セルインメイの起点となる週:日本株を読め!【5.18~5.22】

セルインメイの起点となる週:日本株を読め!【5.18~5.22】

5月15日(金)日経平均株価¥20,037(前週予想¥20,100)日経平均CFD¥20,036

日米相場概況

日米市場ともに、よくぞここまで戻ったという印象。特に米国ではNASDAQの好調ぶりが際立っていて全体相場をけん引しているし、日本市場は日銀のETF買いという介入によって下支えされているという特殊要因がある。

ただし日米ともに、経済活動の部分的な再開とはいっても、通常レベルに対して僅かであって、依然として消費が回復すると言う目途は立っていない。

米国市場

米国ダウの5月15日現在でのEPSは$1,185であり、PERは20.0となった。すでにこのPER水準は、2019年の高値水準の鞘寄せしているのであって、現状の$23,685というのは、戻りいっぱいの水準であることは、ほぼ間違いないと言える。

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しかも2019年よりも格段に経済状況は悪化しているわけで、巷には失業者があふれていて、個人消費も悪化したままの状況がある。ここまできてここから上値を追いかけるというのは、個人的には完全にバブルの域であると思う。

とにかくFRBのQEが、株価を後押ししていることは確実なのだが、ここまで来ると新型コロナ収束への期待感とはいえオーバーシュートだろう。

日本市場

日経平均の5月15日現在でのEPSは¥728.64にまで落ち込み、PERは27.50と急騰した。今季予想EPS、PERはどの程度になるのか各社が業績予想を回避している中なので、皆目見当がつかないが、それでも前期よりもかなり劣ることは確実で、しかもそれがかつてなかったような状況に陥る可能性さえ濃厚な現在、現時点での日経平均¥20,000は、残念ながら戻り高値になる可能性が濃厚と見る。

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漠然とした感覚論でしかないのだが、現在の株価は「糸の切れた凧」のように大空を目的地もなく米国市場という風任せに漂っているようなもの。少なくとも、世界の流れが戻り相場から再度現実のファンダメンタルズを織り込む相場に転換すれば、恐らく¥14,000、¥12,000の大底を目指す展開を想定している。

米国ダウ日足チャート・テクニカル

4月29日に$24,764まで戻した米国ダウだが、その後は揉み合いながら実体経済のファンダメンタルズを意識してジワジワと下落タイミングを伺うかのような動きになっている。そうしたタイミングで、いよいよトランプ大統領は対中批判を強め、「断交も可能」というニュアンスを匂わせた。また米国議会はウイグル人権法案を可決し、中国に対する圧力を強めている。

恐らく今後は、一進一退を続けて収束の目途が立っていない新型コロナの状況とともに、対中圧力が株価の重石となって、圧し掛かってくる展開になると思う。

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また、今後の世界経済は、米国の国内経済も含めてさらに悪化の色を強めると思われ、恐らく4月29日が戻り高値($24,764)だった、ということになるはずだ。来週以降、ヘッジファンドは6月の決算に向けて、ある程度の益出しが必要であって、この相場の揉み合いは十分にポジション調整をしていると読む。

テクニカルでは戻り高値が75日線までと読んでいたが、三線の接近とともに大きく下落する可能性が高まったと判断している。

日経平均日足チャート・テクニカル

日銀が介入しているとはいえ、現在の日経平均株価はある意味(PERベース)では恐ろしく高い位置にある。新型コロナの感染状況が非常に良好な数字ということで、その部分を評価されてはいるものの、企業業績という意味では世界経済の影響をダイレクトに受ける日本株なだけに、このまま楽観が通用するとは思えない。

なので、「セルインメイ」は生きているだろうし、来週以降主要企業の決算が一段落するタイミングでの急落場面を想定すべきだ。

とにかく今回の新型コロナの影響で、PER27.50まで持ち上がった株価は、水準訂正されるだろう。その筆頭が自動車セクターかもしれない。また売りこまれた金融セクターも今後は警戒されるはずで、そうなると国内資金は小型株へと向かう可能性が一段と強まるかも。好業績のシステム系が狙い目になるかもしれない。

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5月22日(金)日経平均予想

日米株価は、緩やかな天井を形成するソーサートップの形になるのではないか?そして、新型コロナ感染拡大の経済に対する影響が徐々に鮮明になってくる過程で、ジワジワと下落するようなそんなイメージを現時点では持たざるを得ない。

そしてある時期を境に株式市場のネガティブファクターは、新型コロナ+米中対立に移行するはずで、そうなると戻り好調な半導体セクター、電子部品セクターへの影響も避けられなくなってくる。

仮に決算終了後、3月末ベースの日経225EPSが¥700程度であると仮定すれば、ネガティブファクターで先高感が否定されるようならば、PER15、日経平均¥10,500が可能性としてあり得る範疇になるだろう。

ここから5月末まで、株価下落の起点になる可能性がある。したがって5月22日(金)の日経平均株価を、

日経平均株価 ¥19,300 ドル円 ¥105.50

と予想する。

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