気の抜けない年末、ラリー期待は危険も覚悟!?

気の抜けない年末、ラリー期待は危険も覚悟!?

今年は相場であまり良いことがない年だからね、でも最後の最後、今日のイヴと明日のX’mas当日は土日になったので、ゆっくりと相場のことなんか忘れて過ごせるのは良いよね。

俺は、というと食事して午前中はYOUTUBE見ながらこの記事を書いてるんだけど・・・、相変わらずの内容で面白くないというか、どれもあまりパッとしたことは言ってない。どうしてアナリストとか投資の専門家達って過去の統計や事例を引き合いに出して、今後の予想をするばかりなのかな?

統計をみて、こうなってるからこうなります、みたいな事ってそんなに将来を言い当てるの?って思ってしまう。結局そういうものは全部が全部、遅行指数の寄せ集めみたいなものだからね。俺は思うけど、将来を予測というかある程度の目途を立てるには、もっとも重要なのは「今」なんだと。現状把握がどれだけできるか。まずはそれが出来ないと、どう考えても予測することは出来ないと思うんだけどね。

 

株式市場は半年先を見る、なんて言われてて、今回の米国ダウなんてまさにそれを見越しての買いが入った結果と説明されてる。インフレは低下し、FRBの利上げは緩む、という前提で景気指標の悪化を歓迎するような値動きになるのは、今ではなくてまさに半年先を読んで先回り買いしようとする結果だ。

だから、ある程度急落して移動平均からの乖離が大きく成れば「ここが底値」「絶好の買い場」なんて話が涌いてきて、乗せられちゃうんだよね。もちろんそうなると、需給的にも反発しやすいから、ある程度は成功する。逆に上昇したときも、「そろそろ(一旦の)天井」とか「売り場」「過熱感アリ」とか騒いでね。

結局YOUTUBEでやってるのは「天井当て、底当てゲーム」なんだなと思うしね。みんな結局短期投資ばっかじゃん!って思うよね。で、もしそうならば、現実の投資では徹底して短期に徹するべき、と思うし、短期ならば「今夜、明日、何が起こるか分からない」というスタンスを常に持ってないといけないと思うんだよ。

俺には、彼等のような専門知識もないし、第一、連立二次方程式まで、と言うくらいの幼稚な脳しかないから、パラメータが無限にあるような経済を予測するなんて、出来るもんじゃない。だから、ワンナイトばかりやってるんだけどね。

Advertisement

でも一つだけ彼等よりも優ってる点がある。それは中小企業やってて銀行にいじめられ捲った時代があるってこと。所謂資金繰りっていうやつね。その感覚がいまの投資に結構生きてるというか、応用編だけど金利上昇がどんな効果をもたらすか?ってことを、彼等よりも分るってことだよね。

日本の大企業は内部留保をせっせとやってて225構成企業で資金繰りに詰まるようなところはない。もっとも株式市場に上場していれば資金調達は簡単に出来るし、社債も起債できるだろうしね。だから経営者は左団扇で地位を楽しんでいればOKなんだけどね。

でも米国企業は、そんなダレた考えの経営者ばかりじゃないから、やはり勝負を仕掛けてくる。そこが魅力だし、経済を活性化させる源泉になってるよね。だってイーロン・マスクとかジェフ・ベゾスとか、本当に勝負しまくってるし・・・。

勝ち負けは別として、日本企業ではやはり孫会長、柳井会長、三木谷社長なんて名前になっちゃう・・・。少なくともこの三人は会社の存亡をかけて勝負はしてると思うけど・・・。だから、そういう人にとっては、「現状を把握すること」が命になってるはずだけど。

Advertisement

それで、話を戻すけれど、先日日銀が10年物国債金利を0.250%動かしただけで、市場は大騒ぎになった。ちょうど米国の10年物国債金利が結構低下していたこともあって、日本の機関投資家は大慌てで外債売り円買いとなったわけで、その結果日本国債10年物は、下手したら0.500%張りつきか?と思われたけど、大いに買われて0.371%で落ち着いた。

けどその煽りを受けたのがドル円で、僅かに0.250%変動幅が広がったらば、ドル円が¥7近く動くというとんでもない値動きになったよねぇ・・・。これでFXトレーダーの半数は大ヤラレしたわけだけど、輸出企業の多くは為替スワップでヘッジしていたからノックアウトにかかったところも結構あったろうしね。

