国是」という、馬鹿丸出しの発言をした。もちろん今の時代で非核三原則を持ち出すのも馬鹿だが、中国の脅威にさらされている日本の状況をまったくわかっていないという無知ぶりが馬鹿なのだ。

こんな首相にいつまで日本の舵取りをさせるつもりなのか!?自民党の数の論理というのは、亡国の論理のようだ。このように書くと自分自身、保守系、右翼系と言われそうだけど、決してそんなつもりはないし、普通にあまりにも無知・無能な首相の発言を聞いて素直に感想を書いているに過ぎない。隣国(ロシア)が欧州で侵略戦争を行っている最中に、日本は核はありませんからどうぞ!と言ってるようなもので、さらには「国是」とまで表現した。この先も核は保持しません、軍隊も保持しません、と平然と言ってのける輩だから馬鹿と言っているのだ。もちろんそんな指摘をする新聞もTVメディアもないということも馬鹿で平和ボケだと思う。

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岸田は馬鹿の一つ覚えのように「各国と緊密に連携して」というが、日本のアイデンティティを国際社会に示そうという気は毛頭ないらしい。人の言うことはよく聞くらしいけれど、各国の言うこともよく聞く見たい。ある意味「緊密に連携して」というのは一人では何もできないという意味に等しく、ポリシーの欠片もないことを意味するのではないのか!?

日本のことはさておいて、ロシアは一方的に「ウクライナが停戦交渉を拒否」と発表している。もうこいつ等は出鱈目の言いたい放題で、あくまでも武力制圧するつもりなのはミエミエ。こうした中、米国のバイデン大統領はさっさとホワイトハウスからデラウェア州の自宅に引き籠ってしまった。この緊急時にだ!

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そこでバイデンの腰が引け捲ってる理由を考えると、まず息子のハンターの一件(スキャンダル)がある。ドラッグ漬けの息子はロシアの口利きでウクライナのガス会社の役員として高額な報酬を受け取り、そのほかにバイデンに対して高額な資金援助を行うという約束を取りまとめたメールがFBIに押収されているとか、大統領選挙ではいろいろと取り沙汰されたが、後にすべてが事実と確認されている。

もしかしたら、このままウクライナがロシアに制圧されてしまえば、バイデンにとっては都合がいいことが何かあるのだろう、と疑わざるを得ない。バイデンはロシアの武力による侵攻という明瞭な国際法違反に対して、ウクライナを救う気持ちは微塵もないと感じられる。

またマクロンは目前に迫った大統領選挙を意識してか、ロシアとウクライナの仲裁役を買って出て、一度ならず二度までも、プーチンに騙されコケにされて醜態をさらした。初めからプーチンは相手にしていないのだろう。そしてドイツは、以前から噂されていたメルケル前首相のスパイ説に再度火が付いた。

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メルケルは旧東ドイツの学者であって、長年ロシア側に情報を供与していたという疑惑である。そうした疑惑がここにきて取り沙汰される背景は、ドイツのウクライナへの援助がなんと武器でも弾薬でも食料でもなくて、ヘルメット5000個だったという小馬鹿にしたような茶番をやってのけたことから来る。帳尻合わせのようにノルドストリーム2(新設の天然ガスパイプライン)の申請を許可しないと発表したものの、これはすでにほぼ完成していて、ロシアから独占的にドイツが供給を受けるはずのものである。

歴史を見れば有史以来最も苛烈な戦いと言われ、死者数は4000万人に迫ると言われる独ソ戦を経た両国の関係がここまで緊密になるとは、利害以外の何物でもないのだろう。プーチンはウクライナについて常に歴史を持ち出すが、あの壮絶極まりない独ソ戦(スターリングラード攻防戦、モスクワ市街戦等々)について触れることはまずない。

つまり、NATO軍の盟主としての米国、中核をなすフランス、ドイツの腰は、実際のところは思い切り引けているわけで、ドイツメルケル前首相が主導した玉虫色のミンスク合意、ミンスク合意2の遵守がされていないという理由でウクライナをNATOに加盟させなかったことが、今日の悲劇を招いていると言える。ロシアはウクライナ領内の親ロシア派に対して武器と資金を援助して内戦状態を維持すれば、ミンスク合意は履行されないことは十分に承知していた。米国もNATOも、口では美味しいことを並べながら、実はウクライナのNATO入りはこのような形で敬遠していたわけだ。その辺もまたメルケルスパイ説の根拠となっているのだが・・・。

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今となってはウクライナは悲劇の国家と言える。そもそも親ロシア政権(ヤヌコーヴィチ政権)を打倒したのは米国CIAの工作によるものであることが明らかになっているが、親米、親EUの前政権(ポロシェンコ政権)は実業家ではあるが、経済政策に失敗し不人気でゼレンスキー政権が誕生した。ウクライナの課題は、欧州でも貧国である地位を何とかEUに加盟して経済発展させることであり、ゼレンスキーは一層NATO加盟、EU加盟を標榜したが、これがプーチンの怒りをかったことは間違いない。

しかし、現実には米国から梯子を外されたというのは明白であって、天然ガスというエネルギーを押さえられたEUもまた、ウクライナを助ける気は毛頭ない。ロシアのウクライナ侵攻は、同盟の如何にかかわらず、武力による他国への侵攻という点で明確な国際法違反行為である以上、介入または介入の意思表示をしたとしても、何の問題もないだろう。しかし、ロシア侵攻の直前になってNATOも米国も、介入はしないと明言した。これがプーチンのウクライナ侵攻のトリガーになったことは明白だと思う。

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今に至ってもなお、EUや米国はロシアのSWIFT除外を躊躇っている。軍事介入はしないとしても、今のロシアならばSWIFT除外で一発で軍事侵攻を止められる可能性がある。ロシアは軍事大国、核大国であるが、国力はGDP換算では韓国以下で、SWIFT除外で銀行間の資金移動を止めれば、すぐに経済に対して強烈なリアクションが返ってくるし、エネルギー輸出の決済が出来なくなってしまうからだ。

馬鹿なEUは、環境問題をテーマに掲げ、再生可能エネを思い切り打ち出した結果、天然ガスをすべてロシアに依存する結果になった。ロシア経済は天然ガスや原油を売らないと成り立たないし、EU各国はロシアから天然ガスを買わないと経済が立ち行かない。この4月からは欧州各国では電気料金、ガス料金が2倍に跳ね上がることが決定している今、ロシアをやり合うと強烈なインフレで経済が立ち行かなくなる可能性がある。

EU、米国、ロシア・・・、この時代では相互にズブズブの関係であって、国際法違反も、人権弾圧も、本音の部分では完全に黙認し合っているのであり、そうしたなかでウクライナの悲劇は始まっている。