FOMC終了で米国経済はそろそろスタフレが意識される?

FOMC終了で米国経済はそろそろスタフレが意識される?

FOMCは、2会合連続で金利据え置きを決定したのは、市場の見込み通りの結果。でもこの後のパウエル議長会見で大きく動く可能性もあるかも。実際、政策金利発表と同時にちょっとしたサプライズが・・・。FOMCは正式に、経済成長の減速とインフレ上昇と予測!これ、もしかしてFRBがスタグフレーションを意識し始めてるということか!?

これはちょっと大きなことじゃないか?だって中銀がスタフレ予測を発表したってことだろ!まぁ、とりあえずパウエル議長の会見を聴いてからだね。なんか、とんでもないことが起きそうで・・・。(3:23am)

Advertisement

さてパウエル議長の会見でも、インフレと景気減速はしっかりと認めてた。その上で、パウエル議長は、

パウエル氏は「センチメントがかなり急激に低下していることは理解しているが、経済活動はまだそうなっておらず、われわれは注意深く見守っている状況だ」とし、「経済は健全なようだと人々には伝えたい」と語った。

ということだけど、裏ではしっかりとQTを緩めてる。

けれども株式市場はパウエル議長の発言内容をハト的に解釈した。トランプ大統領は何を言い出すか、何をしでかすか分からないけれど、パウエル議長は安定感があって信頼できると、ますますFRBを信望するようになったと思う。その方が自分たちのポジションを守れるのでは?と考えたと思うし、それはそれで当然のこと。FRBの水の方が断然甘いんだろうね。

けれども、FRBの政策は所詮データに元づく後追いでしかない。良し悪しは別にして、株式市場や債券市場と同じ基準で経済は見ていないということは、忘れないようにしないといけない。株や債券は将来を見て、それを織り込む動きになって当然だけど、FRBは足元を判断するわけだから。なのでFRBに追従するような取引をしてもあまり意味がないんだよ。

Advertisement

FRBは結構頻繁に景気判断を間違える。でもそれは足元の分析が間違っていたのではなくて予測を間違えた結果だ。今回もインフレは「一時的」と表現してるし、景気も「思ったほど悪くない」と。それを額面通りに受け取れば、「株は買い」となる。なぜなら今の下落は「押し目」になるから。その辺だよね、問題は。

先日のニュース番組「60ミニッツ」での発言とは落差があり過ぎる。世界情勢との乖離もあると思う。ドイツはロシアにビビりまくって軍事予算の予算枠外を決め、歴史的転換を実現した。もしかしたら自国で核開発・保有に踏み切るかもしれない。永世中立と言われるスイスもいま軍拡について真剣に審議している。ウクライナの停戦が実現しなければ、今度矢面に立つのはポーランドやフィンランドだろう。そんな中で、米国は貿易戦争を仕掛けているのだ。カナダ、メキシコ、中国との関税合戦はすでに始まっている。そしてあと10日余りで全世界を相手に相互関税に踏み切るとも宣言してる。

その状況下で、FRBがハト的な発言に終始したのは、「2月の時点から足元にかけてはそれほど悪くない」と言ってるに過ぎないわけで、投資家にとってはあまり意味がないと思うけどね。

個人的には、FRBがスタフレ的と認めている事実に注目している。景気は減速してるけど、インフレの先高観のお陰で利下げは出来ないということだから、この状況で相互関税の導入となれば、下手をすればスタフレ突入となってしまい、経済にとっては最悪の結果を招く。一旦そうなると消費者のセンチメントが負のスパイラルに陥ってしまう・・・。

Advertisement

今日になって少しはFOMCに関して、ネガティブ記事が出てくるかな?と思っていたけれど、皆無。スタフレを予測するような記事もニュースも出ていない。日本市場にとっては米国債10年金利低下、日本国債10年金利上昇で、ドル円が大きく円高に振れていることが、嫌らしい。日経CFDはそれほど反応していないけれど、休場なのでひたすら動きを見ているだけ。

でも相互関税が着々と迫ってくる中で、円高となれば・・・。

ここ数日間、トランプ大統領がウクライナ問題にかかりきりで関税に言及していないから株式市場はひとまず戻り相場になったけど・・・。ベッセント財務長官はお気楽に「株は心配には及ばない」と言ってるけれどね、スタフレになったらそうはいかないよ。昨日の今日で、米国金利低下とドル安。やはり景気減速懸念が勝ってる気がする。