株式投資に必要資金を使うから負ける
- 2019.04.20
- 投資手法
株式投資をする上で、投資資金管理の重要性を説く専門家は多数存在します。確かに必要なことだとは思いますが、やってみるとけっして易しいことではないと気付いたり。
米国の著名な株式投資書などには「資金量の2%以上のリスクは絶対にとらないこと」とあります。しかし、それは机上の空論に近いもので、自分ではリスクを取っていないつもりでも地合いの急激な変化等でいくらでも2%は越えてしまう・・・。
もっともそれは全額を投資している場合なので、資金量の半分の投資であれば4%となりますが。
資金管理の第一歩は必要資金を投資しないこと
株式投資には資金管理上の鉄則があります。それは決して必要資金を投資しないことです。私の経験からもこれは絶対的なルールと言ってもいいと思います。
その最大の理由は、生活に必要な資金を(将来の利益を当てにして)投資してしまうと、メンタル面で致命的な弱みを持つことになるからです。負けたらどうしようという不安といつも隣合わせの精神状態では、冷静な判断ができなくなってしまいます。
その場合使っている資金は負けることは許されないわけですが、株価は常に思い通りには動かず上下を繰り返すものですから、値動き(含み損)には耐えられないのです。そこで、ロスカットを多用するようになる。また上昇した時に確実に利益を確保しようとしていきおい早売りになることもあります。
ご存じのように30%負けた資金の現状回復には44%の上昇が必要です。なので可能な限り冷静に投資に向き合わなくてはいけません。
負けてもいい資金(余裕資金)を投資する
世の中に負けてもいい資金など存在するはずがありませんね。投資というのは成功すれば大きなキャピタルゲインを得られますが、あくまでもリスクが前提ですから負けたときの想定は非常に重要です。
負けたら窮地に追い込まれるような性質の資金を運用すると、投資判断が投資家の願望とすり替わってしまいます。冷静にその株式が、その企業が評価されるか否かではなくて、また他の投資家の行動を見極めるのではなくて、すべてが「上がって欲しい(下がって欲しい)という願望」になってしまう・・・。これでは成功するはずがありません。
ですから、仮に負けても現状回復のための投資メンタリティを維持する必要があるわけで、それが可能なのは余裕資金の場合だけなのです。
株式投資以外の収入を確保する
4年前、株で再起しようとして備忘録のつもりでブログを書き始めました。そして1年ほどした後に、成績もいま一つで食うや食わずの状態のときに、副収入が少しでもあればな、と考えてアドセンスを始めたわけです。
もちろん月に数千円の収入でしたけど、それだけあると飼い犬の餌代になったりで気分的に楽だったのを覚えています。
株式投資をしていると、専業なのでどうなるかは全くわからない不安と言うのもがありました。そこにたとえわずかでも定期的な収入を得られたわけで、これは本当に貴重でした。
脱サラとかすると、定期収入がいかに貴重なものかが分かると言いますが、その通りでしたし、そのことがメンタルの維持に凄く役に立ちました。
副収入はメンタルの維持に思った以上に貢献します。なので投資資金に直接関係のあることではないですが、メンタルの維持が勝率を上げてくれることを考えると、実は資金に対する影響力は絶大で、十分に補う効果が期待できます。
なので是非、定期的な副収入を確保して欲しいと思います。
余裕資金はナーバスに管理する必要がない
投資資金の管理は、あまりナーバスになり過ぎると資金の増減ばかりが気になってしまい、本筋の投資に対する行動が曖昧になってしまいます。投資の目的はもちろん運用資金を増やすことなのですが、金利のように時間とともに確実に増えるものでもありません。
なので、株式投資そのものに主眼をおき、資金管理はその結果だということを忘れないようにしたいですね。
いま売れば10万円の利食いができるけど、テクニカルではまだ売る局面じゃない、というシチュエーションはいくらでもあります。その時に、資金管理の側面で考えて利食いするというのは、投資行動としては正しくないと思いますね。
このようなときでもメンタルの影響が大きいですね。余裕資金であるならば、テクニカルに素直について行けるわけですが、必要資金であるなら利益確定してしまうでしょう。
投資資金はある程度の管理は必要ですが、ナーバスにならないであくまで投資の結果、くらいの認識で十分だと思います。
ハイリスクならばハイリターン?
株式投資は言うまでもなくリスクの高い投資行動です。マーケットで買い相場になると「リスクオン」、売り相場ではリスクオフということからも分かりますね。
しかし、リスクを取ったからハイリターンでなければならない、と言うものでもないのです。そしてリスクを取ったわけですから負けも大きくなる。そんなことは日常茶飯に起こり得ます。
資金管理は「(銀行)預金金利を上回れば勝ち、配当取りなら大勝」くらいの気持ちで考えるべきです。無闇にハイリターンばかりを志向すると、ハイリスクであることを忘れがち。そんな投資行動には必ず「落とし穴」が待ち受けていますから。
まとめ
株式投資に必要資金を使うと負ける確率は非常に高くなると思います。それでも行かざるを得ない、と言うのであれば覚悟を持って臨むべきですね。
投資資金の管理はやり過ぎるとメンタル面での影響が出ますので、確認する、くらいの気持ちでいいのではないでしょうか?
株式投資は資金管理が本筋ではなくて、投資が第一の目標と位置付けるべきだと思います。
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