歴史は繰り返す!?なら株式市場も?

歴史は繰り返す!?なら株式市場も?

サマータイムになった米国市場は22時30分に寄り付き。一旦は上昇気配を見せたものの、寄り付き直後からWTI原油価格が急騰モードに入ったために、株式市場は無理矢理頭を抑え込まれるようにしてマイナス圏へ。原油が上昇した背景は、EUがバイデンの訪欧を控えてロシア原油の禁輸を検討しているという報道とそれに対してロシアは、金融なら$300に上昇するぞ!との応酬で買われるという事みたいだが・・・。

これでもしもEUがロシア産原油を禁輸にしたら、ロシアは天然ガスを絞るかもしれないけどね。そもそもロシアは、3月末までに700億円以上、4月4日には2600億円もの外貨建て国債の利払いと償還を控えていて、仮にロシア保有のゴールドの換金が出来ないとなれば、ロシア国内のドル(外貨準備)はそれほどないと言われることから、デフォルトすると言われているところに持ってきて、原油の禁輸はロシア経済にとって致命傷となりかねない。

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また、オリガルヒ系企業のドル建て社債の利払い・償還問題もあるために、経済的には完全に壊死寸前ということになるよね。なのでそうなると「窮鼠猫を噛む」という事態も十分にあり得るということになる。プーチン大統領は、自国がデフォルトしたら欧州系の金融機関や米系ファンドなどに大きな損失が出るということを計算しているだろうけど、すでに欧米のロシア資産は償却準備を終えていると思うし、その辺りがまたしてもプーチンの計算違いなのかもしれない。

なので、そうなると天然ガスを大きく絞ることもあり得るし、ウクライナで化学兵器を使う可能性も十分にあると思う。

では「核兵器は?」というと、恐らく小型の戦術核は、ロシアの飛び地であるバルト海に面したカニングラードにあるとされ、そこで動きがあればNATOは「迎撃する」と通告しているんじゃないか?と思う。カニングラードはNATO加盟国の只中にあって制空権はNATOにあるため、だからね。また大型の戦略核を使う動きになれば、もちろん迎撃や場合によっては報復すると通告もしているだろうから使えなくなってると見て間違いないと思う。

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プーチンは明らかにキエフに対して戦術核を使うつもりでいたと思う。なのでロシア軍をキエフを取り囲むように待機させていることからも推測できる。が、それはちょっと無理かも、ということで今度は化学兵器をマリウポリで使うつもりかもしれない。ロシアはシリアで実戦してるしね、可能性は相当に高いんじゃないかと思う。

いずれにしても、ロシアは経済的に壊死しているわけだし、さりとて中国の出方はかなり微妙になっているし、化学兵器を使おうと使うまいと、結果は同じだと思うけど。

いま米国市場は?というと寄り付きから1時間、ダウ▲$200、NAS▲1.16%、S&P▲3.4%とやはりマイナス圏を深堀している。WTI原油が$109.30となってさらに米国債10年もの金利が2.240Pと大きく上昇していることも要因かも。けれどもドル円は¥119.160と横ばいになってるから、週末のCFDで大きく上昇した日経CFDも▲¥120ほど下落してるけど、それでもまだ△¥400とカンカンに強いけれどね。

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さて、米国経済はインフレにもめげず非常に堅調とFRBもアナウンスしている通り、4月のFOMCまでは揉み合うような下落になる可能性があって、それ以降利上げ局面になれば、株価は上昇トレンドに回帰すると、多くの評論家やアナリストが指摘しているし、過去の利上げ局面はそうだった、ということらしい。

ってことは、評論家やアナリストは「過去がそうだから」というのが理由なの?ってね・・・(苦笑)けれども株式市場とか、なんでもだけど将来の予想なんかそう簡単に出来るものではないと思うし、過去は過去、今は今、そして将来は将来という風に、とりあえず割り切って現状を見てゆくしかないと思うけどね。

