金庫株探し:社長交代効果がある企業は!?

金庫株探し:社長交代効果がある企業は!?

今、第二の金庫株を狙ってて、やはりこの時代世代交代が出来る人が社長にならないとダメで、その意味は攻めの経営をやろうとする意図があれば必ず若い人を使いたいだろうと思うからです。けれども、主力上場企業では、60歳前後の交代が多かったし、もう少し若返りをしないと長期目線での経営が出来ないと思うんだけどね。

とにかく日本の社長って短期的な目線で経営を見るし、早く実績を上げたい、利益を増やしたい、みたいな人が多いから、ダメなんだと思うよ。そういう人は内部留保なんかなかなか取り崩して投資しようなんて思わないんだよ。投資となると1年、2年じゃ結果は出ないし。



7203トヨタ 豊田章男社長→佐藤恒治社長(53歳)

そういう意味で最も注目してるのは言うまでもなくトヨタの新社長佐藤氏(53歳)なんだけど、トヨタみたいな化け物会社の組織って本当にガチガチなので、その中でどれだけリーダーシップを発揮できるかはかなり悲観的なんだよね。けれども章男社長が退いて腹心の佐藤氏を抜擢したというのは相当に深い意味がある。

社長就任以来章男社長は幹部から苛め抜かれた。その意図は奥田社長以来続いている創業家以外のプロパー体制を守るために、ボンボンの章男氏を早く潰しておこうという意図で53歳で社長就任としたわけだ。それは完全にリーマンショックの後始末をさせてその責任を追及して社長交代という意図だったわけだが・・・。とにかく何処からともなく湧き出てくるバッシングは、米国での訴訟問題や東北震災・原発事故とう大きな事件があるたびに足を引っ張られた章男社長を応援してたのはスズキの鈴木修会長くらいだったとも言われてる。

Advertisement

けれどもそうした批判を乗り越えて着々と社内人脈を広げていって、トヨタの業績を万全にしたところで、今回の佐藤社長抜擢と副社長人の総入れ替え、主要役員の入れ替えという大ナタを振るって反豊田章男派を一掃した。その意味で自身が社長を退いたのは進退を賭けての刷新だったわけだよ。

で、これが上手くいくかどうかは未知数だけれども、先日の株主総会で章男氏の代表権のある会長就任が承認された。と言うことはつまり、今年からのトヨタは章男会長ー佐藤社長という体制になったわけで、章男会長はアンチを気にすることなく事業展開できるということになる。こうした経営陣の刷新を海外投資家は好感を持ったはずで、VWが大分日寄って来ていて、米国メーカーもEVで弱ってきている中で、恐らくトヨタは独走を始めるだろうと思う。

ハイブリッド、EV、燃料電池、水素エンジン等々全方位で事業展開可能なトヨタを追い落とす方法が見当たらないよね。でも、欧米は、特に米国は何を仕掛けてくるか分からないから。現在の体勢でどうなるか、見極めがついたら突っ込むつもりだけどね。

Advertisement

7270 SUBARU 中村知美社長→大崎篤社長(60歳)

SUBARUも今期体制は専務だった大崎氏が社長に就任した。この会社は本当に面白い立ち位置で、今でこそトヨタが20%の株式を保有して持分法適応会社になっているけれど、財務が脆弱だった以前はGMに資本参加(8%?)を仰いでいたけれど、それを経産省の依頼もあってトヨタが引き受ける形でSUBARUの株式を取得してる。以降、提携関係を強化するという名目で16.8%まで株式取得、そしてスポーツカーの共同開発で合意するとともに出資比率を20%に引き上げ持分法適応会社とした。

Advertisement

なので提携関係以外の部分では互いの経営は独立性が極めて高いわけで、世の中のEVブームにあってSUBARUはなかなかEVに舵を切るころとは無かったし、恐らくe-BOXERと称するハイブリッドを2025年あたりから販売し始めるらしい。しかもハイブリッドシステムはトヨタの物を使うとか・・・。もしも言われている通りEV時代が来たならこの会社の存在意義は失われてしまうかもしれないけれど、どうやらそんな雰囲気は後退しそうな情勢になっている。

メイン市場は米国で、日本企業のなかで最も米国依存度の高い企業であるがゆえに、広大な国土の米国ではレシプロ車の需要は衰えることはないし、企業規模を考えると案外独り勝ちする可能性もあると思う。そういう意味で、大崎新社長はいたずらにEV戦略で大風呂敷を広げてほしくないし、出来れば年度内発表と言われてる独自EVも注視して欲しいほどだ。この規模ならばEVなんかやらなくても十分に生きて行けるはずだ。

Advertisement

けれども大崎社長は経営実績はほぼゼロの人。製造本部長からの抜擢と言うけれど、こういう人事はどこかに甘えというか順番というか論功行賞的な、サラリーマンのバトンタッチという陳腐さが否めない。そんな油断が生まれるのはトヨタの持ち分法適用会社になったという油断があると思うけど。

まぁSUBARUってちょっと面白い存在であることは確かなんだけどねぇ。

6758 ソニ-G 吉田憲一郎社長→十時裕樹社長(58歳)

今回の一連の社長交代劇のなかで、最も落胆したのがソニーGだった。ほとんどトヨタと同じような社長交代劇で、吉田社長が会長兼CEO、新社長の十時氏が社長兼CFOだって。この人事の意味が全く分からないというか、要するに十時氏を役員の中で一つ頭を抜けださせただけということ。そしてこの十時社長は財務畑の人なのですよ。

Advertisement

だいたい会社組織と言うのは財務が重要なのは分かるけれど、そこの人がトップに立つとやたらと保守的な経営に成りがちで、テクノロジーカンパニーのソニーとしては大ブレーキになるんじゃないか?と思うんだよ。で、こういう奇抜な人事に裏にもだいたい何か理由がある。例えば会長に就任したのにCEOを名乗る吉田氏は、社長時代にどうしても意に沿わない役員が数名いたのだろう。

そうした体制を変えるために敢えて財務畑の役員を社長とした。けれどもCEOではなくてCFO。と言うことはCEOの言う通りの事業展開を責任をもって実行するという立場でしかない。なので新社長に期待することなど何もないし、恐らく海外投資家もその辺を売り材料にするのではないかな。

最近のソニーGってじわじわと色褪せてるように感じるけれどね。

と言うわけで金庫株探しはもっとじっくりと時間をかけて吟味してゆこうと思ってるので、その都度記事にしてゆきますね。