FOMC明け、日銀会合前、株は業績相場へ!?
- 2022.09.22
- トレード雑感
株式市場は明らかに「金融相場的な雰囲気」を継続しようとしてる・・・。リーマンショック以降、FRBが常に金融緩和によって株式市場を支え、そして個人・法人問わず投資家はかつてなかったほどの株式投資による成功を享受してきた。株式市場は何度となく急落に見舞われたけれど、その都度FRBが出動しジャブジャブと金融緩和をすることで短期間のうちに株価は回復し、簡単に急落以前の株価を上回った。その結果、投資家は「押し目を買いさえすれば投資は大成功する」「恐怖のなかで買い出動することが成功への近道」という必勝法を見出し、成功への権利を手にしたわけで、常にその権利行使のタイミングを伺っている・・・。
昨夜のFOMCは、予想通り0.750pの利上げを発表し、一旦は株価は急落したものの、そのタイミングで投資家達は一斉に買い向かったわけだが・・・そうした投資家の姿勢をパウエル議長は一喝するような発言で、ある種の強制力を持ってして投資家の姿勢を戒めた。パウエル議長の言わんとしたことは「今のインフレはそんなに簡単じゃないのです」という事。さらに「FRBが金融政策でコントロールすれば解決できるような、そんな状況ではなくて、失業率の上昇と景気後退によるしかインフレを抑え込むことは出来ない」と明言したに等しかった。
パウエル議長は株式市場に蔓延する従来通りの「金融緩和時のような投資姿勢」を戒め、「金融相場的な雰囲気」を市場から一掃した・・・。
これでFRBは年末までにFFレートを4.000p以上に誘導することを明確にしたも同然で、11月0.750p、12月0.500pという市場のコンセンサスを引き出し、4.250pー4.500pを想定してもまだ当面それを維持しなければインフレを低下させることは出来ないと示唆した。けれどもそれでもインフレ水準に届かない公算が大で、目標の2.000%のインフレを実現するのは極めて困難だと思う。インフレ以下の金利政策でインフレを抑え込むことが出来ればそれはすなわちソフトランディングということになるけれど、それは極めて難しいことと改めて投資家は認識する必要に迫られた。
まさに株式市場にとっては運命のFOMCになったような気がするし、今後は嫌でも業績相場に移行せざるを得なくなった。そんななか、プーチンはさらに30万人の予備役を戦線に投入し、(ロシアの勝利のために)あらゆる手段の行使をいとわず」として、核兵器の使用をほのめかした。その結果コモディティ価格は急騰し、インフレを助長するかのような動きになりつつある。
先々世界景気の悪化が決定的となっても、こういう排除できないネガティブファクターがマーケットを揺さぶり続ける・・・。今、世界は、資本主義は、まさに岐路に立たされているのかもしれない・・・。
「こういう地合いだから、負けるのは仕方ない」そう考えて、過ぎたことは忘れて前向きに、というポジティブシンキングは大切だと思うけど、でもその前に「なぜ負けたか」「どうやって取り返すか」を真剣に考える時間も必要だ。悔しいさを技術とテクニックを磨くことにぶつける!デイならタイミングを、テクニカルならチャートを!モノにしてしまえば後は勝つだけ!
というわけで、パウエル議長発言で急落した株式市場だけど、またしても大きく予想を裏切る結果になったよね。ダウは6月の底値に急接近していて今夜にも割り込む可能性も出てきてる。一方日経平均CFDは¥27,045辺りの気配となっていて、この水準」はEPS¥2,186ということだからPER12.38といういかにも売られ過ぎの領域に突入の気配。けれども単純に予想PERが低いからという理由で買うのも怖い。いろいろあるけれど、日経EPSはSBGの業績が昨年並みという計算の上のことだろうから、まるで当てにすることは出来ないという側面があるだろう。
けれども、またぞろドル円は¥144.300くらいまで円安が進み、日銀のYCCも10年債金利が0.250pを抑え込めなくなってきてる状況もキナ臭い。今日の昼に政策決定会合が発表になるけれど、据え置きなら一気に¥145を獲ってきて、その時為替介入が行われるかがポイントかも。米国債が買われてるタイミングなので、介入すればそれなりの効果が出ると思うけど・・・。
というわけで、明日から三連休という日本市場の地合いは・・・如何ともしがたいね。これはこれで、最悪の状況と言えるかも。
個別株で一発逆転!こんな地合いだから可能性十分だよ。まさに株式投資の醍醐味ってやつかもね。
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