株式市場の今後の見通しを考えてみた!

株式市場の今後の見通しを考えてみた!

なぜ、金曜夜間の日経CFDが下落したのだろう?個人的にはSOX指数が下落し、NVIDIA株が利食いされて▲0.84%下落したから、日本の半導体関連株が売られるという判断だったのかもしれないと思ってる。特に、12日の東京エレクトロン決算に対する警戒感があるのだと。

東京エレクトロン株は、今年4月に高値¥40,860を付けて以来、現在¥23,250と低迷している。これは好業績を叩き出し金曜に遂に¥10,000を突破したのとは対照的な株価の推移だ。半導体製造装置関連は、スクリーン、レーザーテックと株価は低迷していることと併せて考えると、今期は対中輸出規制の影響が相当に出ていると思って間違いないと思う。

同じ装置関連のASMLが低迷したのと同じ原因だろうし、米国のそうした姿勢はトランプ政権になっても変わらないだろうと思われるから。半導体業界は、インテルもサムスンも低迷していて、さらにTSMLは7nm以下の半導体を中国には提供しない(出荷停止)と発表したことで、懸念は高まった形。これは明らかにトランプ政権移行を意識しているものと思われる。

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もう一つ気になることと言えば、トランプ銘柄と目されている防衛関連、特に重工、川重、IHIの防衛3社の株価だけど、個人的にはトランプ政権が新たな指針を出すまでは、一旦小休止となる可能性が高いと思っている。3社ともに高値圏での決算攻防が終わったタイミングだけど、日本の政治状況を考えると来年度予算審議でさらなる予算拡大は望めないだろうということがあり、重工の通期据え置き決算で、ある程度先が見えたタイミングなんじゃないかと思うからね。

自動車関連は相当に厳しい状況が続く。いうまでもなく日産の今後は絶望的とも言える状況だし、ライトハイザーが通商代表に再登板すると言われていて、EV低迷に加えて米国への輸出関税の問題が絡んでくる。業績は決して悪くないホンダの株価低迷が象徴しているように、景気後退懸念もあいまってしばらくはダメだろう。

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となると、今後の展開としては、金融セクターと言うことになりそうだけど、JPモルガンが株価急騰してもPER14.58であることを考えると、現在¥1,768.5でPER15.95の三菱UFJは、今回好決算を叩き出しても、年内¥2,000に届くことはまずないという感じはする。それでも三井住友はPER13.17でみずほFGはPER11.57であることを考えると、持ち合いからもう一度上値をブレイクする可能性は高いと思う。

だがいいことばかりでもなくて、米国長期金利の上昇はますます中小銀行やノンバンクの財務を溶かすし、住宅や自動車、クレジットカードのローン金利を押し上げることになるので、これが米国経済のソフトランディングを妨げる公算が大と見る。とにかく消費が弱ると見るけどね。

FRBはとにかく年明けの短期国債のロールオーバーを成功させなければならないという苦しい立場に追い込まれている。トランプとパウエルの確執が取りざたされているけれど、問題はイエレン財務長官が急増した短期国債の借り換えを進めることが出来なかったという点にある。なので年明けのロールオーバーは短期国債に依存せざるを得ないわけで、財政的にはなんとか金利を下げての借り換えを目論んでいるわけだが・・・。

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ここが米国金融の一つの山場になることは間違いない。それまでに長期金利が上昇してしまうと、あらゆるローンの需給バランスが一気に崩れることになる。それが最も怖い事態であって、恐らくそれがバフェットが弱気な理由でもあると思う。

なので、日本のメガバンクが決算相場になったとしても、上値がどの程度かは全く分からない、と思っている。

というわけで、来週は決算の最終で、日本株に対する見方は結構厳しくなっていることを考えると、はたして年末イケイケドンドンになるか?と言われると、「?」と思わざるを得ない。今、ドル円が¥152~¥153の水準でありながら、日経平均がレンジブレイク出来ないのは、株式相場自体の地合いの悪化のせい。

個人的には2025年相場は、激動の1年になると思っていて、11月、12月はその序章の始まりであると感じるけれど。トランプ・バブルの可能性もあるし、リセッション突入の可能性もある。いずれにしてもボラの拡大は必至と思うけどね。