米国の悲劇はバイデンが当選すること

米国の悲劇はバイデンが当選すること

いよいよ米国大統領選挙が目前に迫った。多くの日本人にとって米国大統領選挙は他山の石だろうけど、株式投資を齧ってる人にとってはまさに今後の投資を占う天王山なのだから、無関心でいろ!という方が無理な相談だね。日本市場には11月2日(月)というリポジの猶予がある。週明けの月曜には大統領選挙向けのポジションを建てるかヘッジをするか、はたまた一旦手仕舞いをするかの時間が残されているということだよね。

そこで、今現在、俺が考えている二つのシナリオを(よくある記事になってしまうけど)書いてみることにした。シナリオは2つしか考えない。基本的にそのどちらかでポジションを月曜に確定しようと思ってるわけだが、その辺のことも少し書きます。

2020年米国大統領選挙の2つのシナリオ

このところずっと、米国のメディアを中心に盲目的な報道しかできない日本のTV、新聞メディアも含めて民主党有利、バイデン候補圧勝か?という論調の報道が繰り返されているよね。日本のTVも新聞も米国支局はあるのに、まったくまともな取材はしてないみたいで、本当に根も葉もない報道ばかりしてる。

あんなの見てると、海外特派員というのはいい給料もらって楽に海外で生活体験ができるわけで、ある意味天国って感じだよね。グローバルな志向のある人にとっては毎日が天国なんだろうねぇ。TVに出演しているときの表情は総じてボケてるし、コメントも本番前にCNNを見ておけばできるようなものばかり。何しに行ってるのかさっぱりわからん!

で、俺は日本にいるだけだけど、投資のために株式市場の地合い調査のためにできるだけ、いろいろなソースを調べてる(と言っても限られるけど)。そんな立場から見ても日本の報道はまともじゃないし、国内の些細な事件でさえ評論したり意見したりするくせに、大統領選挙に対しては自己の予想(意見)とその根拠は全く言わないんだよ。

でも国内投資家は、そういう報道ばかりで盲目的にバイデン候補の勝利を前提にしてないか?ってことだよ。俺が良く参考にするブルームバーグなんか、この大統領選挙に関してはCNN並みに民主党寄りの記事ばかり掲載してるしね。まぁ、一度は民主党から選挙に出ると社長自らが表明した経緯もあるから仕方ないと思うけど。経済ニュースではいい記事が多いだけに、同様な感覚で見てしまうと大統領選挙に関してはちょっと怖い。

いずれにしても、俺は2つのシナリオしかないと思うんだ。

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トランプ大統領圧勝(2016年の再現)

まず、大統領選挙では選挙人の獲得がすべてなのであって包括的な世論調査はあまり意味がないことは、2016年の選挙で皆分かっているはずなのにね。けれども反トランプのメディアは平均して10ポイントのバイデンリードを譲らないんだよね。それはメディアの思い上がりというか、世論はメディアが形成するもの、みたいな驕りがあるんだろうね。

けれど、米国民ってそんなに簡単に流れるものじゃない。言い方は悪いかもしれないけれど、米国民の平均を取ればさほど知識レベルが高いわけではないし、田舎に行けばいまだに文盲の人も少なからず存在したり、ある調査では信じられないけれど米国の首都はニューヨークと60%以上が答えるというのもあったりする。

国民のレベルを言いたいのではなく、そういう国民がTVでニュースショウを見てそれを信じて行動を決めるか?と言えば、そうするのは僅かしかいないと思うんだ。しかもほぼ全員が何らかの宗教を信仰していたりするわけで、そうなると投票の基準はやはり、自分たちの生活がどう変わったか?という生活実感になるのよ。

何といってもトランプ大統領は、米国の雇用の最大化を果たした大統領だからね。いままで米国の雇用の完全雇用と言える水準は失業率5%前後と言われてたけど、あっさりとトランプ大統領はそれをクリアして新型コロナ以前にはなんと3.5%という従来ではあり得ないといわれた水準を達成してる。

