新型コロナと中国を意識する週:日本株を読め!【7.6~7.10】
- 2020.07.04
- トレード予想
7月3日(金)日経平均株価 ¥22,306(前週予想¥21,500)日経平均CFD ¥22,217
(米国)
「背に腹は替えられない」というのが経済と新型コロナを天秤にかけた米国連邦政府の方針。このまま新型コロナ対策をしていたら、財政赤字がとんでもないことになってしまうという危機感(すでにとんでもないことになってるけど)や、危機的状況に陥った大企業を救済するにも限界があるし、ということで経済を優先させることにした。
連邦政府がそういう方針なら州政府も、新型コロナ感染防止対策は行き届かず、もちろん財政的な余裕もない状況なので、相乗りしてもいいかなとなった。たとえ感染者が増えてもそれって(連邦政府)トランプ大統領のせいだって言えるからね。でも連邦政府は州政府の責任で、と感染対策の実行はCDCと州に丸投げ状態だから堪らんよ。
大統領がマスクしないのに、マスクの義務化(テキサス)したっていうことを聞きやしないわな。
というわけで米国では1日、2日、3日と3連発で5万人超えという独立記念日を祝えないような週末となった。
一方、経済は好調に回復していることを示す指標が出まくった。その結果株式市場はどうなったかといえば、「新型コロナの感染者は若者なので増えても問題なし。やはり経済が好調のほうがいい」という楽観と「尋常でない増え方してる新型コロナが消費を蝕んでる」という悲観が、がっぷり四つに組んで膠着してるね。
ならば次に動くのは、対中政策で特に貿易関連の制裁とか出ると、下に動きそう。逆にFRBが今の状況を早期に取り除こうとすれば次の手を示唆して上に動く。ただそれだけの事なんだな。
(日本)
日本市場は(俺が)気付かぬうちに、内需の厳しい選択が始まってた。特に小売りでもネットと実店舗では雲泥の差。外食もダメでそれらはみな3月の大底に接近しているし、いくつかは突き抜けてる。かなりというか日本経済は、これだけ見ても危機なのだ、いや崩壊の入り口かも、ということが分かる。
飲食店なんか、営業自粛で赤字、営業再開で余計に赤字が膨らむ。だったら再開しないほうがいいのよ。ここはじっくりとできるだけ赤字を減らして経費や家賃を削減して次の戦略を考える。そうしないで、はしゃいで営業再開したらますます自分の首を絞めるだけ。
というわけで、日本経済は特に実店舗営業はもうダメでしょう。ということはデパートも飲食店も飲み屋も、夜の接客も旅行も旅館業もダメ。第一お金を貯めこんだ団塊の世代が新型コロナにかかるとバタバタと逝っちゃう恐怖があるからね。
半面、輸出は回復が早いと言ってるけど、今の株式市場を支えてるのは「半導体関連」のみか!?激動の半導体市場だけど、米国ではインテルの凋落とAMDの逆転劇があったり、台湾TSMCを韓国サムスンが追い越すとホラを吹いてみたり。でも実際は相手にならないほどTSMCがリード。
って輸出を見ても結構相手先では戦国時代なのに、日本企業は半導体ダイレクトはソニーだけだから。あとは外資だしね。にもかかわらず、輸出全体が底上げされたので、後はここから上に行く企業と落ちる企業に分かれるかもね。
もうじき小型株にも決着ついちゃうだろうし。
(中国)
さて中国のことを書き出すととんでもなく長くなるので、3つだけポイントを書いておくことに。
① 香港ドルのドルべッグを米国が拒否するか否か
② 大量の毛髪に偽金塊・・・次は偽ドル?
③ 中国国内経済がもうダメと認識してキャピタルフライトが起こるか否か
トヨタが中国から撤退すると経産省に打診したら経産省は激怒らしい。補助金出すといっておいていざとなるとこうなって・・・。でもね、香港ドルのドルペッグを否定したら、それこそ人民元は紙くずになっちゃう?まぁ、(中国が)本当にヤバくなるとビットコインが200万くらいいっちゃうかな?(苦笑)
NYダウ日足チャート・テクニカル
米国ダウの上値を抑えているものは、明らかに日々悪化している新型コロナ感染者数だと思う。なので上値のレジストエリア($26,100~$26,400)を赤線で示した。矢印で示したように6月23日に再度の短期DC(5日線・20日線)となっていて、戻りを試した7月2日は上髭で25日線を拒否された格好。なので、赤線を超えるには時間がかかるか、相応の理由が出てこない限り難しそうだ。
しかも6月5日~10日までの日足4本がアイランド・リバーサルとなっていて、11日には出来高を伴った大陰線が出現していて、現行株価はその範囲を脱出できていない。さらに6月29日の陰線、26日の大陰線もまた同様の出来高を作っているわけで、となると$26,300~25,000の出来高は非常に多く、したがって今後$25,000が強烈な下値のレジストラインになるわけだが、ここを割り込むようなセンチメントになれば、75日線も役に立たない恐れもある。
そうなる可能性としては新型コロ感染が増え続け、その上米中対立が鮮明になれば十分だと思う。
日経平均日足チャート・テクニカル
日本市場独自の動きとはならずに、基本は米国ダウ追従の日経平均もまた、6月24日に短期DC(5日線・20日線)となってもみ合ったままの状況。なのでこの青線は日本のコロナ感染状況ではなく、米国のそれであって、¥22,700~¥22,000でレジストエリアを形成している。
これまた米国同様にDC後、20日線が下向きになっていることから、来週は下落圧力が強い週といえるのではないか?
特に来週は国内の新型コロナ感染者数の増加に歯止めがかからないことが予想されるので、来週の後半には日本市場独自の動きが出てくるかもしれない。来週に限らず下落トレンドになった場合の下値目途は¥21,500と誰もが思うだろうけど・・・個人的には国内経済のリーマン以上の悪化が、その程度の調整では済まないことを物語ってると思っているが・・・。
7月10日(金)日経平均予想
米国では3日連続の新型コロナ感染者5万人超となったあと、4日(独立記念日)、5日(日)と検査数が減少するために感染者数は減少するだろう。が、6日(月)7日(火)と再び高い水準に戻り、300万人という節目を迎えることになる。
すでに、米国50州のうち37州で感染拡大傾向になっているわけだが、トランプ大統領が言うように「検査数が多いから感染者が多い」のではなく、むしろ検査数が圧倒的に足りないという状況がある。なぜならフロリダやテキサスの現時点での陽性率は10%以上と跳ね上がっているからだ。
なので米国の感染者数は少なくとも向こう1か月間は減ることなないと思われる。
さらに東京の感染者数はすでに危機的状況に突入していると思われる。つまり、休業補償をまともにしなかったことで、営業しないと生活できないというバイアスがまともに働いているからだ。これは夜の街だけでなく、客商売すべてに共通した問題なのだ。
しかも、休めば赤字、コロナ対策をして営業再開してもさらに赤字、となってしまうジレンマがある。したがって営業を再開すればするほどに日本経済の状態は悪くなる。
そうした状況の前触れが来週の株価い反映されると思うので、7月10日(金)の日経平均株価は、
日経平均株価 ¥21,500 ドル円¥107.00
を予想する。
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