トランプ大統領激怒!世界同時暴落(株安)が来た!本番は9月だが・・・

トランプ大統領激怒!世界同時暴落(株安)が来た!本番は9月だが・・・

ジャクソンホール会合(年次経済シンポジウム)でのFRBパウエル議長の発言は、非常に慎重なものとなったが、内容を精査すると(FRB政策に介入する)トランプ大統領に対する反感がにじみ出ている。

パウエル議長講演の要旨

パウエル議長は貿易戦争が企業投資や信頼感への障害となり、世界経済の悪化につながったとすれば、FRBはすべてを金融政策で修正することはできないと明言。加えて、

「現在の状況に対する政策対応の指針となる直近の前例は存在しない」とし、金融政策が「国際貿易に対して整ったルールブックを提示することなどできない」とした。(ロイター記事より引用)

この発言はFRBに対し強行に大幅な利下げを要求するトランプ大統領へのメッセージで、(貿易戦争による)著しいリスクの直面しているとしながらも、

「力強い労働市場と対称的な2%目標に近いインフレを伴う景気拡大の維持に向け、適切に行動する」と述べた(ブルームバーグ記事より引用)

従って議長は9月の25bp利下げには言及しなかったわけだが、株式市場はおおむね9月利下げを示唆と受け取っていた。

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中国の報復関税発表

中国は23日、合計750億ドル(約8兆円)相当の米国製品に追加関税を課すと発表した。トランプ米大統領が発動を計画する対中関税第4弾に対する報復措置。

中国政府の発表によると、報復関税の一部は9月1日に発動され、残りは12月15日に導入される。これは米国側が総額約3000億ドル相当の中国製品に10%関税を導入するとしているスケジュールに呼応している。

来月発動されるのは米国産の大豆と原油に対する5%の追加関税。12月15日には米国からの輸入車に対して25%の関税が再開される。一部の車種には10%が上乗せされる。自動車に対する既存の一般的関税を考慮に入れると、米国車にかかる関税率は最高50%になる。(ブルームバーグ記事より引用)

中国はジャクソンホール会合のパウエル講演にぶつけるかのように同時刻、米国関税発動に対する報復関税を発表した。

今回の発表は、米国の農産品にたいして重点的に課税するとしていて、もちろんこれは共和党の支持基盤である中西部の農業地帯を直撃するものであるとともに、G20大阪でのトランプ大統領と習近平の合意を完全に破るものだ。

そして明らかに2020年の米国大統領選挙におけるトランプ再選の阻止を目論んだ政策である。

中国は今回の報復措置によって、米国(トランプ大統領)との対決姿勢を打ちだした事になる、と解釈すべきだ。トランプ大統領は株式市場の反発局面で、「中国は報復してこないだろう」とツイートしていた。

もちろん株価を戻すいつもの作戦でもあるわけだが、実際に電話会談を米中で重ねている最中でもあり、市場の懸念は和らいだ。

しかし、今回の中国の発表は、完全にトランプ大統領の神経を逆撫でするものだ。

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トランプ大統領激怒!

こうした展開の中で、トランプ大統領はFRBパウエル議長の講演内容に対して不満を爆発させ、なお中国の報復関税に対しては完全に激怒しただろう。

FRBパウエル議長批判

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「相変わらずFRBは何もしていない!私が何をしているのかも知らず、私に尋ねることもなく、『講演する』など信じられない」と批判した上で、近く何らかの発表を行うことを示唆した。(ロイター記事より引用)

トランプ大統領の従来からの不満は、FRBがトランプ政権や米国議会の対中政策を考慮せずに、金融政策を決定していることにあった。

将来起こりうる米中の貿易上のリスクや、米国が中国に要求している知的財産権問題、資本の自由化問題に対して、中国がどのような対応にでるのかということをFRBは事前にリスクをヘッジする政策は取らない。

伝統的にFRB(や各国中銀)の金融政策は、「雇用」と「物価安定」のために行われるものであって、財政政策や外交とは独立したポジションである必要がある、という考え方をしている。

しかしトランプ大統領はそうした後追い的な金融政策に対し、大いに不満を感じているし、現実にトランプ大統領の意見が正しく、金融政策が常に後手後手に回っているのは明らかな事実だ。

「唯一の質問は、われわれにとってパウエル氏と習氏のどちらがより手強い敵だろうか」と述べた。(ロイター記事より引用)

これはトランプ大統領の本音だろう。

仮にトランプ大統領の言う通り大幅な利下げを行っていたら、ドル安誘導となり米中貿易戦争での米国のポジションはここまでエスカレートする必要がなかったのかもしれない。反対に大幅利下げを実施した場合のリスクは限りなく小さい。

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対中金融制裁を繰り出すか!?

トランプ大統領は「米国は中国を必要としていない」と攻撃、米国にとって「中国が無い方がましだ」と述べた。ツイッターへの投稿によると、大統領は米企業に対して中国での生産に代わる計画を模索し始めるよう「指示した」(ブルームバーグ記事より引用)

トランプ大統領の中国に対する怒りの最大の要因は、共和党の支持基盤である中西部農業地帯と米国自動車産業を完全にターゲットにしていることだ。

現実に米国産の農産物は在庫の山を抱えていて、自動車産業は厳しい状況に直面しているわけで、トランプ支持票が相当数民主党に流れると世論調査は予測している。

つまり、中国は2020年の大統領選挙でトランプ大統領が再選されない方向にターゲットしてきたと言える。そうなってくるとやはり、トランプ大統領は短期決戦に臨まざるを得なくなってくる。

 

今回の出来事でトランプ大統領は(短期決戦の)腹を決めたと思う。そしてトランプ大統領は今日中(23日中)に中国に対し制裁を発表するとしている。

それがもしも金融制裁含みと言うことになると、いよいよ全面(経済)戦争に突入する可能性が高くなる。

(23日、トランプ大統領による報復関税は以下のように発表された)

トランプ米大統領は23日、2500億ドル(約26兆円)分の中国製品に課している制裁関税を10月1日に現在の25%から30%に引き上げると発表した。さらにほぼすべての中国製品に制裁対象を広げる「第4弾」については9月1日に15%を課すと表明した。従来は10%の予定だった。中国の報復関税への対抗措置で、世界経済の重荷となる関税合戦が止まらない。(日経新聞より引用)

本番は9月だが・・・

米中貿易戦争がエスカレート、日韓関係も韓国のGSOMIA破棄で28日ホワイト国除外は決定的、EUではイタリア国債暴落、そしてドイツがマイナス成長という状況でブレグジット。

こうした懸念が控えている以上、9月はリーマンショック級またはそれ以上の危機的状況に至る可能性が非常に強いわけだが、明らかに今夜の米国株式市場暴落はその前兆となるだろう。

いずれにしても世界同時暴落(株安)は、危機的状況にまで進むことが避けられそうにない。

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