そして黒人やヒスパニックと言った浮動票層に最大の恩恵をもたらしたのがトランプ大統領ということになる。それが今回の新型コロナ感染拡大で一時的に14%を超えるという悲惨な状況になったものの、新型コロナを恐れずに経済再開が大切を言い続けたことで、現時点では7%台にまで回復した。

そうした経緯を考えると、従来は民主党支持が圧倒的だった黒人層が現実に30%近くがトランプ大統領支持(民主党支持)に回ると予測されている(2016年は僅かに8%)。ヒスパニック系はもちろん移民の比較的新しい世代が多いけれど、浮動票なだけにかなり現時点での境遇に左右された投票行動をする。となると、大半が職についていて、新型コロナで職を失い、またその半数以上が職に付けたということが非常に大きいわけだ。

となると、恐らくマイノリティで民主党支持者数は、実体としては前回の大統領選挙時よりもはるかに減っている、すなわちトランプ支持者は大いに増加していると考えるべきじゃないのかな?

仮にこの推論(また投票前なので推論でしかないけれど)が当たるとすれば、スイングステートはほぼトランプ大統領が制することになり、2016年並みの差をつけて圧勝するというシナリオは決して非現実的な話ではないし、十分にあり得ると思うよ。

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接戦に縺れて決着付かず・・・最悪のシナリオ

普通に何事もなく選挙が行われたらトランプ大統領は圧勝だと思うけれど、今回の対立候補はバイデンではなくて新型コロナだ、という点で接戦になり縺れる可能性がある。とにかく民主党はバイデン候補はもちろん、「米国の感染拡大はトランプ大統領の責任」としか言わないし、それ以外にトランプ大統領を凌駕するようなネタは何もない。

民主党としては、トランプ大統領でなければ米国が世界最多の感染者を出すこともなかったし、23万人もの死者を出すこともなかったという主張は、いかにもメディアに絶好のトランプ攻撃の材料を提供したと思うし、多くの米国民の賛同も得やすい内容だったろう。

けれども、例えばバイデンが大統領であっても結果はそう変わらなかったということは、米国民は薄々感じてる。今回の新型コロナの死者の多くは保険のない貧困層だったこともあり、オバマケア下で起こった事実だからだ。オバマケアによって2750万人が保険に加入したけれど、それでも感染者数900万人、死者数23万人におよんだのだ。

そしてバイデン候補が掲げる皆保険を実現するには、さらに毎年100兆円相当の予算が必要になるわけだが、果たして実現できたのか?というと絶対に無理だったろう。またバイデンは馬鹿の一つ覚えのようにマスク、マスクと叫んでいるだけ。でも、マスク着用に厳しかった民主党州知事の州が感染拡大が多いという厳然とした事実もある。

だがしかし、共和党支持者の中でも新型コロナに必要以上の恐怖感があったり、死者の親族だったりするとここまでのキャンペーンをされたら民主党に鞍替えするかもしれない。さらに郵送で投票した人も多く、事前投票も多いことからして、民主党の優勢は変わらないという意見も多い。要はそこが民主党と反トランプのメディアが作り出した流れで、それに乗った国民も多いだろう。

さらに今回の新型コロナで失業して、いまだに再就職できないという人も、現状を肯定できないという意味でバイデンに投票するかもしれない。

そうした諸々の条件を考慮すると、接戦で大統領選出がなかなかできないという最悪のシナリオが考えられる。しかもトランプ大統領が再選を決めて、下院民主党の多数は変わらず、上院も民主党多数となると、ますます拗れてくる。

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そうなれば民主党はことごとく大統領を苛めるだろうし、トランプ大統領も意地になって法案の署名を拒否する可能性もあるからね。もちろんその逆でバイデン大統領、下院民主党多数、上院共和党多数となっても米国の政治は停滞するよ。

バイデン勝利(ブルーウェイブ)・・・米国の悲劇

バイデン候補は経済政策に関して以外にもトランプ大統領のアメリカ・ファーストをパクっている。アメリカ製品の購入、アメリカへの投資、アメリカへの供給という内容の「全米での製造」というマンマトランプ大統領の政策を繰り出した。一方で通商政策となると、恐らく無用な対立をやめて米中の融和をはかる政策に転換しようとする。