こういう動きは落ち着いてしまうと、喉元過ぎれば・・・ってことで、忘れてしまうんだけどね。それほど今の日米経済では金利の変動は為替の大幅変動を伴うから大きな影響が出る爆弾みたいなものだからね。いま、日本市場では金融セクタが相場になって囃されてるけど、やはり結構微妙なバランスの上にあって、金利と為替の動向次第では、ドカンと喰らうことも十分にあるというのを、どうしても意識しちゃうんだよね。

Advertisement

米国のJ.PモルガンのダイモンCEOとか、大手銀行のトップやアナリストは、来年は厳しい相場になると断言してるよね。GSも含めて米銀の経営者たちはこぞって12月の売りを推奨してる。もちろん部下たちは様々なレポートを出してくるけど、トップはみなネガティブなんだよ。彼らは金利上昇で融資や投資が出来なくなってることを分かってるんだよ。

日本のトップ達とは違って現場をよく見てる。しかも米企業の現状も良く把握してると思うよ。だって大量のジャブジャブ資金を供給され、ほぼゼロ金利下ですべてのビジネスモデルは運用されていたんだよ。そこで5%も純利益を出せる体質だったから、様々な投資が出来た。ところが、FFレートが4.000%になってしまったわけで、そうなると市中短期金利は7~10%近くに跳ね上がる。

僅かな期間(1年足らず)で金利がそうなってしまうと、各企業はほとんどすべて新たな財務を構築しないといけなくなるんだ。インフレで仕入れ価格も資源価格も上昇したけれど、これは従来の体質でカバーできるけど、金利上昇はそうはいかないんだ。全部見直さないとダメで、まして輸出入が大きなウエイトを占める企業は、そこに為替が絡むし、短期資金の借り入れも厄介になるし、「借りられる企業=借りる必要のない企業」という悪魔の等式になっちゃってるわけだから。

Advertisement

12月というと、いままさに各企業は懸命に事業継続の方法を模索し、様々な変更をし、体質を変えないとダメな期間にある。といってもそんなことは半年や1年では出来ないわけで、今は米国の経営者達は地獄の苦しみの最中かな。

そんな中にあって、消費が衰えないならまずは値上げしてキャッシュの目減りを食い止めようとするでしょ。唯一の救いは米国の消費者が「インフレはもう終了」というメディアの宣伝に乗って楽観的に消費を継続してること。クレジットファイナンスも限界だというのに、もう買っても大丈夫だから、と消費を減らさない。それでソフトランディングが可能という雰囲気に投資家は徐々に流され始める。

でもね、実態はみんな相当にタイトになってるから、インフレは低下傾向だけど、雇用は減らない、賃金の上昇は止まらない、と判断してFRBが金利の高止めなんかを始めちゃうと、消費も企業業績も坂道を転がり始めちゃう。いまが苦しいという感覚を大手銀行のトップは持ててもFRBは持ちえないのかもね。

 

中国で新型コロナによる死者の火葬を待つ車列

ここにきて株式市場の動きは本当に緊張するよ。一日一日が緊張感の連続だからね、ザラ場を見てるのは本当にキツイですよ。しかも薄商いで動かないときてるから、非常に焦れちゃう。でも、怖いからポジションが建てられない。

Advertisement

いま中国の新型コロナ感染が大爆発してる。何とブルームバーグには「1日で3700万人が感染」と言う記事も出てる。ってそんな数字が事実なら二週間で労働人口の半分が感染しちゃうじゃないか!ってこれって中国経済自体が崩壊するような数字なんだけど。

相場はそういうことを見たくないし、無視することに決めたみたい。米国市場も相変わらずおかしな展開が続いてるよね。もしも中国経済が崩壊してしまえば、インフレは低下するどころじゃないでしょ!米国経済の喉元はコア指数は中国頼みなのにねぇ・・・。

それともう一つきついニュースは、「日本の損保各社、ロシア全域で船舶保険んぽ提供を停止」だって。

おいおい!これじゃロシア産原油の輸出が出来ないし、他の資源輸出も出来なくなってしまって、またぞろコモディティ価格が上昇しちゃうんじゃないか?というか、英国のロイズがロシア関連の保険を停止したことから、日本の損保も右に倣いをやったらしいけど。日本のサハリン2からの天然ガスはどうするのよ!

 

だから週明けの日本市場は・・・かなり不安なんじゃないか?クリスマスでみんな意識してないかもしれないけれど、どちらも冷静に考えると日本経済にとっては死活問題だろう?こういうのを無視して年末ラリーになったら、年明けのいしっぺ返しを喰らうしね。だから月曜は下げた方がいいんだよね。

というわけで勝手放題書いてしまったけれども、せっかくの週末のイヴとX’mas、楽しくお過ごしください。それでは。