米国市場はまだ上がある?:日本株を読め!【11.25~11.29】

米国市場はまだ上がある?:日本株を読め!【11.25~11.29】

11月22日(金)日経平均引値 ¥23,112 (前週予想¥23,100)日経平均CFD ¥23,169

日米市場現状

懸念されていた香港・区議会議員選挙は今日、予定通り行われた。投票の締め切りは日本時間の午後11時30分ということで、結果はまだ分からないが、親中派、民主派の評は拮抗しているという情報もある。

もちろん、この選挙は、香港の行政長官選挙への影響は僅かしかなく、また区議に立法権もないので、さほど香港民主化に影響のあるものではないにしても、民主派が勝利すれば、今後の香港統治に影響が出ることは確実となる。

投票が予定通り行われたことで、株式市場に対する影響はない、と言うことになったが、月曜は米国市場休場となるため、結果を反映するのは日本市場が最初と言うことになる。

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米国ダウは上を見てる

米国ダウは、史上最高値を更新しまくってなお、上値をうかがうような体制であることは、まず間違いないと思われる。既に株高によって消費に対するポジティブな影響は出るだろうし、住宅関連指標は上向いている。そして失業率は雇用統計に含まれない層(無業者:就職活動をしない層)の雇用が進んでいると言われていて、全体としての失業率は7%を切る勢いと言われる。

そうなってくると、小売り売上高は伸びると予想されるため、製造業以外の景気指数は堅調ということになる。

米国は株高が景気を左右すると言われていて、またGDPに占める輸出割合は5%以下であることを考えると、既に米国経済は米中貿易戦争の影響はほぼ受けないと言うことになる。

つまり、米中合意がなされようが、破談に成ろうが景気に対する影響は実質的にはほとんどないはずだ。

香港人権法案にトランプは拒否権?

米国の上院で香港人権法案は可決され、そのまま下院は承認してトランプ大統領に提出された。議会を通過した法案は、10日以内に大統領は署名する必要があり、同時に10日以内に拒否権の発動をする必要もある。仮にこの法案をディールのカードに使うのであれば、「10日以内」というのがキーになってくる。

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現時点ではトランプ大統領は「米中合意は極めて近い」と発言していて、恐らく今週中には決着すると思われる。なので、合意までは香港人権法案の署名はしないだろう。いずれにしても、ここでドタキャンとなれば、株式市場はそれなりに下落することになるにしても、その場合でも米国市場は戻るのではないか?

しかし、日本市場が戻れるかどうかは微妙である。日経平均は既に天井打ちしたことは確実で、目先は調整入りだろう。しかし、合意の場合は文句なしに揉み合いを離れる可能性が高い。

米中合意は今週中か!?

現時点では既に米中合意内容の交渉余地はほぼないと思われ、後は(米国側としては)トランプ大統領が現状の条件で合意するかどうか、にかかっているのだと思う。その内容は米国にとって予想以上に妥協的なものだろう。しかし、トランプ大統領は、「(米国が)貿易赤字国なのだから平等な合意はあり得ない」と発言している通り、現状の合意案でさえ、いまのところ中国はYESと言っていない。

従って最終的には、中国の要求をトランプが飲むか、または米国案を習近平が承認するかのオルタネイティブであると思われる。だからこそ、香港で何か起きれば、影響が出てしまう可能性が高いと言えるのだが・・・。

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米国ダウ日足チャート・テクニカル

25日線乖離、75日線乖離の状況からして、この局面は普通であれば調整突入とみて間違いないとは思うが、米中合意期待が相場を完全に支えている。よって、来週中にも米中合意となれば、一旦は上値を追って目先の天井を付けに行く可能性が高い。

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ここまで来て、米中合意はないとなると、それは今後の株価に大きな影響が出ると思われ、その場合には米国は、中国に対して強硬な態度に出るだろうし、当面の天井を打つことになる。

がしかし、合意の場合でも内容の評価によっては、上値を追った後に利益確定の動きになるのは間違いないが、時間(合意の時期)を予想することは難しい。いずれにしても米国市場は、多くの投資家が決算を前に利食いしたくて仕方ない、と言った状況にある。

日経平均日足チャート・テクニカル

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一方日経平均は、米国市場よりも調整色が強い相場になっている。現在の日経平均¥23,112というのは、PER14ということで、一旦は調整する場面に間違いない。しかし、米中合意となると、急騰することも十分にあり得るわけで、結果として来週は合意になれば直近の高値を超えてくるだろう。

しかし、その水準は日経平均にしてみるとかなりの高値水準となるわけで、通期の決算や日本経済の状況を加味すれば、¥24,000は無理筋のように見える。従って、企業業績からしても米国市場よりもパフォーマンスが低いのは当然であって、物色の対象を変えての高値追いも十分にあり得る。

日経平均はPER14水準を超えてきたが、全体として水準訂正ができるかどうかがカギになるような気がする。

11月29日(金)日経平均予想

日米市場ともに高値圏であって、そこで米中合意の行方という材料が相場を牽引しているとすれば、双方ともに米中合意の決着如何にかかっている。少なくとも来週は、期待感がある限り、また香港情勢が緊迫しない限り、現値を割ることはないのではないか?と考える。よって、来週の日経平均株価は、

日経平均株価 ¥23,700 ドル円 ¥109.50

を予想する。

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