個人的には過去の利上げ局面と今とでは雲泥の経済環境の差があるわけで、その中で過去と同じようになると決めるのはいささか抵抗がある。第一、過去に資源大国が世界経済からほぼ退場するなどという局面があったかな?って考えただけでも全然違うし、今の世界インフレをすべてロシアのせいにするのではなくて、金融政策の結果だ、と捉えるべきなんじゃないか?と思うし・・・。

なんか世界中、ファイザーとモデルナのワクチンの効き目も今一つだし、下火になってる国もあれば増加してる国もあるし、なかなか終わりが見えないしね。金融ジャブジャブ政策と新型コロナとでインフレが加速し始めた。原油や天然ガス価格が上昇した原因の発端は、地球温暖化防止のための脱炭素で投資が出来なくなったということもある。

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脱炭素ってやると世の中は急激に電化の方向に進んで、急激に電力需要が増える。その需要に再生可能エネが到底追いつかないということが根本にある。EUなんかはそれだけミエミエの弱みをロシアに見せてしまったから、プーチンは俄然強気になっちゃったということだよ。それで今度はロシア産原油禁輸だ、なんてことを言えば、プーチンは余計にカリカリ来るだろうねぇ・・・。

こうなってくるとOPECは高笑いしてるよ。あそこは2年前マイナスなどという屈辱を味わってるし、おいそれと増産などするはずもなく・・・また同じようにバイデンにいじめられたシェールもムクムクし始めたらしいし。ロシア産の原油は中国が引き受けるだろうしね。結局原油や天然ガスは有り余るほどたっぷりとあって、本来は$100なんてあり得ないコモディティなのに、わざと(結果的に)足りなくして価格を吊り上げてるってことでしょ!

原油が騰がり天然ガスや石炭も騰がると、再生可能エネがペイするようになってくる。そういうことを水面下では狙ってたのかも。けど戦争が始まっちゃったからねぇ・・・戦争プレミアムが付いちゃったし、非鉄金属も・・・亜鉛やニッケルまで飛び火して暴騰しちゃうし、レアメタルも、そして穀物も行っちゃうし・・・。結局今のインフレは、すべて金融ジャブジャブのせいでしょう。

いまの株価も商品価格もなにもかもがインフレで、金融ジャブジャブのせいだった。現在の株価や商品の裏付けって結局は金融緩和の量だったということになるわけで、それが近々始まるQTで減少し始めると、余程企業が好業績を叩き出さないと釣り合わない。けどインフレだから、企業業績に過度の期待は出来ない。となると利上げはまだしもQTで市中資金の縮小が始まれば、当然吊りあいをとるように、下落するというのが基本なんじゃないか?って思うけど。

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なので今後ロングで通用するかどうかは、個人的にはかなり微妙で、というよりもちょっと難しいんじゃないか?と思ってる。調子よく上昇してる原油だってウクライナがどんな形でも決着すると同時に暴落する可能性もあるし・・・。いままではずっと株価が右肩上がりできたけれど、それは実は世界経済が好調だからでも、企業業績が絶好調だからでもなくて、金融緩和の量という背景のせいだってことを忘れないようにしないとね。

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借金が1億円の中小企業がある。今はなんとか利払いしてるけど、でも年々利益率が落ちて苦しくなる一方。なんとかしないと、ということで新規事業のために2億円追加融資を受けた。これで2,3年は安泰。これを15年も繰り返した結果が今なんだよ。借金は10億円になってる。インフレでだいぶ苦しくなったからまた借りようと考え始めてる。さてどうなる?みたいなね。

こういう中小企業のオヤジがいるから経済は拡大するわけだけど、借りられなくなると経済の拡大は止まる。要するにこういう発想の経営者が世界にたくさんいるときには経済は拡大して、それが止まれば経済は萎む。

今の起業家・経営者は、僅かな利益率を計算するだけで成り立つけれど、昔だったらそうはいかなかった。年に10%の増益を計算しても怖かったしね。SBGの孫会長はそういう企業を見つけられるかね?

利上げをしてゆくと利払いで潰れちゃう企業も続出するよ。ロシアも同じ。それほど今は負債が多いので。多分、2%の利上げ+QTで、確実にリセッションになると思うけどね。それまでは、オヤジは何とかするからね(笑)