来週には日本株の潮目が変わる?3月までの市場動向を考える
- 2024.02.10
- トレード雑感
昨夜の日本株は・・・日経CFDは△¥234と上昇したけど、これは東京エレクトロンの上方修正分と円安を意識したからだろう。(俺にとっては)残念だけど火曜の日本市場もそういう動きになるだろうから、来週の日経平均は瞬間的に¥37,500くらいがあるんじゃないかと思ってます。けれども、個別銘柄は引き続き軟調じゃないか?ってね。だってこの水準をロングはもちろん買うことはないし、週末のSQを見ても分かる通り、投資銀行やヘッジファンド等の短期資金が取引の中心なので、SQを¥37,000に乗せたことでほぼ目標は達成したので、あとは益出しに走ると思う。こういう展開だからピークは来週のどこかで、後は売り物がちになると・・・。
毎回決算の前半に好業績を出した銘柄は素直に株価は上昇することが多く、これが後半になってくると同じような好業績でも「出尽くし感」で売られることが多いけど、3、6、9、12月の決算を控えてるので、決算後で値を上げた銘柄ほど、売られやすくなるんだね。
今の時代、昔のようにPERもPBRも無視して熱狂過熱で大相場になるということはまずない。この20年の間に株式市場は斬った張ったの鉄火場じゃなくなったから、仕手筋なんてのも居なくなった。少なくとも国内勢で資金力が莫大な投機筋なんていうのがないからね。生半可な資金では、あっという間に外資に潰されてしまうから。それだけ資金量に海外勢とは圧倒的な格差がある。
もうすぐ株価はバブル越え、なんて騒がしいけれど、あの時のPERは確か60位になったんじゃないかな。仮にPER60ならば、今の日経平均は¥138,000になっちゃう!でも今の時代にはそんなことには絶対にならないし、金融環境からいても絶対になり得ない。10年後、20年後ならば分からないけれど、その時には世界中の経済が激変しているだろうし、米国の債務状況を見ても、グレートリセットが必要になるだろうし・・・。
2023年から2024年のいままでの日本株の上昇は、消去方的に日本株に中国資金と欧州資金(ロシア資金)が投資された結果であることは分かってる。それまでの日経平均の評価はせいぜいPER14台の半ばだったけれど、いまはPER16台に様変わりした。本当に日本企業の業績が絶好調だったなら、PER14台半ばのまま今の日経平均株価になってる。その場合EPSは¥2,550くらいで、それなら日本企業の実力と言えるかもしれない。経済も相当に良くなってるだろうしね。
でも、2011年(リーマンショックの3年後)のドル円なんて¥80/ドルまで円高が進んでた。それが今は¥149/ドルなわけだから、輸出企業は何もしなくても自然と増収増益になったんだよ。もちろんトヨタのように世界中からバッシングされてもへこたれないで唯我独尊みたいな企業は大きく成長した。それでも、日本政府がトヨタに対して突っんだ資金(優遇税制や補助金、諸消費税還付)は莫大だったわけで、それがあったから今のトヨタがあるのは間違いない事実。すべてトヨタの実力だけじゃないわけです。
とにかくどんな形であれ資金が入れば株価は上昇し、抜ければ株価は下がる。なぜ日本株を買うかと言うと、昨年のようにキャピタルフライトが要因である場合もあるけれど、欧米に比べてファンダメンタルズが良好なので、企業業績だとか為替だとかを合理的な理由としやすいという部分も無視できない。
グローバル化で中国投資が非常に増えたけれど、中国経済が没落すればその資金は傷を負いながらも逃避して消去法で日本株を選択する。けれども中国の個人投資家が上海上場の野村日本株ETFを買ったくらいでは日本株は動かないわけで、そうではなくて元来国外で運用していた中国資金(華僑)が、日本株のウエイトを極端に上げたからだろうと思う。実体の掴めない華僑系資金と言うのは莫大で、ある意味ではユダヤマネーに匹敵するわけだから。シンガポール市場を金融センターに押し上げるくらいだからね。
けれどもそういう資金はアクティブ運用なので、入るときにはドカっと来るけれど、抜けるのも早い。そういう意味ではロシア系の資金もまた、欧州経済が弱いとみるや、部分的には日本に投資されてるだろう。けれども、それらは基本的には金利の高い米国市場を選好するわけだから、日米市場は一蓮托生と見られているのは間違いない。
そういう動きを見て米系のヘッジファンドは決算期待もあってか年明け1月に爆買いしたんだろうね。そして思惑通り日経平均は年初から2度のSQ買い仕掛けを挟んでなんと¥4,000もぶち上がった。決算が終われば、今度は現物市場での利食い売りが始まるのは目に見えてるし、往復でぼろ儲けを狙う筋は、オプションで狙ってくるかも。それで、過熱してる米国市場が売られ始めるとそのタイミングで短期トレンドは下落に転換する。最近は日米市場の連動性が薄くなったと言われてるけど、日本市場が独自の動きをするときは、米国以外の資金が入ってきてる証でもあるんだけど、欧州系と中国系の資金、特に中国系はレバレッジがかなり効いているので、逃げ足は速いと思う。米国市場が上昇しているのに日本市場が下落してる、というシーンが出たらババ抜き相場の始まりだ。
と言うわけで、ルンルン気分でいられる週末3連休は今週までだと思うし、後はもしかしたら3月の25日辺りまでは下落トレンドかもしれないな、と思ってます。1月のSQはまんまと大成功した米系だけど、調子こいて先週またやったのはちょっと悪乗りが過ぎたと思うし、そんなことを下から余計に下げの落差が大きくならなければいいけど。もっともそれが狙いというのもあるかもしれないけどね。
個人的には来週中に日本市場の潮目も変わってくるんじゃないか?って思ってるんだけど、日本市場には海外投資家やヘッジファンドに対するカウンターパートは自社株買いだけだからね。そっちの方が問題なのかもしれない。GPIFは日本株比率を戻さなきゃいけないし、日銀はこれ以上無暗にETF買は出来ない。いつものことだけど、株価が下がらないと国内個人投資家は買いに来ないし、新NISAも期待できない。そういう意味では3月権利取り直前までダラダラと下げてくれたら非常にいい感じになるのかもしれないね。個人にとってはそこが買い場かもしれないし配当権利をとってもいいくらい。
日本株の3月までの流れはそんなことを考えてます。
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