堅調な米国4月雇用統計、株式市場は将来を織り込まない!?

堅調な米国4月雇用統計、株式市場は将来を織り込まない!?

4月米国雇用統計が強く、GAFAMの決算も総じてコンセンサスを上回る内容で、米国市場の上昇が止まらない状況になったと同時に日経CFDもとりあえず引け時点で¥37,181と現物の75日線(¥37,150辺り)を上回った。日米株式市場ともに、トランプ関税発動とその後の税率引き上げ騒動勃発の時点まで、ほぼV字回復を達成したということになる。

これは本当に予想外、というかここまで景気に対して楽観的になれるものなのか?と感心せざるを得ない。特に相変わらずにわかには信じられない雇用統計の数字は、最近ではコンセンサスからほとんどブレることにない数字となっている中、4月も例外ではなかった。

何故事前に漏れることのない統計数字に対して確実に予想が出来るのか?これは全く理解の外だ。恐らく統計調査のシステム的に悪化する数字が出にくくなっているとしか思えない。同じ雇用でも正社員、パート、アルバイト等いろいろあって、最終的な集計では同じウエイトでカウントするわけで、その手法にはここ数年疑問を感じてきたけれど、とにかく雇用の悪化は4月でも見られないってちょっと信じられない。

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でもそのことを、株式市場は非常に好感して株価は上昇したけれども、世界景気は悪化しつつあるし米国経済もまた1ー3月がマイナス成長に転落している中での株高というのは、相当に楽観的と言わざるを得ない。

雇用統計が良好だったということを市場はネガティブ視しても良かった。というか、どう考えても悪材料だろう。なぜならば、これでGW明けのFOMCで利下げする要素はほとんどなくなったからだ。トランプ大統領がいくらイキんでも、パウエル議長は利下げしない、というか関税を引っ込めない限り出来ないだろう。

雇用統計を受けて株式市場だけでなく、米国債10年金利は下がるどころか大きく上昇してしまった。所謂リスクオフの形だ。米国債大量償還を目前にしての金利上昇は、つまり現時点では、トランプーベッセントの金利低下政策はことごとく失敗に終わったということになる。

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そのことを多少意識していたのはドル円のみで、雇用統計発表後は¥143.72まで突っ込んできた。しかし株高を背景に¥144.92まで戻してしまったこともトランプにとっては逆風となる。株も債券も、そして為替も全部トランプ政策をあざ笑ってる。これは相当にトランプ政権にとっては頭が痛いだろうし、ちょこちょこイエレン辺りが退任したにもかかわらずいろいろ言ってるしね。(トランプは)相当にムカついてると思うよ。

でも、こうした動きが強まれば強まるほど、米国への信認は薄れてゆく。5月、6月で1400兆円の国債を高金利でロールオーバーしてしまったら、それこそ此の先ドルへの信認は薄れるばかり。もちろん米国債金利は上昇してしまうだろうし、いつ高インフレが再燃してもおかしくない。

第一弾は今月15日の約90兆円の償還から。その次は確か30日辺りだったかな。そこからはもう臨戦態勢になるぞ!