韓国金融危機:1ドル1200ウォン突破で金融崩壊か?
- 2019.08.04
- 海外情勢
2019年8月2日、韓国ウォン相場の対ドル下落傾向は止まらず、一時1ドル1207.69ウォンの安値を付けた。文政権になってから経済政策も無策で、最低賃金の大幅な引き上げで失業率も上昇、主要な輸出先の中国経済の悪化も要因の一つ。内需の少ない輸出依存国家である韓国は、1200台を避けるため、韓国の中央銀行は市場で積極的な介入を行ったが、ウォン売りの圧力が強く防戦できなかった。
3度目の通貨危機の恐れがより一層色濃くなってきた。来週のマーケットで、さらにウォン安が進むのではないかと見る銀行のトレーダーも多い。(GLOBAL NEWS ASIAより引用)
週明け波乱の韓国金融
韓国のウォン安の歯止めがかかりません。引用記事の通り、当局の為替介入で8月1日まで死守していた1,200ウォン/$の壁が遂に突破されて仕舞いました。
現在インターバンク市場では、米ドル不足から信用の低い銀行は大変な金利負担を余儀なくされています。そして日本が韓国に三種類の化合物の輸出規制を発動して以降、韓国プレミアムが徐々に上昇を始め、2日のホワイト国除外の閣議決定で、ウォン安に拍車がかかりました。
そして遂に韓国金融当局の防戦(為替介入)にもかかわらず、当日のうちに1,207ウォンに達してしまいました。
1ドル1200ウォン突破で資金流出が始まる
2008年9月のリーマンブラザース破綻の直接的原因は、6兆ウォンの出資(6000億円)を宣言していた韓国産業銀行が9月2日に突如出資をキャンセルしたことだと言われています。
これが原因でリーマン株は急落し、結局9月15日に破綻申請を行うことになったわけです。
そしてリーマンショックの影響が脆弱な韓国経済に波及し、2008年10月には1,200ウォン/$を突破して信用不安に陥り、金融危機化しました。以来、1,200ウォンは韓国経済のボーダーラインと言われていますが、今回これを死守できなかったことで、韓国からの資金流出が加速する可能性が高いです。
そうなると現在の韓国経済は金融危機に陥ることになる・・・。
文政権は全くの無策
文政権は日本の輸出管理の変更に対して、経済的な防衛策をほとんど講じていません。ホワイト国除外に関しても8月28日施行ということで、ある一定の猶予を持たせた格好ですが、まったく反日を止め歩み寄る素振りは見られません。それどころか日々、国民の反日感情を煽り日本政府に対して抗議を繰り返しています。
そんな中、文政権の金融当局は可能な限りの為替介入を行ったと見られますが、ドル売りウォン買いで介入すればするほどにドル準備比率が低下してしまうというジレンマに陥っていると思われます。
韓国は外貨準備の余裕が極めて小さく、そのためにドルスワップ、円スワップ、人民元スワップで凌いできたわけですが、円スワップは2018年に期限切れとなって以来、日本側の申し出も拒否すると言う強気の姿勢でした。
ドルや人民元では枠がそれほど多くなく週明け韓国金融は危機的状況に突入することになりそうです。
韓国銀行の信用状(LC)保証は日本のメガバンク
韓国経済のGDPに対する貿易依存度は67%(2017年)で、輸出立国です。従って素材や食料品の輸入には信用状(LC)が不可欠ですが、貿易相手国は外貨準備不足や対外債務のために韓国の信用状を受け取りません。
それを信用保証しているのが、日本のメガバンク3行なのです。特に三菱UFJが大きいと言われています。
つまり、実質的には韓国企業に対する債務保証を付けているという優遇措置なのですが、それが日韓のホワイト国除外合戦でどうなるのか、注目されています。
ただし、邦銀としても日本政府が毅然とした対応を行う中で、独自に信用保証するとは考えづらく、仮に停止となると韓国経済は一気に破綻する可能性もあり、邦銀は苦境に立たされています。
外貨準備のない韓国銀行
韓国の外貨準備は約4000億ドルと言われていますが、これも現実的数字ではないという声が多いです。また韓国は同等の対外債務国であって様々な状況を考慮すれば現実的なのは1000~2000億ドル程度ではないか、と言われています。
サムソンの売り上げ規模が約2200億ドルであることから、サムソンの業績低下だけでも極めて厳しいダメージを受けることになるでしょう。
つまり、慢性的に韓国銀行ではドル準備はないという状況です。
韓国金融危機なら邦銀へ飛び火
週明けのドル・ウォン相場の動きによっては、韓国金融危機が現実のものになる可能性があります。まして韓国金融当局の為替介入余力がないと海外投資家に判断されてしまうと、ウォンの下落は止まらなくなりそうです。
さて仮にそうした事態が予想できると、邦銀へ飛び火する可能性も無視できません。邦銀が信用状(LC)の保証を停止してしまえば韓国はドルによる前入金で輸入しなくては成らず、そかもその場合はウォン安の影響をもろに受けてしまいます。
そうなれば、民間の輸入が止まり、原材料を輸入できないため輸出も止まるわけで、経済は完全に破綻して仕舞います。
週明け韓国危機に要注意
上記に米ドルとウォンのリアルタイムチャートをリンクしておきました。韓国がこの週末に反日的な態度を強めている以上、週明けにもウォン安は止まらない可能性があります。
日韓の貿易制限に関して、日本側の影響は軽微、といった記事も見受けられますが、それは余りにも近視眼的な見方でしょう。
来週以降、韓国と関係の深い企業の株価は影響を受けることになりそうです。
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