しかし、これもまた面白いことにそのバイデンに反対するのは対中強硬をトランプ大統領以上に打ち出している議会民主党対中強硬派なんだよね。民主党は(日本もそうだけど)保守派、中間派、左派リベラル、左派過激という勢力が入り乱れている政党だから、まともな政策は繰り出せないのは明白なんだよ。

今回の追加景気対策で、共和党案は180憶ドル、民主党案は220憶ドルを譲らなかったのは、新型コロナで疲弊した民主党州知事の州への補助金予算が焦点だった。共和党にしてみたら冗談じゃない、勝手に新型コロナ感染拡大して勝手に他の州より余計に予算をくれ!なんてふざけてるということ。それは当然のことだと思うけどね。

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しかし、バイデンが勝つときは恐らくブルーウェイブ(上下院が民主党多数)となるだろうから、こうした偏向政策が堂々とまかり通るようになる。

またオバマケアの拡張版のバイデンケアも強引に推し進めるだろうから、少なくとも米国の財政はたちまち危機に陥るだろう。だからそのために、一定以上の所得者と富裕層に対し(公約である)増税をすぐにでも行うだろうし、予算的には(所得水準にかかわらず)所得税と法人税の引き上げ(22%→28%)なども行わざるを得なくなる。

そこでバイデンが真っ先に削る予算が軍事費ということになり、下手をするとそのことが中国の軍事的・経済的覇権を加速する恐れが濃厚だ。

そして極めつけは環境政策で、バイデンになればすぐさまパリ協定に再加入し、すべての化石燃料を排して再生可能エネルギーにすると言う・・・。今の米国はシェールがあるからエネルギーの完全需給を実現して中東やロシアとの利害関係を断ち切ることができているし、仮に米国がこの政策を推し進めると未来永劫中国だけがCO2垂れ流しを続けて、たちどころに世界の経済覇権を握るだろう。

まさに中国から経済援助を受けてる環境少女グレタと同じじゃないか!バイデンなんて老人はもはや完全にポンコツなのよ。

従ってこれらの政策を考えると何から何まで米国の悲劇を誘引してるよね。

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米国の政治状況は混沌とするかもしれない

米国は悲劇の一歩手前で立ち止まることができると俺は信じてる。だからバイデン大統領という悲劇は回避できると思うからシナリオには入れないし、多分バイデン当選を前提にした投資行動もしないと思う。

米国のウォール街は単純に投資という観点で、今回の大統領選挙を見ているだけなので、バイデン当選を前提にしたポジションを構築したわけだが、もう少し政治的な影響も考慮すべきと思う。

もしもバイデンが当選すれば、米国は1912年の不沈艦タイタニックの処女航海での沈没やら1937年レイクハースト海軍飛行場で炎上墜落した飛行艇ヒンデンブルグのように、まさかの衰退を喫し、中国に蹂躙されるかもしれない。まさに国際政治では撃沈だ。

そして米国経済も政府の不必要な介入や政策によって、活力を失ってしまうかもしれない。

米国民はそんな米国の未来を恐らく肌感覚で感じていると思うんだ。大統領に当選しても77歳のバイデンは一期満了で81歳、再選となると85歳の老人になる。普通、そんな老人に国政のトップ、世界のリーダーは任せられないだろう。核ボタンを持ったままボケられたらそれこそたまらない。

加えて今の民主党はペロシ下院議長も80歳という高齢で、そうなると米国の政治は終末期の老人達によって運営されるということになる。米国の伝統的な大企業は、トップの高齢化とともに衰退した歴史がある。リーダー、トップというのは象徴的な存在であるがゆえに、その高齢化は組織を緩ませてしまうからだ。20世紀最高の経営者と言われたGEのジャック・ウエルチでさえ65歳で会長職を退き、今年3月に84歳で永眠した。引退は英断だったと思う。

今回の米国大統領選挙は、政治的に著しい混乱を招くかもしれないし、それは米国の政治、経済、そして社会が今後混沌としてくることの予兆かもしれない。

そして10月30日、米国の1日の新型コロナ感染者数は99,321人と過去最高を更新した。

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