いままで無視してきたファクターを今後株式市場は織り込むようになる?

いままで無視してきたファクターを今後株式市場は織り込むようになる?

結局昨夜の米国ダウは▲$1,008という暴落で、S&P500▲3.37%、NASDAQ▲3.94%とまぁ大暴落したと言ってもいい水準感だったね。ブルームバーグには「パウエル議長、高金利維持する可能性高いと示唆ー転換期待裏切る」なんて記事が出ているけれども、パウエル発言はあまり関係ないんじゃないかな?

米国市場引け前に記事書いたけど、結局のところ昨夜の時点では投資家のセンチメントに警戒感が充満してたという事なんじゃないか!?債券金利だって上値ブレイクしてたしね、良く戻ったからそろそろ売っておきたかったという投資家が、ジャクソンホールを待ってから決めようと待ち構えてたってこと。で、発言がタカ派的に聞こえたから、売り始めたってことだと思うよ。

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そもそもジャクソンホール・ミーティングって言うのは、金融のプロ達の集まりなわけで、世界中の金融当局者が来ているわけだから、市場と対話して誘導するといった側面はあまりなくて、金融当局者のトップとして忌憚のないところを率直に言う、みたいな側面が強いと思うのよ。それを市場が勝手に解釈して、揺れ動くだけ。パウエル議長も発言内容は真摯なんだろうけど、だから9月利上げは・・・ということは言わないわけね。もちろんいう必要もないわけだけど。

だから俺にしてみると、ダウ▲$1000は意外でもあった。それほどに投資家は現時点の株価に疑心暗鬼だったと言うことかもしれないね。

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けれどもこのパウエル発言一発で市場のトレンドが変わった可能性もある。やっと景気後退について投資家が真面目に考えるようになるのかもしれないね。いままで、FRBが金融緩和をしてきたからこそ、株価はここまで上昇してきた。ちょっと景気が悪くなったり、事件や事故が起こったりしても必ずFRBが金融緩和という救いの手を伸ばしてきたし、だからこそ投資家は、下落の逆張りをしさえすればよかったんだよね。そりゃどんどん株価は回復するし、投資家は儲かるよ。

けれども今回は全く真逆の金融環境だ。利上げ&QTという引き締めがこれからも続くみたいなニュアンスだったことで、逆張り投資家は焦った。それってもしかして高値掴みなんじゃ?という疑心暗鬼だよね。それが株価下落とともに徐々に増幅されてきて、気が付くと手持ち玉は売るわ、空売りは入るわで、昨夜のようになってしまったという事だね。

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さて、ようやく、というか今度こそ、現実の景気動向や企業業績、もっと言うと世界中の景気悪化に対して、気にしなければならない相場になるのかな?と思う。だって株式市場が延々無視し続けた欧州経済は、はっきり言ってドツボに嵌るだろうし、中国経済ももう当分復活はないだろう。そして韓国経済はIMF管理かな。第一、サムソンが相当ヤバい感じだからね。

米国経済は、企業業績の悪化が決定的になるのが4Q悪化が顕著に見え始めるのが3Qから、ということで、後は年明けの個人消費は壊滅するだろうしね。その間にいくつか金融関連の事件・事故があると思う。日本市場の場合には、何と言ってもドル建て日経平均だよ。円安が続けば日経の下落はかなり和らぐけれど、ドル建ては悪化の一途。なので、リスクオフになって国債への資金シフトが顕著になり、米10年物国債金利が低下する局面で円安が収まればいいけれど、でも世界的なドル争奪戦が始まるかもしれないしね。

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それと最悪の事態ってことで言えば、尖閣周辺での中国軍との小競り合いとか、この冬の電力不足によって計画停電なんてことも十分にあり得る話。特に岸田首相がぶち上げた原発再稼働は、左派揃いの原子力安全委員会によって潰される可能性が濃厚・・・。核燃料がないのよ。原発が安全でも燃料棒がなければただの箱だからねぇ・・・。

そうなったら海外勢も日本株を諦めると思ってる。株式市場の資金はドル買いに回りそうだからね。日経平均¥30,000は無理かもしれないなぁ・・・。

最後に、絶対に目を離してはいけないのがロシアだよね。はっきり言って泥沼にはまり込んだウクライナ情勢は、もうどうにもならないところまで来ちゃってるし・・・。窮鼠猫を噛む、じゃないけれど窮鼠核を使う、みたいなことがあるかも。

今の情勢はその辺までを頭に入れておきべきだと思うけどね。