原油価格:記事から一週間後の相場

原油価格:記事から一週間後の相場

先週、「原油高を考えてみる」というタイトルで原油に関する記事を書いた。以来WTI原油は2度高値を更新し、2度目の今夜(昨夜)は、高値$88.82をタッチして$90.00目前まで来たところで、利食いに押されて急落してしまったが・・・。

先週末は原油ポジ(1605 INPEX買い)を建てていたので、多分にポジショントークだったことは認める。そして26日(水)後場には、実際に1699原油先物という野村のETF買いをして翌日運よく上昇してくれて利食いすることが出来た。もちろん狙いはもっとはるかに上なのだけど、とりあえず初戦を白星で飾りたかったというのはあった。

さてその原油に関しては、記事通り今後も上昇せざるを得ない状況があると変わらず思っているけれど、でも今の原油の上昇は言われるように投資筋が作り上げた投機相場ではなくて、実需と生産量のバランスの結果であると思うし、どちらかと言うと地政学リスクを意識した買いもあるし、天然ガスの暴騰によるエネ価格高騰を意識したものでもあるわけです。

勿論その中には投資(投機)マネーも約2割ほど入っているから値動きは彼らの売買で作られていると思う。原油価格が上昇を開始した2020年9月頃から現時点まで、大き目の利食いは3度あった。直近では昨年の10月から11月の2カ月間で高値$85.0から$62.80まで約$22あまりの急落があったわけだが、そこから需要のピークとなる1月~2月ではあっさりと$80を超えてきた。テクニカルで言うと、昨年の急落が深かった分だけ上値は$100.0辺りに見えるから、評論家やアナリストはそう予想しているというしごく単純な話であることが分かる。

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しかし足元の現実はそんなに単純ではないことは明らかだし、かといって理詰めで説明できるようなものでもないと思う。INVESTING.COMに女性ジャーナリストの記事が出ていたけれど、彼女なんか実情はまったくわかっていないのだろう。ただ原油関連の記事を執筆してるだけと言う感じがする。

まず原油とかコモディティが上昇すると必ず「投機筋の仕掛け」という観測が出てくるけれど、正直いまの時代は簡単に投機筋が相場を作れる状況にはないし、第一利上げ・金融縮小に向かってるので(相場を作ると考えると)条件はかなり悪い。

それに僅かな量とは言え、価格がエスカレートすれば日米欧政府が備蓄を放出するという前例までできているので、おいそれとは行かないわけだ。

またロシアーウクライナの緊張が関係はあるにしても原油価格上昇の主な要因でもない。もちろんウクライナ侵攻は一時的に原油価格を持ち上げるかもしれないけれど、すぐに冷やされるから投機筋は怖い。これは天然ガス相場を見れば一目瞭然ではある。

さらに生産が遅れるOPEC+と言う記事も間違ってはいないと思うし確かにリビアとか全く生産できていない国があるので、OPEC+の取り決める日量40万バレルの増産が出来ないという理屈だけどその分は他国が簡単に埋める。

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というわけで、この女性記者が書くことが真実ならば、株式市場同様にFRBの政策で暴落しているだろう、投機なら確実にそうなってると思う。何せ原油は脱炭素時代の厄介者だからね。

ではなぜ原油価格が上がるのだろう?と考えたとき、もちろん需給バランス(エネ需要)で供給不足という側面と、石油精製施設の稼働状況が悪化しているということ、さらには太陽光や風力は論外としても、石炭や天然ガスと比較して原油が酷く割安のままであるということ、そして石油精製品の需要が全く減らないこと、というのもあるが、地政学リスクももちろん要因としてある。

そもそも原油価格は、他の化石燃料と比較しても約5割は安い。これは明白な事実であって、恐らく比較フェアバリューはエネ効率の点から判断するとWTIでバレル$120~$150ということだ。なので、苦しい時には原油に頼るしかないという事情がある。

原油そのものは現状の施設でもいくらでも組むことが可能だが、備蓄施設、精製施設に見闇に保管出来ないし、まして石油精製施設の稼働率はかなり悪化している。いま中東でイランバックのフーシ派がUAEにドローン攻撃をしているけれど、そういうのは油田を狙うのではなく必ず精製施設である。

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そして地政学上の目論見もあるのは事実で、いまの欧州向け天然ガス価格を観れは、プーチンが少しヘソを曲げるとあっという間に5割、10割価格が高騰するという不安定な状況に晒されている。天然ガス価格と原油価格はやはり連動性が強くでるから、ウクライナ侵攻によって原油価格が暴騰するのではなくてNATOとロシアの交渉でジワジワ上昇すると見た方が正しいと思う。

仮にバイデンが言うようにプーチンがウクライナに侵攻するとするならば、2月であるとはよく言われている。雪が解けて泥濘になると攻められないという理屈らしいけど、実際にウクライナをどうこうするつもりはあまりなくて、とにかくウクライナにミサイルを配置するなということと、すでに配備済みのチェコのミサイルを撤去しろと要求しているだけの話。NATOの盟主でもある米国はバイデンがゼロ回答をしてしまったので、当分揉めるだろうと思われる。

で最終的にプーチンはこれによって原油や天然ガス価格が上昇すれば良し。出来るだけ長い期間高水準を保つことが狙いだと思う。

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ただし、事(世界情勢)が急激に悪化すると、今の旧西側の指導者達の器量がどうにもならないほど劣化しているので、中国とロシアは基本的に領土拡大を行動に移してくる可能性もなくはない。中国は台湾はもちろんあのブータンも実質植民政策で占領を完成させている(ブータンは中国に完全に獲られた)。またロシアも中米ニカラグア、キューバ、べネズエラあたりに派兵するとしていて、対するインドは対中で、米国は対ロシアで、軍隊を派遣している状況。インドは中国国境付近、そして米国は日本海に現時点で空母打撃艦隊と海兵隊の揚陸部隊を置いている。

報道にはならないこうしたかなり危険な状況(緊張関係)が背後にあっての原油高という理解が出来たらそれは正しいと思う。

その上で、妄想たくましい個人投資家としては有事一歩手前があり得るかも、という読みで原油を見ているということで、そんなことは彼女(ライター)には分らないし、分ろうともしていないよね。

個人投資家は目論見が当たれば儲かるし、外れたら損をする。ただそれだけのことだけど、可能な限りの調査はするよ(苦笑)

なので、原油は$100行くんじゃないかなぁ・・・。