植田総裁は終わった。同時に日本経済もダメかもしれないなぁ・・・。

植田総裁は終わった。同時に日本経済もダメかもしれないなぁ・・・。

日銀が利上げを強行した影響で、ドル円は一時¥150/$を切るまでに円高方向に動いたね。今回の利上げに関して言えば、事前にかなりの「ほのめかし」が、政府関係者から出ていて、今回のリーク記事も日銀の審議委員辺りからの直接的なメディアへのリークではなく、政府関係者(政治家や官僚)に対しての物だったらしい。

当然、その政府関係者はこの情報をリークします。もっとも日銀も市場に対するインパクトを和らげる目的なのだから、今日のようになったということ。つまり今の日銀の体制だと、何か重要な政策変更があるときには事前にリークされるもの、と株式市場、債券市場は思っただろう。

今日の3時半からの植田総裁の会見は、本当に原稿棒読みで、気乗りしない感じだった。国際会議の場ではジョークも飛ばす人なのに、国内の会見だと本当に憂鬱そうに応えてる。それもそのはず、で結局今回の利上げに関しては政治的な圧力が相当にあったようなのだ。

引け後にも書いたけれど、本来学者である植田総裁からすれば、今の時期に利上げするというのは、どう考えても無理筋であることを分かっているとと思うんだよ。日銀総裁に就任して、独立した金融政策の主体として当然、思うところもあったはずなのだが、実際には政治や役人の雁字搦めで、経済学者らしい真っ当な金融政策など、通用しないんだな、と苦悩していたのだろう。

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政治が絡むとろくなことはない。だいたい、国内大手金融機関は財務省の役人とか政治家に「そろそろお願いします」と圧力をかける。財務省の役人といっても官邸からなにからすっかり掌握しているわけで、すぐに政治家に伝わる。もちろん見返りは天下りポストなんだけど。

そこで最終的には財務省のポチである岸田に伝わる。岸田は思い切り盆暗なので経済の話をしても金融政策の話をしても、本質を理解する能力など全くないのでね。財務省が言うんだから間違いないということで、植田総裁に「インフレ抑制のために利上げをお願いします」と言うよね。

ここで植田総裁は、その政治圧力に抗うことが出来るか否か、と言えば、日銀審議委員の合議と言う事なので、合議を誘導する、または根回しをする力もないから、不本意ではあるけれど、多数に迎合してしまう。ここが日銀総裁としての技量、器量が問われる場面なのにね。本当に日本経済のことを考える経済学者ならば、半年から1年は最低でも待つべきだと思う。デフレギャップの状況を確認してからでも遅くないし、今の米国経済の動向をもう少し見極める必要もあったはず。

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俺はただの個人投資家の端くれに過ぎないけれど、今日の利上げが早すぎることくらいはある程度論理的に理解はできるつもり。そして重要なのは、今日の日銀の政策変更(利上げ)の根拠は、インフレが継続的に2%を維持できる目途が立ったわけでもないし、愚かすぎる、岸田、茂木、河野といった自民党盆暗政治家の人気取りのためだったということ。日本の国益を無視するような形で、圧力に屈し、金融政策を弄るという日銀総裁として最大の禁じ手に手を染めてしまったということだよ。

これで植田総裁はほぼ終わってしまったと思う。今夜のFOMCでは9月利下げを示唆するだろうし、そうなると円高トレンドは決定的となり、¥150/$どころか¥130/$を目指すことになる。まさに日本経済を葬った歴史的な1日になってしまった。

好決算を連発する主力企業だけど、こうなってしまったら好決算なんか関係ないよね。もちろんそれなりの値動きは出るにしても、ほぼほぼ全企業の想定レートを割り込む動きになるのは、避けられないと思うから。今すぐではないにしても、今期中だけでも相当なレートまで行きそうだしね。

もっともこれで、主力企業の好業績の化けの皮が剥がれて、本当の企業経営力が試させる状況になることは、ある意味好ましいことだと思うし。さて、FOMC後のドル円の動きがどうなるか、楽しみだけどね。