アルバム「8:30」から思い出の2曲 by WEATHER REPORT
- 2024.01.14
- MUSIC
一時期、高校生の頃、なぜか当時で言うヒュージョン・ミュージックにどっぷりと嵌った時期があった。受験勉強もろくにせず、毎日高校のそばのJAZZ喫茶(古い!)に通い詰めて、マスターの奥様にホット・ミルクを特価で出してもらって1時間はいたなぁ・・・。メチャメチャ小さな店舗の中に、JBLのスタジオモニターとマランツが詰め込まれていて、10人も入れば結構一杯という有様の店。
そこに通い始めた理由はもちろん、JBLの音が聴きたかったからだけど、当時はアコースティックのJAZZが電子楽器を積極的に取り入れ始めた時期でもあったので、そうするとリズムがほとんど8ビート調になってロックミュージックのようになったので、新鮮だったんだよね。
それにマスターの奥様がカーリーヘアでスリムで、胸元の開いた服を着てて・・・そっちの方が目当て、と言う側面があったなぁ・・・。というわけでいろいろなミュージシャンを聴いたけど特にお気に入りだったのが、Weather Reportというバンド。マイルスのバンドにいたウェイン・ショーター(テナー&ソプラノサックス)とジョー・ザビヌル(キーボード)が中心になって結成したバンドで、俺が好きだったのは電子化してから、ジャコ・パストリアウとピーター・アースキンが加入した時期の音。これをねJBLで間近にすると、本当に痺れたんだよ。
その頃の曲で「8:30」というライブアルバムに収録された好きな2曲を載せます。
まずは代表曲でもあるBLACK MARCKET。この曲は同名のアルバムのテーマ曲なんだけど、オリジナルテイクはメチャ地味なアレンジ。ベーシストが確かアルフォンソ・ジョンソンという人であまり好きじゃなかったんだけど、このライブテイクは、あの伝説の「ジャコ・パストリアス」が加入後のテイクで、ドラマーもかなり好きなピーター・アースキン。
もう何というか、曲の全面がアフリカ大陸!という雰囲気満載でね。情景が目に浮かぶようだしね。でももっとも好きな「ジブラルタル」と言う曲がこのライブにはないんだなぁ・・・。
次は、TEEN TOWN(十代の街)と言う曲。これでね、ジャコの名声は一気に世界に羽ばたいたわけですよ。それはもう、当時としては本当にベース!?という感じのフレーズ回し。あの頃はファンキーはチョッパー奏法とかが流行ってたんだけど、ジャコに比べたらクソだなという感じだった。この曲をジャコはフレットレス・ベースで弾いてます!
もうもう、この曲をJBLで聴いたら完全にぶっ飛んじゃって・・・。それで何と、高校3年の時、受験勉強を放り出していきなり家出。有り金はたいて中野サンプラザと厚生年金会館でのコンサートチケットを買ってしまい、仕舞いには彼女に5千円借金して電車に乗りました。
それで見ましたよ、コンサート。何とジャコが上半身裸でベースギターを床に置きエルボーを決めるという無鉄砲っぷり!ベースのディストーションを効かせてハードロックのような音出しちゃって・・・。もう涙チョチョ切れ状態ですよ。
お金もないので昼は新宿駅周辺をウロウロ。アルタ前の噴水のところにずっと座ってたり、歌舞伎町を探検したりね。そして厚生年金のコンサート後は、中野まで歩いていって駅の駐輪場のところで野宿して、ほとんどホームレス状態。で、サンプラザを見てから電車に飛び乗って命からがら帰宅。と言っても終電が途中までしか行かなくて、電話で迎えに来てもらったという始末。
学校も家も大騒ぎだったらしいけど、個人的には本当に楽しかった家出の思い出です。
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