8月後半の相場を想像してみる

8月後半の相場を想像してみる

賛否両論だった東京五輪も昨日閉幕し、いよいよその後の新型コロナ感染拡大がどうなるのか、注目が集まりやすくなってくるだろうね。ここにきて米国CDC(疾病予防管理センター)は、ワクチンがデルタ株であまり効き目がない、と言い出した。そして3度目の接種を推奨し始めているわけで、それにいち早く呼応したのがモデルナで、その準備を進めている(増産?)という発表もあった。

これで仮に感染者の拡大が止まらないということになると、いよいよガースー政権がグラついてくるんだろうと。そのタイミングでいち早く動き出したのが高市早苗元総務大臣と例によって石破茂元幹事長ってことになるけれど、今の自民党って国民の世論次第でどうにでも転ぶような気がするし、小池百合子を舞台に上げないならば、個人的に両者どちらでもいいと思ったりしてる。

日本が女性宰相を誕生させたとなればある意味大きな話題となるし、対外的には高市早苗の方が良いに決まってるけどね。そうなる展開になって欲しいと、とにかくガースーを降ろしてほしいと願ってるけれどね。このままガースーでは日米関係も日中関係もどっちつかずで、大国の狭間で割を食うのが結構見えてる。少なくとも中国は、日本が台湾に肩入れし始めてることを快く思っているはずもなく・・・。

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下げ止まり気配の日本市場

さて株式市場。8月も気か付くと中旬になり、となると今年2月高値(20日 ¥30,714)の信用期日を迎えてるということになるね。そして2月以来半年間の揉み合いながらの下落相場で、どれだけ玉整理ができるのか、または出来たのかが焦点になるのは明白だよね。

7月30日の段階で日本市場の信用倍率は5.42で、日経平均¥27,283の時点での信用評価率は-10.03となっていたわけで、もちろん取り組みとしてはこの半年間で最悪レベルになっていた。7月は海外勢も売り基調だったけれど、主体と言うことになると俄然国内証券の自己売買が浮上してくる。逆に6月あたりまで延々と売ってきてたGPIFのリバランスも7月には終了しているっぽいからね。

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そして7月に入ってから俄然空売り比率を上げた海外短期筋も8月に入ると、これ以上の下値は難しいと判断しつつあるのか、だいぶ萎えてきてる。と言うことは、単純に今の株価水準をなんとか維持できると、年末に向かってそろそろ反転という可能性もテクニカル的には出てきてるということになるんだろうね。

8月後半は個別銘柄を見る!

そこで明日(10日)のSBGの決算を控えた、日経平均のEPSは主力企業の好決算連発によって¥2,120まで切り上がってきた。なので先週引け値(¥27,820)ではPER13.12となって、これは今期最低となってる。国内景気は相変わらず、というよりもむしろ悪化の一途をたどっているというのに、日経平均は輸出企業が多いために海外の経済状況を完全に反映した形になるわけで、この辺りが経済状況と株価の違和感というか乖離となってるところが、嫌らしいと言えば嫌らしい。

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そして、ならば日経平均を考える上では、やはり国内の景気指標は参考ならず、またこの厳しい経済状況で前年度予算を20兆も30兆も未執行な政府も全く当てにならないのは言うまでもないし、選挙対策に20兆の補正を組むとか、いろいろ言ってるけれど、そんなのは目くらまし以外の何物でもない。ここが、日米株価の乖離になってることは明白なんだけどね。いずれにしても、日本株を考えるうえで重要なのは海外の市況とか海外の情勢であることは否定できないわけで、日本株水準やら需給要因も株価形成には重要だけど、それ以上に海外の経済情勢の影響を受けやすいのは否定できないよね。

そうした例を端的に表すのが、船株なんだろうと思う。いやはや、海運株は天井知らずの上昇を続けてるし、此の先も何処まで買われるのかはちょっと判断できないと思う。先日場中(前場後半)に大きく売られるシーンがあったわけだが、株式市場はそのことをあまり話題にはしなかった。そして株価はまたすぐに上昇フェーズに戻ったわけだが、テクニカル的にも小型株のような急激な上昇で、なかなかここからは入れないなんて感じなのだが・・・。

9101 日本郵船 ¥7,770 PER2.62 利回り9.00% 信用倍率2.61
9104 商船三井 ¥6,890 PER1.42 利回り7.98% 信用倍率3.42
9107 川崎汽船 ¥4,105 PER3.52 利回り無配  信用倍率3.14

これが海運3銘柄の現時点での株価で、ここに至ってもファンダメンタルズではとんでもなく割安な状態が継続してるわけだが・・・。とにかく日本市場の主力銘柄において、最も強烈な業績を示しているのがこの海運3銘柄。

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ここまで爆発的に業績が伸びた要因は、3社合弁で設立したオーシャン・ネットワークエクスプレスジャパン株式会社という定期コンテナ船事業がとんでもなく絶好調であるということだ。なので出資比率(汽船31%、商船31%、郵船38%)に応じて持ち分法の利益を計上できることが要因。

そしてこのコンテナ価格の急騰の裏には、中国の無茶苦茶なコンテナ船の買い占めというか押さえで、とにかく中国は理由は不明ながら輸出入を急激に増やし続けていることが要因と言われている。

またバラ積船価格であるバルチック海運指数も同様に上昇しているわけで、裏には中国の原材料や食料不足によるチャーターが増加しているからということだ。しかし何といっても今のコンテナ価格の上昇は異常で、もちろん原油価格の上昇も拍車を掛けているわけだよね。

こうして外部要因に急激な変化がある場合、業績に対する影響は半端なく跳ね返るということで、同様なことが1605 INPEXや5020 ENEOSにも起こる可能性が高いと思う。特にINPEXは原油価格はもちろん、天井知らずとなっているLNG相場の影響を大きく受けるはずだからだ。

なので、需給関係が厳しい日本株は、割安と言えど全体相場が水準訂正するのは結構厳しい部分もあるけれど、船株を筆頭に個別では需給の良好な銘柄であれば、上値追いをするような動きになるかもしれないね。

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相場の変化に注意

堅調な米国市場はとにかく現時点では、8月26日~28日のジャクソン・ホール会議に注目していると思う。で、それまでに米国の新型コロナ感染がどう変化するのか、そしてFRBパウエル議長がテーパリングに踏み込む時期に言及するのか、さらには新型コロナの起源について言及されるのか、が注目点だろうと思う。

そこまでは、大きな変化は米国市場には出ないだろうと思っていて、ただし上値も早々追えないだろうということで、高値もみ合いなんじゃないか?と想像してる。けれども、株式市場に変化をもたらす可能性が在るとすれば、それはもちろん中国関連だろう。

現在の中国は、恐らく慢性的なドル不足に陥っているのではないか?と思っている。なので現在は自国民に対する渡航許可をほとんど下ろしておらず、今後来日中国人もほぼ当てにできない状況が続くと思われる。もちろん米国は中国人留学生に対するビザの発給を停止しているわけで、その要因はすべてドル不足と言われている。

こうしたことから、中国は輸出がダメで輸入が急増していることが分かるが、輸入の増加は経済好調を意味するものではないのは明らかだ。

また来年早々開催予定の冬季五輪(北京)でも、中国の人権問題を理由に世界各国のボイコットが鮮明になりつつあり、さらに中国は核戦略を強硬に推し進めていることに対し、米国の反発が高まりつつある。

そういう意味では、中国の政治リスクは一段と高まることも予想され、それが株式市場の大きなネガティブファクターになる可能性も否定できないと思う。