令和相場:空売りできない投資家は生き残れない可能性あり
- 2019.06.14
- 投資情報
ロング(買い)専門の個人投資家は、ほとんど生き残れないんじゃないか?と思う。生き残るチャンスがあるとすれば、仕手っぽい銘柄を狙い撃ちするような、そんなギャンブラー的な手法だろうね。
こんな記事を書くのは株修羅だけかもしれないけれど、今の日本経済の置かれた立場を考えると、そういう結論しか出てこない。買いは短期的には利益は出せるかもしれないけれど、恐らくそれは続かないだろう。
日本経済暗黒の時代到来
令和相場は不吉にもトランプツイートで急落からスタートした。10連休の10日目まで個人投資は安堵していたに違いないけれど、仕事始めで朝目覚めて株価を確認した途端に、血の気が引く思いだったに違いない。
投資家の誰もが、10連休中に米中交渉妥結を信じていたろう。まさか、それが開戦の号砲になるとは・・・。
米中対立は世界経済を巻き込む
米中対立の本質は貿易戦争ではなかったことが、中国側の土壇場の合意内容破棄で明らかになった。関税をかけあってはいるものの、米国で物価上昇が起きないのは、中国企業が関税分を被って値引きしているからだ。
しかし、第四弾となる3000億ドルの中国製品に課税するとなれば、米国の物価は流石に上昇を始める可能性が高い。中国企業も被りきれないからだが、そうなればFRBは利下げができない。
結局、米中の対立はすでに経済ではなく政治的な覇権争いにフェイズは変わっているのだと思う。そうなると、原材料価格の上昇、日用品価格の上昇が、トランプ減税の効果を相殺してしまい、米国経済も現状維持は難しくなる。
それでも、米中対立が収束しなければ、米国のみならず、懸念だらけの世界経済は2018年に天井を打ったことが明確になる。
金融危機は必ず来る
恐らく米国で米中対立の影響から物価上昇が始まると、FRBは利上げを思いとどまれなくなることは明白。現在トランプ大統領は懸命に利下げ圧力をかけているが、そう簡単にFRBは利下げに踏み切れない理由がここにある。
仮にFRBが、利上げをやらざるを得なくなった時、ジャンク債やCLOは暴落することは目に見えている。背景に米国経済の減速があれば確実にそうなるだろう。
中国のみならず米国自体もまた、とんでもない岐路に立たされているのだと思う。
日本株がダメな理由
日本経済は、つまりは安倍政権は秋の消費税増税を断行することがほぼ確実になった。期限は6月21日の「骨太の方針」の閣議決定。消費税増税が閣議決定されたら、日本経済の運命が決まる。
しかも、先日「年金不足2000万円問題」が最悪のタイミングで露呈した。
つまり、日本人はもう消費を削りまくるだろう。
円高時代到来
為替の周期的変動を考えると、現状は既に円高に向かいつつあると考えるべき。まして、米国が利下げをするようであれば、簡単に¥106台へ突入するのではないか?
また消費税が増税となれば、海外勢は必死に為替ヘッジにでるだろう。まして日米交渉で自動車の米国輸出台数制限や為替条項が盛り込まれるようであれば、¥100も視野に入ってくる。
中国依存度が高すぎる輸出企業
日本企業の輸出先国はトップが中国で約28%、次が米国で約26%だ。米国の中国潰しで中国経済は崩壊の危機にあるなか、依然として日本企業は中国投資を継続している。
しかし、米国の対中政策はトランプ大統領やトランプ政権の政策というよりも、議会の政策と言う事実を無視できない。
米国は明確に世界経済の牽引役としての中国を排除することを法案によって可決している。
しかも現在進行形の香港動乱に関して米国CIAが関与していることは明白で、これは中国を徹底的に追い詰めるという米国の戦略だ。
言いかえればG20大阪で習近平がトランプの要求を飲めば、中国共産党は経済的基盤を失いひいては崩壊しかねないわけで、徹底的に抵抗を試みるはず。となれば、米国は中国をより強硬に叩くはずで、その結果日本企業の業績は急激に悪化すると思われる。
消費税増税と人口動態で内需は崩壊
いま、消費税増税を敢行すれば、消費は急激に落ち込む。まして、働き方改革で残業規制され10連休で収入が落ち込んだ5月、6月を経て秋に増税が控えているとなれば、なおさらだ。
働き方改革は人口減少の著しい若年層の所得を大幅にそぎ落とした。4-6月、7-9月の消費が落ち込むことが決定的である以上、デフレ定着と言う地獄が待っている。
株式投資を続けるなら本気でロング/ショート
日本経済が30年間成長できなかったにもかかわらず、日経平均株価は小泉政権当時の¥7000台を底としてなんとか¥20,000台まで回復している。その理由は、海外の経済成長に伴って輸出企業の業績が拡大したからだ。
つまり、すでに日本企業は国内市場の成長は考慮しておらず、海外戦略によってのみ業績が伸ばせる体質となっている。
しかし、米中対立の本格化に伴って中国経済が危機的状況に陥り、中国依存度の高いEUも極めてネガティブな状況で、となると極めて厳しい状況に立たされることになる。
加えて日本経済がデフレ経済再現となれば、トランプが持ち込んだ世界経済の枠組みで米国以外に頼る市場がないわけだが、日米交渉と円高が、利益をそぎ落とすことになりかねない。
となると、ここからの日本経済において「ロングで勝てる地合い」とは言い切れなくなってくる。特に中・長期で株式を保有するのは、あまりにリスクが高すぎる状況と言えるかもしれない。
なので、安倍政権が消費税増税というパンドラの箱を開けると決めた以上、株式投資でサバイバルするためには、ロング/ショート手法以外にないと言うのが個人的な結論です。
空売りしないと株では生き残れないだろうと思います。
日本経済がボロボロでもショートできれば笑えます。あのリーマンショックの下落時にほとんど傷を負わなかったのが米国投資銀行のGS(ゴールドマン・サックス)でした。GSは年明けからポジションを大きくショートさせ、年内の損失をカバーしたと言われています。
先行きの相場を見越してショートを身につけておくならこの3題を推奨します。
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