日本株を読め!【7.8~12】上値を獲りに行くも利食いに押される週

日本株を読め!【7.8~12】上値を獲りに行くも利食いに押される週

7月5日(金)日経平均引値 ¥21,746(前週予想¥21,800)日経平均CFD ¥21,707

相場・地合い概況

イベント(G20・米中会談)通貨で、米国市場は再度FRB利下げの催促相場へ復帰、三指数(ダウ、ナスダック、S&P500)ともに史上最高値を更新した。

独立記念日をはさんで週末までにADP雇用統計の予想外の落ち込みで利下げ確率上昇で上昇したが、雇用統計がコンセンサスを上回り、利下げ期待が僅かに後退し、米国債10年物金利は2.000%台を回復し、為替は¥108.475まで戻した。

一旦のアク抜け

G20での米中会談が無難に通過となってこれが悪材料出尽くしとなり、¥22,000を前にして揉み合う展開になった日経平均株価だが、依然として円高警戒感は去ることはなく、米国市場如何という展開になった。

先週の予想は「アク抜け上昇」ということで、たまたま米-朝会談というサプライズがあったせいで、ほぼ予想株価は的中した。

出来高極小

遂に直近一か月間の東証一部出来高が、平均で2兆円を割り込み、7月に入ってからは1.9兆円と依然として低調な商いが続いている。

日本では4日に参議院選挙が公示となり、選挙戦に突入したが、与党が「消費税増税」を選挙公約としたことで、株式市場の先高観をスポイルしてしまった。

上値が追えない

米中対立は貿易交渉に関して継続協議となったものの、中国の強硬な姿勢は依然として相場の重石いなっている。そして日本の韓国に対する半導体関連材料の輸出制限の開始や、イランの核合意を無視してのウラン濃縮継続によって、なかなか上値が追えない地合いとなっている。

米国ダウ日足チャート・テクニカル

週半ばで75日線・25日線のゴールデンクロスとなった米国ダウは、5月のデッドクロスを1ヵ月あまりで解消した。これで、75・25・5の三線を上回る極めて堅調な上昇トレンドを形成している。

相場にはほとんど過熱感は感じられず、テクニカルでは下落を示唆する要因はいまのところ見当たらない。従って押したところで、極めて頑強な動きが予想され、明確な天井サインが出ない限り、上昇トレンドが崩れることはなさそう。

ただし、米中対立の再燃やイラン情勢の悪化などのリスクが注目され始めると、短期的な調整はあるが、25日線を割り込むことは非常に考えづらい状況。

日経平均日足チャート・テクニカル

7月1日に窓を空けて大きく上昇したのは、トランプ-金正恩会談をことのほかサプライズ扱いしたことによる。結果としてなかなかクリアできなかった¥21,500をアッサリと窓空けて飛び越してしまい、週末までその水準を保ったという、非常に恵まれた相場展開だった。

75日線・25日線のゴールデンクロスはまだできてはいないけれど、株価の体勢としては上昇志向であって、弱そうには見えない。

しかし、いつものことだが、出来高がない中での株価の位置であって、ここから¥22,000をクリアするのは、もうひとつラッキーなサプライズがないと・・・。週末の米国市場で為替が¥108.475まで戻しているので、月曜はGUスタートになりそう。

問題はGU後の値動きで、売られる可能性も十分にある。

来週の日米地合い予想

まず来週は、米国のトランプ大統領に翻弄される動きとなることは、まず間違いないのではないか?理由は、強硬姿勢を崩さない中国や、核合意を逸脱したイランに対して、米国の立場を示さねばならないから。

そういう意味では、またもやトランプツイートで動く相場になるだろう。

米国市場は利下げをどこまで織り込むのか?というレベルだが、0.500%の可能性を市場が維持している間は、上値を追うような展開になるだろう。まだ、0.500%は織り込めていないと思う。

一方日経平均は、米国が利下げを好感する動きとなると、流石に来週はドル円が方向転換してくるのではないか?そうなると、大きな下げの可能性は少ないものの、再度上値が重苦しい展開、すなわち現行レベルでの揉み合いに終始すると見る。

海外勢が不毛な選挙戦に対し、嫌気しないような展開になれば上かもしれないが・・・。

7月12日(金)日経平均予想

テクニカルでは堅調なれど、会談後の中国は、ますます過激になっていると言わざるを得ず、これを国賓で招待した安倍政権はやはり「外交」ではなく「社交」なのだ、と諦め気味。従って揉み合いブレイクはあっても売られる展開とみるので・・・

日経平均株価¥21,600 ドル円¥107.50

を予想する。